さて、あなたが普段、一番良く使う調理器具って、なんですか?
包丁? 菜箸? ヘラ??  おたま???

わたしの場合、一番良く使う調理器具は「手」です。

サラダを作るとき、和え物を作るとき、いつでも手で混ぜ込みます。
その手が感じる「感触」で、でき具合を判断するのです。

手、特に日本人の手ってものすごく繊細にできてます。
ちょっとした調味料の混ざり具合や温度、素材の硬さなどが全て把握できるのです。

いわば「最高の調理器具」

ソースと素材を和える調理のとき、ヘラやお箸で混ぜてませんか?
それはすごくもったいないです。

熱いものを混ぜるときには仕方がないですけども(火傷しちゃいますからねw)、常温以下のものを調理する時には、ぜひ、手を使ってみてください
汚れたら洗えばいいだけで、普通の調理器具と変わりません。

でも、その「最高の調理器具」が感じる情報は、ものすごく多いのです。

今日はその、「手」を使う野菜ごはんを紹介します。


青汁の原料でもあり、ちょっと健康を考える人ならば食べておきたい素材、ケール

アブラナ科の野菜で、温暖な気候であれば季節を問わず栽培がたやすく、オールシーズン、買うことができます。

日本ではなかなか入手が難しいようですが、アメリカではそれこそ、スーパーでも扱うくらいのレギュラー商品です。

ビタミンAは人参の2倍、カルシウムも豊富、各種ミネラル、葉緑素、ギャバ、食物繊維、葉酸、タンパク質もたっぷり。抗酸化物質のルテインも含まれるという、「健康野菜」の代名詞のような存在です。

とはいえ、あのゴワゴワした葉っぱを食べるには、ちょっと勇気がいるのも事実。

お店で食べるサラダにも入っていたりしますが、苦味のある野菜でもあるので、刻んだものがそのまま入っているだけでは、正直、美味しいとは感じにくいですね。

そのケールを、食べやすいサラダで食べる方法をご紹介しましょう。
今日のお料理は「ケールのマッサージ・サラダ」です!

かつてのわたしもケールをサラダで食べることはあまりしませんでしたが、友人が作ってくれたこの「マッサージ・サラダ」はとても美味しくて、ケールサラダのイメージをひっくり返してくれました。

そして、レシピを教えてもらったところ、その簡単さにビックリ!
それ以後、自宅で何回も作り、色んなバリエーションで楽しんでいます。

主役のケールも、色んな種類がありますね。

普通に見かけるものだけでも、緑の葉っぱがチリチリしている「グリーンケール」、チリチリの葉っぱの縁が赤くなっている「レッドケール」、ゴツゴツした葉っぱの「ラシナート・ケール(ダイナソー・ケール、とも言います)」、広がった葉っぱの「ロシアン・ケール」…。

色んなケールがありますが、葉っぱを食べるものですので、ぜひ、オーガニックのものを選んでください。

今回使うのは、この「ロシアン・ケール」です。
葉が柔らかめで、食べなれない人にでもとっつきやすいケールです。

材料

(アペタイザーサイズのサラダ2人前、フルサイズのサラダ1人前)

  • ロシアンケール(半束ほど、ちぎった葉っぱを両手いっぱいに2杯)
  • 赤玉葱・小1/2個
  • ブロッコリの小房・3個
  • スィートペッパー・1個
  • クレソン・3〜4本
  • エクストラバージン・オリーブオイル・大さじ1
  • 醤油・大さじ1
  • レモン汁・大さじ1
  • 胡椒・適宜

今回、一緒にサラダになってもらうのはこの野菜たち。
「お供」はこうでなくてはならないというルールはありません。サラダで食べる野菜なら、お好みのものを何でも使ってください。

まずはケールを洗います。
金気を嫌うので、茎から手でむしって、食べやすい大きさにちぎります。

このくらいの大きさが食べやすいです。

茎の部分は、柔らかいものなら炒めて食べられますし、多少かたくてもスムージーやジュースの材料にしたりできます
わたしはいつも、野菜出汁の材料にして、お出汁をいただいてます。

ちぎって洗ったケールは、しばらく水に放します
多少しなびてしまったケールも、こうやって水に放すことで、元のようにパリっとします(注1)。

ケールを浸水している間に、材料の野菜を切ります。
お好きなサイズ、お好きな薄さにしてください。スライサーを使っても構いません。

切れた野菜たちです。
クレソンはペーパータオルに載せて水気を切ります。他の野菜はボウルにひとまとめにしておきます。

レモンを絞ります。

浸水してパリっとしたケールは、サラダスピナーで水気をしっかり切ります

さて、ドレッシングの準備です。

3つの素材「油・塩気・酸味」を全部同量、大きめのボウルに入れます。
胡椒も好きな感じで足します。

そこにまず、ケールを入れて、手でケールを「マッサージ」します。
つまり、揉みながらドレッシングとなじませます

柔らかいケールなら軽めに、かたいケールならキュッキュッと力を入れて。

この感覚は、「手」でないとつかめません。
「最高の調理器具」たる理由は、これなのです!!

全体の混ざり具合や、葉っぱとドレッシングの馴染み具合を手で感じてみてください。

こんな感じでまとまったら、OKです。

更に、他の野菜も入れて全体を和えます。
この時はもう「揉む」必要はないので、上下をよく返して、全体をなじませてください

はい、これが出来上がりです。

最後にヘンプシードを足して、仕上げました。

実際のプレートにはこんな感じで、レタスの上に載せてみました。
醤油とケールのほろ苦さがマッチして、パクパクいけますよ。

このドレッシングのポイントは「油・塩気・酸味」を揃えることです。
今回の組み合わせ以外にも、こんなのができます(注2)。

  • オリーブオイル・塩・マスタード
  • ヘンプオイル・醤油・バルサミコ
  • ごま油・醤油・黒酢
  • オリーブオイル・塩・アップルサイダービネガー
  • タヒニ(白ゴマペースト)・塩・レモン

大事なことは、「塩」を使う時だけは、油&酸味の量の1/4以下にすることです。人差し指・中指・親指で塩を摘んで、ふたつまみくらいにしてください。

油と同じ量の塩を入れたら、しょっぱくて食べられませんから、どうか注意してくださいね!

ケール以外の野菜は何でもいいですので、お好きなものを入れてください。

ボリュームが欲しい時は、野菜だけじゃなく、ツナ缶、茹でたチキン、ゆで玉子、小さく切ったチーズなんかを入れたりしても、美味しく食べられます。

ナッツやドライフルーツをトッピングしたりもナイス!
レモンの皮をおろして入れたり、唐辛子を混ぜてみたりしてもいいですね。

これからの季節なら、プチトマトやざく切りのトマトを、ケールといっしょに「揉んで」、旨味をしっかり出して食べるのも美味しいです。

醤油を使った時は和食にも合ったりしますし、ヴァリエーションは発想次第で色々。
サラダにタンパク系の素材を足してボリュームアップするもよし、お好きなパンやシンプルなパスタをお供にして食べるもよしです。

この夏、さっぱりブランチやランチに、ぜひ試してみてくださいね!

注1
要は水分が失われてしなびているだけなので、水を補給すれば戻る…というわけです。

注2
実は個人的なオススメは、オリーブオイル+醤油+ベリーのジャム&ビネガー少々、なのです。
ベリーのジャムの甘さと醤油が意外なほどマッチして、ひと味違った雰囲気になります。

オススメのジャムは、「リンゴンベリー(Lingonberry)・ジャム」。
北欧でしか食べないベリーのジャムですが、WholeFoodsなどでは入手可能です。