こちらでもご紹介したカリフラワー、実は冬に出回る花野菜のツートップなんです(注1)。
年中見かけることができますが、旬は11月〜3月です。

野菜料理の素材としてはもちろん、最近はダイエットのためにカリフラワーを砕いたものを「カリフラワー・ライス」として、カレーなどを食べる時に使う方も多いとか。

カロリーが低く、食感があるところから選ばれているのでしょう。

栄養的にはビタミンCがとっても豊富
ということは、コラーゲンをしっかり構成するのに一役買うということで、美肌づくりに有効です(注2)。

このビタミンCは加熱でも失われにくいのもポイント。
食物繊維が多いことで日々のお通じにも効果があるのがまた、美肌へのアプローチになりますね。

中医学(薬膳)的には「お腹の動きを健やかにし、腎臓、筋肉、骨を強くする」効能があります。

他には、カリウムもたっぷり含まれていて、解毒やむくみとりに活躍します。
これはもう、ダイエットや健康維持の味方としては十分な素質と言えるでしょう。

最近は、緑、オレンジ、紫のものを見かけますが、これらは人口着色や遺伝子操作で作られたものではありません。
自然発生したものを選抜して育成し、商品化に至ったものだそうです。

緑のものは白いものよりさらに多くのビタミンCを含み、オレンジのものはカロテン紫はアントシアニン(注3)を含みます。
色付きのものを見かけたら、優先して使ってみてください!

そんなカリフラワーを、丸ごとドーンと焼いてみるのが今回のお料理です!

ひとつ1kgくらいあるカリフラワーですが、食べ残してもいろんなお料理に展開できるので、たっぷり下ごしらえをするつもりでやるといい感じです。

では、行ってみましょう!

材料はこちら。

材料<2〜3人前>

  • カリフラワー・1つ(写真のもので約1.2kg)
  • パセリ・(太い茎をとった状態で)20g(5〜6本程度)
  • にんにく・大粒1かけ(ふつうのものなら2かけ)
  • アップルサイダービネガー・大さじ3
  • にんにく・大粒1かけ(ふつうのものなら2かけ)
  • メイプルシロップ・小さじ1
  • ・大さじ2
  • オリーブオイル・大さじ2(ソース用)、50cc〜(ロースト用)
  • ・小さじ1(ソース用)、小さじ1(ロースト用)
  • 胡椒・適量

道具

  • 耐熱皿
  • 耐熱ボウル(耐熱可能なら丼でも鍋類でもOK)
  • 計量スプーン
  • 小または中ボウル
  • 泡立て器
  • ペーパータオル
  • 鉄串か竹串

まず、オーブンを365F(185℃)にセットします。
コンベクションが使えるなら、コンベクションも使ってください。

耐熱ボウルに入る程度の量の水(分量外)を沸かし始めます(鍋でもやかんでも電気ポットでもOK)。
お湯は後で使いますので、沸いたら火を止めてそのままにします。

カリフラワーはパッケージを取って洗います。
洗ったら、ペーパータオルや清潔なふきんで、丁寧に水気を取ります

ひっくり返して太い茎を外し、葉っぱを取り除きながら芯を切り詰めていきます(注4)。

最後は芯を少し逆三角形にえぐるように仕上げて、下ごしらえは終わり。

耐熱皿にカリフラワーを入れ、塩をパラパラ、胡椒をガリガリ。
塩はひとつまみずつ使って、やや高い位置から全体にまぶす感じでパラパラするといいです。
薄く味付けをする感じです。

そこへオリーブオイルをたらし、手でまんべんなく塗りつけていきます

カリフラワーは意外と、油を吸ってしまいます。
オリーブオイルは目安量で50ccとしましたが、この量にとらわれず、全体にしっかり塗りつけるまで使ってください

表ができたら、ひっくり返して裏も同じようにやってください。
裏側の茎の方にもオイルをたらして、しっかり行き渡らせます

余熱が済んだオーブンの上段にカリフラワー、下段にお湯を入れた耐熱ボウルをセット
この耐熱ボウルのお湯は水蒸気を発生させ、カリフラワーへの火の通りを助けます(注5)。

タイマーを1時間入れて、後は放置します(注6)。
その間に、ソース作りに行きましょう。

パセリはみじん切りにします。

ソースを使う直前まで保存するため、ペーパータオルをしいた中へ入れて、ラップをかけて冷蔵庫で保存します。
こうすると、パセリの自重で自然と水気が切れるので、使うときには適度にサラッとしていて使いやすいのです。

そして、ソースのベースを作ります。

にんにくもみじん切りにしてボウルに入れ、塩、胡椒適量、アップルサイダービネガー(注7)、メイプルシロップ、ソース用のオリーブオイル、水を全部いれて、泡立て器で乳化させます。

オイルとビネガーが分離せずに全体がまとまり、とろりとしたらできあがり。

乳化したら、ラップをかけてそのまま保存します。
冷蔵庫に入れるとオイルが固まってしまうので、ソースのベースは常温で(注8)。

カリフラワーの方は、時間が来たら鉄串や竹串を刺し、火の通りを確かめます

かたくて通らなかったり、通ってもスッと通らなかったら、オーブンへ戻し、今度は15分刻みくらいで確認を続けます

できました!

わたしはかための仕上がりが好みなので、この時は1時間15分でできあがりとしました。
柔らかめが好きな方はもっとローストしてもいいかもしれません。

表面が焦げてきますが、実はこの「おこげ」が美味しいポイントなので、真っ黒になりそうでもなければ、そのままで一度お味を試してみてください。

焦げ付きそうなら、もしくは自分の好みではない感じに焦げそうなら、火傷に注意しつつ、全体にアルミホイルをふんわりかぶせてやります
きっちり耐熱皿全体を包み込まなくとも、カリフラワーに帽子をかぶせるつもりでフワッとのせるだけでOKです。

食べる時は、温かいままでも冷めてからでもどちらでも美味しいです。
そのタイミングに合わせて、ソースのベースにパセリを入れて仕上げ、一緒にいただきます

でも実は、ソースなしでも十分に美味しいです!!

もし、ソースを作るのが手間でしたら、レモンを絞ってオリーブオイルをサッとかけるだけでも大丈夫
その場合、塩胡椒はお好みで追加してください。

小さな包丁で取り分けて、ソースをかけた状態がこちら
おこげの部分が香ばしくて美味しいので、取り合いになりましたw

ふたりだけで食べたので、1kgのカリフラワーは当然ながら食べきりません。
残りはざっと分けて保存し、別の料理に使いまわします。

マスタードなどと和えてサラダの一部にしてもよし、メイン料理の付け合せにしてもよし、少し茹でて崩せば、パスタソースにも展開できますね。
シンプルなローストなので、味噌和えや胡麻和えなどの和の料理にも

スープや煮込みの具材にするなら、仕上げの段階で入れて温める程度でできあがりにすると、崩れずにいただけます。

フードプロセッサでくだいて「ロースト・カリフラワー・ライス」にしたものは、香ばしさとしっとり感がカレーによく合って、美味しくいただけました。

ローストのお供にするソースの方も、味噌を使ったりナッツ類を使ったり、オイルを別のものにしたりと、バリエーション豊富です。

ソースは残ってもドレッシングや温野菜のソースとして使い回しOKです。
パセリの色はちょっと悪くなりますが、きのこソテーをマリネしたり、豆腐ステーキのソースなんて合いそうです。

冷めても美味しく、オーブンで放っておけばできるので、パーティ料理にもぴったりなのです。
何よりこの大胆すぎるルックスは、パーティでもウケるでしょうね〜!

丸ごとということでローストに時間がかかるのが難点と言えば難点ですが、できあがりはいろんな形で楽しめます

お時間のある週末などに、ぜひお試しくださいね。


注1
もうひとかたは、ご存知ブロッコリー。
ブロッコリーは緑黄色野菜ですが、カリフラワーは見た目の通り、淡色野菜です。

注2
「ビタミンC」というと風邪予防…という認識が多いと思いますが、最近の研究の結果には、通常に生活する人がビタミンCを大量摂取しても風邪の予防にはつながらない…というものがあります。
過激な運動(フルマラソンやトライアスロン)をした時や、特殊環境下(寒冷地など)に生活する人の場合は、効果が見込まれるそう。

しかしながら、ビタミンCが体内で合成できない栄養素であることはかわりなく、健康のためには、1日60mgを摂取すると良いそうです。
この量は、コップ1杯のオレンジジュース程度になります。

注3
ブルーベリーなどにも含まれる「目に良い」と言われる「アレ」です。フラボノイドの一種で、抗酸化物質として知られています。
他には、紫キャベツ、ぶどう、紫芋、黒米、茄子、小豆、赤玉葱、赤しそなどにも含まれます。
植物に自然に存在する色素で、すみれの色などもアントシアニン類です。

注4
太くて本当にかたい葉っぱは洗ってベジブロスの素材に、柔らかくてシャキッとしている中の方の葉は、刻んでサラダにしたり、スープや味噌汁の具にすると美味しいです。
芯もまた同じ。ぬか漬けにしても美味しいですよ!

注5
直径22〜3センチ、高さ6センチほどの耐熱キャセロールを使いましたが、8割ほどお湯を入れても、1時間では蒸発することはありませんでした。
お湯の量が少ない場合、時折オーブンをチェックして、空焚きしないようにしてください。

もしも空焚きしてしまったら、そこに水やお湯は決して入れないこと。熱の差で割れてしまいます。
オーブンを消してもそのままにして、自然に冷めるまでさわらずに置いておきます。

注6
1kgのカリフラワーをローストする時の目安です。
これより小さいものなら、時間を減らしてください(大きいようなら増やします)。実体験では、500g程度のもので45〜50分かかりました。

注7
ビネガーは何でもOKです。
ワインビネガー、バルサミコ、米酢、黒酢…お好みのものでどうぞ。

注8
ただし、本当に暑い時期などは食べる時間(昼間に焼いて夜に食べる…などのタイミング)に合わせて冷蔵庫保存してください。
オイルが固まってしまった場合は、20分ほど室温でなじませると戻ります。