すっかり夏になりました!
わたしの街のファーマーズ・マーケットもようやく再開、週ごとに増える野菜たちとの生活を楽しんでいます。

この「マーケットの始まりの時期」によく出会うお野菜が、ほうれん草

冬の寒さにあたったほうれん草は言うまでもなく甘くて美味しいですが、初夏のやわらかなほうれん草も、また美味です。

サラダ用のシュウ酸が少ない品種はパッケージに入って年を通して売られていますが、土で育ったしっかりしたほうれん草は、やっぱり食べておきたいところです。

ご存知の通り、栄養価が高いことで知られる「健康野菜」の代表格のようなほうれん草
たっぷり含まれるβカロテンには抗酸化作用があり、抗がん作用や免疫を活性化させる緑黄色野菜としても知名度はバツグンです。

また、βカロテンは体内でビタミンAとなって髪・目・皮膚の健康を維持し、呼吸器系統をも守ります
根の赤い部分にはマンガンが含まれるので、全体を通して含まれているカルシウム&マグネシウムといっしょになると、とっても有益です。

しかしながら、ほうれん草にはシュウ酸が含まれているので、湯がいて取り除く必要があります。

シュウ酸は「灰汁(あく)」と呼ばれる水溶性の成分(注1)です。
水溶性ということで、湯がくことで8割がたを減らすことが可能です(注2)。

今回は、湯がいたほうれん草に、これまた緑黄色野菜としてよく知られる人参をプラスしたお料理をやってみます。

ほうれん草のお供をするのは、最近になってアメリカではかなりメジャーになった「カラー人参」
「Rainbow Carrot」などの名前で見かけるようになりました。

中でも「紫人参」は、アントシアニンを色素に持ちます。
これはあのブルーベリーや紫キャベツと同じもので、同様に強い抗酸化作業があります(注3)。

今回作るのは、この紫人参&ほうれん草の「抗酸化作用ペア」で作る、初夏らしい茹で野菜のサラダです。

βカロテンの吸収には欠かせない油分も、しっかり入れます!!

材料はこちら。

材料<2人前>

  • ほうれん草・一束
  • 紫人参(普通の人参でもOKです)・1/2本
  • 粒マスタード・小さじ3
  • オリーブオイル・大さじ1
  • 胡椒・適宜
  • ・(人差し指+中指+親指で)3つまみ

道具

  • 大きなボウル(できればふたつ)
  • 中くらいの鍋
  • タオル(フェイスタオルやハンドタオルなど)
  • ざる
  • 計量スプーン
  • トングや菜箸

アメリカのほうれん草はこうやって、葉っぱだけ摘みとったものを売っていることがよくあります。
もちろん、束でも売っていますが、以外に見かけるのがこの「葉っぱだけ」のスタイル

この写真で約一束くらいあります。

まずは鍋に水をたっぷり入れて火にかけます。
お湯を沸かす間に、ほうれん草を洗っておきましょう。

ボウルに水を張って、しっかり洗ってやります。

洗った後、5分くらいそのままボウルの水に漬けて水分を補給してやります
こうすると、湯がいた後のみずみずしさが違うのです。

根付きのほうれん草の場合、大きな根には2センチくらい、縦に切り込みを入れてあげます

人参はピーラーで薄く皮をむきます。

お湯には塩(分量外・お湯1.5リットルに対して小さじ1ほど)を入れ、まずは人参を茹でます。

人参の太さにもよりますが、かためで3分、ほどほどで5分、柔らか目で7分くらいです。
茹で加減を確かめるには、トングなどで取り出して、端っこを切って食べてみます。

そして「もう少し茹でたい」と思うところでお湯からあげ、ざるやボウルにのせてそのまま冷まします(注4)。

お次は、ほうれん草。

茹でる順番は、間違えないでくださいね。

ほうれん草を湯がくことでシュウ酸がお湯に溶け出すと、それ以上は使えません。
なので「人参が先でほうれん草が後」なのです。

一度に詰め込んで、葉っぱが折れたり、お湯の温度が急に下がって上手く湯がけないことがないよう、ほうれん草は多かったら2度に分けて湯がきます

根付きの場合は、根っこを入れてまず20〜30秒を手で支えながら「立った状態」で茹でます
その後、菜箸やトングを使い、葉っぱまで全部を沈めます。

ほうれん草を湯がくタイミングはなかなか難しいですが、基本的には「湯がく」です。「茹でる」ではありません

つまり、グツグツするのではなく、煮立ったお湯に沈めた後は2回くらい上下を返したら、もうOKなのです(注5)。

時間にして、長くて30秒くらいでしょうか。

湯がき上がったタイミングの目安になるのは、茎の透明度です。
茎が半透明になって、全体が綺麗な緑色になったら、すぐに引き上げてボウルで水にさらします。

この時はたっぷりと流水をあてます
時には全体を手で返してやり、全体が素早く冷めるようにします。

こんな風に、茎が透明になっていたら、湯がき上がっています

5分ほどチョロチョロと水を流しながら冷ましている間に、ざるにタオルを敷いておきます(注6)。

冷めたほうれん草を、少しずつ手にとって軽くしぼります。
絞り過ぎるとカスカスになって美味しくないので、ほどほどに絞るのがコツです。

根付きの場合は根を上に持って上から下へ何度か軽く絞り、葉っぱだけの場合は片手にとった葉っぱに上からもう片方の手をそえてそっと握るように絞ります

軽く絞ったら、タオルの上に広げ、軽くほぐして水気を切ります。
余分な水分をタオルが吸ってくれるので、後の作業が楽になります。

ほうれん草を水切りしている間に、冷めた人参を薄い輪切りにして行きます。

ほうれん草はもう一度軽く水気を絞って、ざく切りに。

野菜たちをボウルに入れ、粒マスタードと塩&胡椒を入れたら、オリーブオイルを入れます。

そして、全体を手でよく和えたら、出来上がりです(注7)。

輪切りの人参とほうれん草はなじみにくいので、ほうれん草をほぐすようにして、全体がよく混ざるように仕上げます

お好みで塩気が足りなければ塩を、酸味が足りなければレモン汁やヴィネガーを少々、足してあげてください。

時間が経過すると粒マスタードに含まれるお酢によって、ほうれん草の色が少し悪くなりますが、食感やお味には問題はありません

この「変色」があるので、仕上げるのはいただく直前がベターです。

このままサラダとして食べてもOKですが、お肉やお魚料理の付け合せにもなります。

残ったらスープやカレーの具材にするもよし、細かく刻んでパスタ+お好みの調味料と和えて、パスタサラダに進化させることもできます。

ほうれん草でなければできないのかというとそうでもなく、スイスチャード、小松菜、水菜、青梗菜など、クセのない青菜なら何でも合うと思います。
キャベツの外葉なんかも合いそうですね。

要は「粒マスタードで湯がいた青菜を和えたもの」と考えると、幅広く使えるレシピです。

暑さを感じる日も多いこの頃、酸味のあるサッパリしたサラダはメニューに取り入れやすいと思います。
緑黄色野菜をたっぷりとって、本格的な暑さにそなえましょう!


注1
シュウ酸はカルシウムの吸収を阻害したり、体内でカルシウムと結びついて結石の原因になったりもします。
しかしながら、結石などの持病を既にお持ちの方でしたら意識する必要がありますが、そうでない場合は「生で1kg食べる」などの常軌を逸した食べ方をしないかぎり、普通に食べて大丈夫です。シュウ酸については湯がくとよりいっそう安心なので、おすすめです!

注2
シュウ酸がお湯に溶け出すので、湯がく時のお湯はたっぷりと。
湯がいた後のお湯に色がつきますが、これがシュウ酸です。

また、湯がいたものを水にさらす時は、ただパシャパシャかけるのではなく、しっかりと流水を使います。
急速に温度を下げることで、綺麗な色を保てます。

注3
抗酸化作用が強いということは活性酸素に対抗する…ということで、結果的にアンチエイジングにも役立ちます。
眼精疲労の予防や、視力の維持&向上にも一役買います。

アントシアニンはポリフェノールの一種です。
紫人参は、通常の人参と比べて約10倍ものポリフェノールを含むそうです。

注4
水にさらさないので、余熱で火が入ります。
そのため「もう少し茹でたい」というところで止めるのがちょうどよいのです。

注5
葉っぱが柔らかい場合は、1回の天地返しで十分です。この場合、10秒程度でしょうか。

注6
ほうれん草の色素がついてしまうので、汚しても構わないものを使ってください。ふきんではなくてタオルです。あのループが、とってもいい仕事をします。

わたしは写真の通り、色がついても目立たない、濃い目のベージュのものを使っています。

注7
調理器具ではなく、手で和えてあげてください。
そうすることで全体がよく混ざりますし、混ざり具合もすぐにわかるので仕上がりのタイミングを読みやすいです。

春ですね〜。
薬膳的には、冬の間にたくわえたエネルギーが「成長の力」に変わるシーズンです。

寒さでちぢこまっていた身体はかたい蕾が花ひらくように伸びやかに広がり、冬の間にたまった老廃物を一気にデトックスします。

つまり、春はダイエットにも一番むいている季節なのです(注2)。

春はまた、山菜をはじめとする、芽ぶいたばかりのエネルギッシュな野菜たちを楽しめる季節です。

夏に向けて大きくなる野菜の間引き菜、やわらかいハーブたち。
わらび、行者にんにく、アスパラガス、ふきのとう、たけのこ、菜の花など、春を代表する野菜たち。

かれらが持っている苦味、これが春のデトックスには大切なものなのです。

この苦味の正体は「植物性アルカロイド」
この成分は、腎臓の「ろ過機能」をあげて、解毒作用や新陳代謝をうながす働きがあります(注1)。

デトックスの季節にはぴったりの食材…というわけで、美味しく上手に、そしてもちろん気軽に食べたいですね。

そこで今回は、気温が上がると食べたくなる、生野菜のレシピをご紹介します。

韓国の和え物「ナムル」はみなさんご存知のことと思います。
韓国系の料理屋さんに行くと小皿料理で出てきたり、ピビムパプの上にのっていたりする、ごま油の香りのするシンプルな和え物ですね。

その「ナムル」のうち、火を通した野菜を使うものを「スッチェナムル」、生野菜を使うものを「センチェナムル」と言います。

今回は、この「センチェナムル」を作ります。
できればぜひ、苦味のある野菜でやってみてください。

野菜の種類は生で食べられるものならなんでもよく、パックで売っているサラダ用の「ハーブミックス」「メスクラン・サラダ」も使えます。
単品のハーブ(コリアンダーの葉、アルグラ、クレソン、サラダほうれん草など)で作ることもできます。

実野菜も刻めばOK。
大根・きゅうり・セロリ・ピーマンなどの千切り、トマトのざく切りなどなど、生で食べられるものはなんでも。

葉野菜に実野菜を混ぜてボリュームを出すのもいいアイディア。
ちょっとアジアンなサラダ…くらいの気軽さで、いろんな組み合わせを楽しめちゃいます。

一度おぼえてしまえば5分で一品ができてしまう「スピードメニュー」、行ってみましょう!

材料はこちら。

材料<2人前>

  • サラダ用ハーブミックス(注3)・100g(大きく2つかみくらい)
  • コリアンダーの葉・5本〜
  • 醤油・大さじ2
  • ・大さじ1
  • メイプルシロップ・小さじ1/2
  • 韓国唐辛子(粗びき)(注4)・小さじ1/2
  • ごま油・小さじ2
  • ・ひとつまみ

道具

  • 大きなボウル
  • サラダスピナー
  • 計量スプーン

まずは葉野菜を洗います。
洗浄済みですぐに使えるようになっているものの場合は必要ありません。

大きなボウルに調味料類をすべて入れ、軽く混ぜあわせます

野菜を洗った場合はサラダスピナーなどでしっかりと水切りをして(そのまま使えるものはそのままで)、ボウルに入れます。

両手を使って調味料を全体にまとわせるようにさくっと混ぜたら、できあがりです!

早いでしょ?

でき上がってすぐを食べるのはもちろん、少ししんなりしたものもフレッシュなおひたしのようで美味しいです。

今回は「香菜」ともいわれる、香りの強いコリアンダーの葉(注5)を入れましたが、これはお好みで他のハーブに替えられます。
ただし、葉がかたいものは食感が悪くなるので気をつけてください。

バジル、チャービル、ローズマリーのやわらかい若芽、サラダほうれん草、アルグラ(ルッコラ)、クレソン、タイム、タラゴン、ディル、イタリアンパセリ、セロリの葉…単品でも、これらを複数組み合わせても。

大抵のものは、茎から外して、葉だけをつんで使います
サラダほうれん草(ベビースピナッチ)、アルグラ(ルッコラ)などはサラダ用に大きめのパック入りのものを売っているので手軽に作れますね。

アジアンな感じなら、春菊のやわらかい部分を使うのもおすすめですし、これからのシーズンに出回る、レタスの間引き菜なども使えます。
大きなレタスを刻んでやってもいい感じです!

「少し苦味のある素材」が合うので、選ぶ時はそれをポイントにするといいと思います。
レタスなら、アイスバーグ(玉レタス)よりも、ちょっと苦味のあるレッドリーフが向いてます。

味付けをちょっとアレンジして、「ごま油をオリーブオイル、酢をレモン汁」に変えれば、洋風のお料理にもバッチリ!

材料があれば、思いついた時にできるのもこの料理のいいところです。


…とはいえ、これだけではちょっと短すぎなので、今日はもうひとつ、ご紹介します

材料の写真にも写っていた、タンポポの葉を別のソースでナムルにします。
友人がかの女のお祖母様が「タンポポの葉をいつもこうして食べていた」…と伝授してくれたものです。

タンポポは最近、栽培されたものがいつでも手に入りますが、自生しているものを採取すると味が違います(注6)。

確かに苦いのですが、この苦味がデトックス力をブートアップしてくれるのです。
経験上、今まで食べられないほど苦いものに出会ったことはないですから、どうぞご安心を。ゴーヤよりはずっとやわらかな苦味です。

このソースだとあまり苦味が気にならず、食べやすい仕上がりになりますので、ぜひお試しくださいね!

では、行ってみます〜。

材料<小鉢で2人前>

  • タンポポの葉・30g(今回は小さい株5つ、大きい株1つ)
  • コチュジャン・小さじ1
  • ・大さじ1
  • メイプルシロップ・小さじ1
  • 白すりごま・大さじ2
  • 醤油・小さじ1
  • 白ごま・適量

道具

  • 中くらいのボウル
  • サラダスピナー
  • 計量スプーン

採取したタンポポはよく洗います。

株元の部分に土が入り込んでいるので、丁寧に洗ってください。
しばらく水に浸してから洗うと、土が取れやすいです。

洗ったタンポポは、株からはがして葉だけにします。
蕾はもちろん、株元も食べられます

調味料をボウルに合わせます。

タンポポの葉は食べやすい大きさに切り、大きめの株は食べやすい大きさに切り分けます。

サラダスピナーなどで水気をしっかり切ったらボウルに移し、手を使って全体を「軽く」揉み込みます。決して強く揉まないでください

全体が馴染んだら、できあがりです!

白ごまをトッピングして、色合いよく盛りつけてください(写真は二人前を全量、盛り合わせています)。

このソースは「チョコチュジャン」といいます。
チョ(酢)+コチュジャン…というわけですね。

茹でた野菜(もやし、豆もやし、人参、ほうれん草、ブロッコリー、椎茸…)を和えても、美味しい副菜ができあがります。

生でやるなら、あえる前に軽く塩もみするとよく馴染みます
きゅうり、大根、セロリ、ズッキーニ、パプリカなどなど(注7)。

どちらのレシピも、手軽に作っていただけると思います。
生野菜にドレッシングをかけておしまいにするのではなく、いつもと違う味付けで食べるのも、目新しさが春っぽい感じですね。

春のデトックス・シーズン、苦味と香りのある葉野菜を上手にたくさん、食べてください!


注1
体質によっては、食べ過ぎるとお腹をこわすこともあるので、ほどほどに。

注2
この季節に大切にしたい臓器は「肝臓」です。
中医学的には「肝臓」は気(生命エネルギー)の流れを通して、感情や自律神経による身体の機能を調整する働きがあります。
香りの高いものや柑橘類のさわやかな香気は、肝臓を元気にしてくれます。

感情の調節をする臓器でもあるので、春だけではなく、気分がウツウツとしたり沈んでいる時にはいつでも、ハーブ類や柑橘類の香りが助けてくれます。ジャスミンティやローズティなど、香りの良いお茶もいいですね。
ぜひお試しを!

注3
今回は、ファームで買ってきた間引き菜を使っています。
ケール、マスタードグリーン、コラードグリーンなどの間引き菜がミックスしてあるものですが、市販の「ハーブミックス」などで代用できます。

注4
韓国唐辛子がない場合、一味唐辛子やチリパウダーで代用できます。できれば粗びきのものがいいです。
代用するときには、使う量を半分以下にしてください。韓国唐辛子は甘い唐辛子なので量が多くてもさほど辛味が出ませんが、他の唐辛子は大抵の場合しっかり辛いので、様子を見て調節するのがおすすめです。
味付けとして「ちょい辛〜ピリ辛」くらいが目安です。

注5
コリアンダーの葉はデトックス力が強く、特に体内の重金属を排出する働きをもつことで知られています。

注6
くれぐれも、犬の散歩道ではない場所から採取してくださいね(笑)
交通量の多い場所もあまりおすすめできません。

注7
レシピのソースの量は小鉢ものを作る程度の量になっていますので、たくさんの野菜をあえる時は、ソースを倍量にするなどで調節してください。

こちらでもご紹介したカリフラワー、実は冬に出回る花野菜のツートップなんです(注1)。
年中見かけることができますが、旬は11月〜3月です。

野菜料理の素材としてはもちろん、最近はダイエットのためにカリフラワーを砕いたものを「カリフラワー・ライス」として、カレーなどを食べる時に使う方も多いとか。

カロリーが低く、食感があるところから選ばれているのでしょう。

栄養的にはビタミンCがとっても豊富
ということは、コラーゲンをしっかり構成するのに一役買うということで、美肌づくりに有効です(注2)。

このビタミンCは加熱でも失われにくいのもポイント。
食物繊維が多いことで日々のお通じにも効果があるのがまた、美肌へのアプローチになりますね。

中医学(薬膳)的には「お腹の動きを健やかにし、腎臓、筋肉、骨を強くする」効能があります。

他には、カリウムもたっぷり含まれていて、解毒やむくみとりに活躍します。
これはもう、ダイエットや健康維持の味方としては十分な素質と言えるでしょう。

最近は、緑、オレンジ、紫のものを見かけますが、これらは人口着色や遺伝子操作で作られたものではありません。
自然発生したものを選抜して育成し、商品化に至ったものだそうです。

緑のものは白いものよりさらに多くのビタミンCを含み、オレンジのものはカロテン紫はアントシアニン(注3)を含みます。
色付きのものを見かけたら、優先して使ってみてください!

そんなカリフラワーを、丸ごとドーンと焼いてみるのが今回のお料理です!

ひとつ1kgくらいあるカリフラワーですが、食べ残してもいろんなお料理に展開できるので、たっぷり下ごしらえをするつもりでやるといい感じです。

では、行ってみましょう!

材料はこちら。

材料<2〜3人前>

  • カリフラワー・1つ(写真のもので約1.2kg)
  • パセリ・(太い茎をとった状態で)20g(5〜6本程度)
  • にんにく・大粒1かけ(ふつうのものなら2かけ)
  • アップルサイダービネガー・大さじ3
  • にんにく・大粒1かけ(ふつうのものなら2かけ)
  • メイプルシロップ・小さじ1
  • ・大さじ2
  • オリーブオイル・大さじ2(ソース用)、50cc〜(ロースト用)
  • ・小さじ1(ソース用)、小さじ1(ロースト用)
  • 胡椒・適量

道具

  • 耐熱皿
  • 耐熱ボウル(耐熱可能なら丼でも鍋類でもOK)
  • 計量スプーン
  • 小または中ボウル
  • 泡立て器
  • ペーパータオル
  • 鉄串か竹串

まず、オーブンを365F(185℃)にセットします。
コンベクションが使えるなら、コンベクションも使ってください。

耐熱ボウルに入る程度の量の水(分量外)を沸かし始めます(鍋でもやかんでも電気ポットでもOK)。
お湯は後で使いますので、沸いたら火を止めてそのままにします。

カリフラワーはパッケージを取って洗います。
洗ったら、ペーパータオルや清潔なふきんで、丁寧に水気を取ります

ひっくり返して太い茎を外し、葉っぱを取り除きながら芯を切り詰めていきます(注4)。

最後は芯を少し逆三角形にえぐるように仕上げて、下ごしらえは終わり。

耐熱皿にカリフラワーを入れ、塩をパラパラ、胡椒をガリガリ。
塩はひとつまみずつ使って、やや高い位置から全体にまぶす感じでパラパラするといいです。
薄く味付けをする感じです。

そこへオリーブオイルをたらし、手でまんべんなく塗りつけていきます

カリフラワーは意外と、油を吸ってしまいます。
オリーブオイルは目安量で50ccとしましたが、この量にとらわれず、全体にしっかり塗りつけるまで使ってください

表ができたら、ひっくり返して裏も同じようにやってください。
裏側の茎の方にもオイルをたらして、しっかり行き渡らせます

余熱が済んだオーブンの上段にカリフラワー、下段にお湯を入れた耐熱ボウルをセット
この耐熱ボウルのお湯は水蒸気を発生させ、カリフラワーへの火の通りを助けます(注5)。

タイマーを1時間入れて、後は放置します(注6)。
その間に、ソース作りに行きましょう。

パセリはみじん切りにします。

ソースを使う直前まで保存するため、ペーパータオルをしいた中へ入れて、ラップをかけて冷蔵庫で保存します。
こうすると、パセリの自重で自然と水気が切れるので、使うときには適度にサラッとしていて使いやすいのです。

そして、ソースのベースを作ります。

にんにくもみじん切りにしてボウルに入れ、塩、胡椒適量、アップルサイダービネガー(注7)、メイプルシロップ、ソース用のオリーブオイル、水を全部いれて、泡立て器で乳化させます。

オイルとビネガーが分離せずに全体がまとまり、とろりとしたらできあがり。

乳化したら、ラップをかけてそのまま保存します。
冷蔵庫に入れるとオイルが固まってしまうので、ソースのベースは常温で(注8)。

カリフラワーの方は、時間が来たら鉄串や竹串を刺し、火の通りを確かめます

かたくて通らなかったり、通ってもスッと通らなかったら、オーブンへ戻し、今度は15分刻みくらいで確認を続けます

できました!

わたしはかための仕上がりが好みなので、この時は1時間15分でできあがりとしました。
柔らかめが好きな方はもっとローストしてもいいかもしれません。

表面が焦げてきますが、実はこの「おこげ」が美味しいポイントなので、真っ黒になりそうでもなければ、そのままで一度お味を試してみてください。

焦げ付きそうなら、もしくは自分の好みではない感じに焦げそうなら、火傷に注意しつつ、全体にアルミホイルをふんわりかぶせてやります
きっちり耐熱皿全体を包み込まなくとも、カリフラワーに帽子をかぶせるつもりでフワッとのせるだけでOKです。

食べる時は、温かいままでも冷めてからでもどちらでも美味しいです。
そのタイミングに合わせて、ソースのベースにパセリを入れて仕上げ、一緒にいただきます

でも実は、ソースなしでも十分に美味しいです!!

もし、ソースを作るのが手間でしたら、レモンを絞ってオリーブオイルをサッとかけるだけでも大丈夫
その場合、塩胡椒はお好みで追加してください。

小さな包丁で取り分けて、ソースをかけた状態がこちら
おこげの部分が香ばしくて美味しいので、取り合いになりましたw

ふたりだけで食べたので、1kgのカリフラワーは当然ながら食べきりません。
残りはざっと分けて保存し、別の料理に使いまわします。

マスタードなどと和えてサラダの一部にしてもよし、メイン料理の付け合せにしてもよし、少し茹でて崩せば、パスタソースにも展開できますね。
シンプルなローストなので、味噌和えや胡麻和えなどの和の料理にも

スープや煮込みの具材にするなら、仕上げの段階で入れて温める程度でできあがりにすると、崩れずにいただけます。

フードプロセッサでくだいて「ロースト・カリフラワー・ライス」にしたものは、香ばしさとしっとり感がカレーによく合って、美味しくいただけました。

ローストのお供にするソースの方も、味噌を使ったりナッツ類を使ったり、オイルを別のものにしたりと、バリエーション豊富です。

ソースは残ってもドレッシングや温野菜のソースとして使い回しOKです。
パセリの色はちょっと悪くなりますが、きのこソテーをマリネしたり、豆腐ステーキのソースなんて合いそうです。

冷めても美味しく、オーブンで放っておけばできるので、パーティ料理にもぴったりなのです。
何よりこの大胆すぎるルックスは、パーティでもウケるでしょうね〜!

丸ごとということでローストに時間がかかるのが難点と言えば難点ですが、できあがりはいろんな形で楽しめます

お時間のある週末などに、ぜひお試しくださいね。


注1
もうひとかたは、ご存知ブロッコリー。
ブロッコリーは緑黄色野菜ですが、カリフラワーは見た目の通り、淡色野菜です。

注2
「ビタミンC」というと風邪予防…という認識が多いと思いますが、最近の研究の結果には、通常に生活する人がビタミンCを大量摂取しても風邪の予防にはつながらない…というものがあります。
過激な運動(フルマラソンやトライアスロン)をした時や、特殊環境下(寒冷地など)に生活する人の場合は、効果が見込まれるそう。

しかしながら、ビタミンCが体内で合成できない栄養素であることはかわりなく、健康のためには、1日60mgを摂取すると良いそうです。
この量は、コップ1杯のオレンジジュース程度になります。

注3
ブルーベリーなどにも含まれる「目に良い」と言われる「アレ」です。フラボノイドの一種で、抗酸化物質として知られています。
他には、紫キャベツ、ぶどう、紫芋、黒米、茄子、小豆、赤玉葱、赤しそなどにも含まれます。
植物に自然に存在する色素で、すみれの色などもアントシアニン類です。

注4
太くて本当にかたい葉っぱは洗ってベジブロスの素材に、柔らかくてシャキッとしている中の方の葉は、刻んでサラダにしたり、スープや味噌汁の具にすると美味しいです。
芯もまた同じ。ぬか漬けにしても美味しいですよ!

注5
直径22〜3センチ、高さ6センチほどの耐熱キャセロールを使いましたが、8割ほどお湯を入れても、1時間では蒸発することはありませんでした。
お湯の量が少ない場合、時折オーブンをチェックして、空焚きしないようにしてください。

もしも空焚きしてしまったら、そこに水やお湯は決して入れないこと。熱の差で割れてしまいます。
オーブンを消してもそのままにして、自然に冷めるまでさわらずに置いておきます。

注6
1kgのカリフラワーをローストする時の目安です。
これより小さいものなら、時間を減らしてください(大きいようなら増やします)。実体験では、500g程度のもので45〜50分かかりました。

注7
ビネガーは何でもOKです。
ワインビネガー、バルサミコ、米酢、黒酢…お好みのものでどうぞ。

注8
ただし、本当に暑い時期などは食べる時間(昼間に焼いて夜に食べる…などのタイミング)に合わせて冷蔵庫保存してください。
オイルが固まってしまった場合は、20分ほど室温でなじませると戻ります。

真冬のファーマーズ・マーケットは、根菜のお祭りです。

じゃがいも、さつまいも、人参、玉ねぎ、蕪類
(ビーツ、ルータバガ、セルリアックなどなど)。それに加えて、夏から保存されていたキャベツ、リーク、にんにくなどが売られています。

畑は次のシーズンに向けてお休み中ですから、保存がきく野菜が売られるのはもっともなこと。

その中で、冬でも葉物野菜としてがんばっているのがケールです。
寒さに強くて戸外でも越冬可能なためNY近辺でも収穫できるとあって、冬のマーケットでもよく目にします。

夏物に比べると葉は少しかたいですが、寒さにあたれば甘みが増しておいしくなります。

アブラナ科で「キャベツの元祖」とも言われるケールは、βカロテン、ビタミンE、ビタミンC、をたっぷり含み、栄養価がトップクラスであることでも有名な野菜です。
「青汁」の原料としても有名ですね。

抗酸化力が強くアンチエイジングに役立つばかりか、含まれるメラトニンには睡眠の質の改善が期待できます。
また、食物繊維が多く、酸化防止や目によいとされるルテインも含みます

さらにはカルシウムもまた、野菜の中でトップクラス

そんなわけで、健康を気にするニューヨーカーも大好き。
ジュースに、サラダにと、ヘルスコンシャスなお店では必ず何かメニューに加わっているほどの人気野菜です。

種類もいくつもあり、ルックスがそれぞれ異なるのも面白いところ(注1)。

でも、いざ食べるとなると、軽く炒める、ゆがく、スープに入れる、サラダにする…くらいでしょうか。
できるだけ酵素をそのままとりたいと思ったら、できれば生のままでいただきたいところです(注2)。

そこで、今回はこのケールをペーストにしてみます
バジルで作る「バジル・ペースト」の要領で、バジルをケールに替えるのです。

酵素もそのままとれますし、ディップにパスタに和え物にドレッシングに…と何かと使える素材になってくれます。

ケールサラダやジュースにはちょっと飽きたという方、ぜひやってみませんか?

材料はこちら。

材料<2〜3人前>

  • ケール・100g(一束〜・葉のみの重量)
  • 松の実・大さじ2
  • にんにく・ひとかけ
  • パルミジャーノ・レッジャーノ(おろしたもの)・大さじ2(注3)
  • オリーブオイル・大さじ3〜4
  • ・小さじ1/2〜
  • 胡椒・適量

道具

  • フードプロセッサ
  • 計量スプーン
  • シリコンべら(またはゴムべら)
  • 大きめのボウル
  • サラダ・スピナー
  • 焙烙やフライパン

まずは手でケールの葉っぱを摘み取ります。
大きなボウルにふんわり1杯程度で、100gくらいになります。

今回のケールは「ラシナート・ケール」
「タスカン・ケール」「ダイナソー・ケール」の異名もある、緑の濃いケールです(注4)。

ちぎった葉っぱはよく洗い、サラダ・スピナーで水切りします。
ある程度は、水滴が残っていてもかまいません。

にんにくは皮をむき、松の実はフライパンや焙烙などで軽く炒ります(刻む必要はありません)。

まずは、フードプロセッサににんにくを丸ごと入れてスイッチオン
10秒ほどでみじん切りになります。

そこにケールを詰め、上から塩とオリーブオイル大さじ2を加えます

そのままふたをしたら、ふたたびスイッチオン。
ケールがだいたい粉々になったら一度ふたを開け、シリコンべらで周囲についたものを下に押し下げます

さらに、炒った松の実とパルミジャーノ・レッジャーノ、オリーブオイル大さじ1、黒胡椒・適量を加え、もう一度スイッチオン(注5)。


わたしが使っているのは「焙烙(ほうろく)」です。ごまやお茶を炒ったりするのに使う道具です。

全体が細かく砕かれ、ペースト状にまとまって来たらできあがりです。
塩加減を見て、お好みで調整します(塩を足す場合は、もう一度、軽くフードプロセッサを回してください)。

こんな感じの、少しかためのペーストができあがります。
ゆるいのがお好みの方は、オリーブオイルをさらに追加してフードプロセッサを回してください。

できあがりを保存する時は、酸化防止のために瓶に詰めたてっぺんをオリーブオイルでおおうようにします。

保存はもちろん、冷蔵庫で。
オリーブオイルが固まるため、使う少し前に冷蔵庫から使う分だけ出して常温に戻したり、温かいものと一緒にするなどで工夫してください

今回はチーズを使っていますが、ヴィーガン(ベジタリアン)にしたい場合は、白すりごまを使ってください。その時は、塩を少し増やすとバランスがいいと思います。

このレシピではにんにくは控えめですが、お好きな方は増量してください。
松の実がない場合は、くるみやピーナッツなど、油分の多いナッツで代替ができます

このままパスタソースにする時は、茹で上がったパスタの茹で汁を保存しておき、茹で汁でペーストをのばすようにすると上手く麺に絡みます
1人前で大さじ1.5〜2くらいが目安です。

サラダドレッシングにするなら、お好きな酸味(レモン汁、各種ヴィネガー)でゆるめ、お好みでオリーブオイルを足します(注6)。
和え物には、少しお湯か水を足してのばすと、具材と絡みやすいです。

パンにそのまま塗ったり、他の調味料や野菜のマッシュと混ぜてデイップにしたり、のばしたものをお魚やお肉料理のソースにしたり。
アイディア次第で色々なことに使えます。

わたしは今回、スープのガーニッシュにしてみました(注7)。

お好きなスープ(味付けは薄目の方がベター)の上にポン、っとスプーンでのせます。
食べる時はペストを崩しながら、味変するイメージでどうぞ。

寒い季節ならではのお料理、ポトフや煮込みのガーニッシュにするのもいいですね!!
柔らかい色味の中に鮮やかな緑がよく映えて、グッと見栄えが良くなりますよ。

ぜひ色々とお試しください!


注1
基本のチリチリ葉っぱのグリーン・ケール、赤紫のチリチリ葉っぱのレッド(またはパープル)・ケール、広がった葉っぱのロシアン・ケール、細長い葉っぱのラシナート・ケールなどなど。
大きく広がった一枚葉っぱのコラード・グリーンも仲間です。

注2
当コラムでご紹介した「ケールのマッサージサラダ」の作り方はこちら

注3
ヴィーガンにするなら、白すりごまを大さじ3用意します。この場合、塩を小さじ2/3に増やします。

注4
日本では「黒キャベツ」「カーボロネロ」と呼ばれることも。

注5
この時、ブレードが回りにくいようなら、オリーブオイルを更に大さじ1杯足してください。

注6
酸味を入れると緑色が退色しますので、酸味を使った場合は作り置きせず、使うごとに新しく作ってください。

注7
こちらのスープは、キヌア入り根菜の酒粕スープ。キヌア、バターナッツ・スクワッシュ、菊芋(サンチョーク)、ごぼう、大根、人参、じゃがいも、玉ねぎのスープを、酒粕で味付けしました。お出汁は炒め玉ねぎと昆布茶…ということで、スープはヴィーガンです!

「パレオ・ダイエット」をご存知でしょうか?

「パレオ」というと、水着の上から着るスカートのようなワンピースのような…という感じですが、この「パレオ」「Paleolithic(パレオリシック)」、つまり「旧石器時代」を意味する言葉から来たものです。

NYにも専門店があり、スカーレット・ヨハンソン、ミーガン・フォックスなどのセレブも活用しているという「パレオ・ダイエット」
この実態をおおまかに言うと「加工品を含む、農業や畜産からの食物を食べない食事法」です。

日常的に簡単に入手できる魚介、鳥類(注1)、玉子、野菜(注2)、きのこ、ナッツ(注3)などを中心とした食材で作る食事をとります。
「旧石器時代には普通に存在しなかった食材」である、穀物、豆類、乳製品、芋類、砂糖、加工油は原則として避けます

調理法としては火を使うことができるので、「ローフード・ダイエット」とはまた仕上がりが異なりますが、凝ったことはせず、あくまでシンプルに「焼く」「蒸す」「煮る」「炒める」などの簡単な調理をして、塩やハーブ類での味付けをします。

詳しく知りたい方はぜひ「パレオ・ダイエット」検索してみてください

今回はその「パレオ・ダイエット」の世界でも、とってもポピュラーな一品「カリフラワーのタブレ・サラダ」を紹介します。

「タブレ・サラダ」はもともと中近東発祥のサラダで、麦を砕いたもの(注4)やクスクスを使って作ります。
が、先だってお話した通り、「パレオ・ダイエット」では穀物を摂取しません。

そこで、その代替として使うのがカリフラワー(注5)なのです。

菜食ダイエットの一環として、カリフラワーを細かくしたものをお米の代わりに食べる方もいますが、「パレオ・ダイエット」でも同じです。

この「カリフラワーを穀物の代わりにする」という発想、なかなか面白い上に便利なのです。しかも手早くできます。

何より、作って半日しても普通のサラダのように水が出ないので、お弁当やポットラックにもバッチリ。

「パレオ・ダイエット」を厳密にやっているのでなければ、お味のバリエーションも色々…というすぐれもの。

では、行ってみましょう!

材料はこちら。

材料<2〜3人前>

  • カリフラワー・200g(1/4〜1/3個ほど)
  • チェリートマト・10個ほど
  • ケール・2本
  • パプリカ(オレンジ、または何色でも)・1/2個
  • 紫カリフラワー・小1個(注6)
  • レモン・1/2個
  • オリーブオイル・大さじ1(ケール用)+大さじ1(味付け用)
  • ・(親指と人差指&中指でつまんで)3〜4つまみ〜
  • 胡椒・適量

道具

  • フードプロセッサ
  • 計量スプーン
  • 中くらいのボウル
  • 大きめのボウル
  • シリコンべら

まずはケールを洗います。
洗ったら、ペーパータオルでしっかりと水気を切ります。

水気を切ったケールの葉を茎から外すように小さくちぎり、ボウルにいれておきます。

パプリカは白い、種を支えている部分(写真の上の方にある、切り取ってある部分)を丁寧に取り(注7)、5ミリ角くらいに切ります。

チェリートマトは、ヘタを取ってから洗って、半割に。
切り終わったパプリカとチェリートマトは大きなボウルに入れます

紫カリフラワーは茎と葉を取ります(注8)。

花蕾の方は小房に分けます。
小房の根元の方はふたつ割くらいにして、砕く方のカリフラワーに加えます。

小房に分けた花蕾たちはパプリカ&チェリートマトと同じボウルに入れておきます

ケールは大さじ1のオリーブオイルをまわしかけ、優しくもんでください
こうすることで水気が出ず、食感が柔らかくなります。

カリフラワー(今回はオレンジのものを使用しました)は小房に分け、根元の方はふたつ割り程度にして、一緒にフードプロセッサで砕きます。先ほどの紫カリフラワーの根元(ふたつ割りくらいの大きさ)もここに加えます。

一般仕様のフードプロセッサで10秒ほどで、こんな感じに砕けます

砕いたカリフラワーとケールを大きなボウルに入れ、まずはオリーブオイル大さじ1を全体に回しかけます

野菜類がよく混ざるように上下を返しながら(シリコンべらを使っていますが、手でももちろんOK!)、塩を加えてさっくりと混ぜます

仕上げに、レモン半個分の果汁を加えて(種に注意してくださいね!)、さらに混ぜます。

全体がよく混ざったら、塩加減を確認してできあがり。

どちらかというと、さっぱりめの仕上がりにしておくほうが飽きずに食べられるので、塩加減は薄味の方がいいようです。

今回は基本的な「パレオ・ダイエット」的な組み合わせですが、そこにこだわらないのでしたら、いろんなバリエーションができます。

  • オリーブオイル&バルサミコ+オリーブ&ケイパーでイタリア風
  • オリーブオイル&ワインビネガー+フレッシュハーブで香り系
  • ごま油+黒酢+醤油&すり胡麻でアジア風
  • カレー粉+生玉ねぎ+ピーマンでエスニック風

…などなど、思いつくバリエーションもまたいっぱい。

味付けには水気の多いドレッシングなどを用いず、あくまで基本の調味料(油+塩気の調味料)だけでやるとよいと思います。

とにかく、野菜を切っておいて砕いたカリフラワーと調味料を混ぜるだけ…と簡単&時短のレシピなので、年末年始の忙しい時期には便利なレシピです。

彩りよく材料を揃えると、こんなに簡単にできているとは思えない仕上がりに!
作りたてもよいのですが、半日ほど冷蔵庫で冷やして味が馴染んだものもまた美味しいので、ぜひ、お試しくださいね!


注1
流派によって異なりますが、基本的には豚・牛・羊などは畜産品となるために食べません。ジビエに該当する食肉はOKだそう。

注2
基本的に糖質(GI値)が低いものを食べます。
花蕾類(ブロッコリー、カリフラワー)、葉物(ほうれん草、ケール)などが対象です。

注3
「木の実」ではないピーナッツはNG。くるみ、ピーカン、カシューナッツなどが該当します。

注4
「ブルガー(bulgur)」と呼ばれる、小麦を蒸してから砕いた「ひき割り小麦」が材料としては有名です。

注5
カリフラワーは、抗がん作用が高いといわれるアブラナ科です。
加熱しても失われないビタミンCが豊富(ビタミンCは加熱で壊れやすいのです)。糖の代謝を促し、疲労回復の効果があるビタミンB1、脂質の代謝に役立ち、目、皮膚、粘膜の健康を保つビタミンB2を含みます。

今回使ったオレンジのものは色付きの品種です。オレンジの色はカロテンから。お味は普通のカリフラワーと同じです。

注6
たまたま手元にあったので紫カリフラワーを使いましたが、これはブロッコリーでも代用可能です。生のまま、小房に分けて使ってください。

注7
この白い部分は苦味の原因になるので、丁寧に取ります。

注8
カリフラワーの茎はブロッコリ同様、皮を厚くむくと食べられます。
葉も炒めものや煮込みにすると美味しいので、別の料理に使ってください。

秋も深まり、野外のファーマーズ・マーケットには着込んだ買い物客が増えて来ました。
夏野菜も名残りとなり、毎週、どれかが姿を消して行きます

ファームの方でも、今はもう畑を仕舞って次のシーズンに備える時期です。

そんななか、「走り(注1)」で出てくるのがキャベツです。
冬の霜にあたった冬キャベツは本当に甘くて美味しいですが、雪の深いニューイングランドでは、キャベツは本格的に寒くなる前に収穫して、冬には貯蔵していたものを売ります

今はその、貯蔵される前の冬キャベツが走りで出回っています。
緑のキャベツ、そして深い色合いが美しい紫キャベツ。

緑のキャベツ同様、ビタミンC、抗潰瘍作用があるビタミンU、骨の形成に役立つビタミンKを含みますが、特にビタミンKは緑のものの1.5倍以上を含みます

大根に含まれていることで有名な、消化を助けるジアスターゼは、キャベツの方が大根よりも多いのです。
そしてご存知のように、繊維質もたっぷり。

紫の色素は抗酸化作用のあるアントシアニン(ポリフェノールの一種)です(注2)。

今回は、この紫キャベツを使ってみます。
走りのものは、まだ葉の水分が多くて柔らかいため、そのまま食べても美味しいのです(注3)。

緑のキャベツよりも葉に厚みがあるので、少し薄め(細め)に切る方が口当たりよく食べられます
千切りをそのまま食べてもサクサクとして美味しいですが、今日はぐっと量を食べられる、塩もみしてからのコールスローをご紹介します。

材料はこちら。

材料<4人前>

  • 紫キャベツ・中玉1/4個
  • 人参・1本
  • 玉ねぎ・1/2個
  • アップルサイダービネガー・大さじ1〜2
  • オリーブオイル・大さじ1〜2
  • 粒マスタード・小さじ2
  • ハバネロ・オイル(またはチリ・オイル)・小さじ1
  • ・小さじ2
  • 胡椒・適量

道具

  • スライサー
  • 計量スプーン
  • 大きめのボウル

では、まずキャベツを千切りにします。
包丁で切ってもいいですが、スライサーがあったらスライサーを使うと便利です。

キャベツは水に5分ほどつけながら洗います。
農薬が気になる方は、重曹水を使ってくださいね。

千切りはできるだけ細く、スライサーを使う場合は1mm程度の薄めにスライスします。

根気のいる作業ですけども、キャベツの水気をペーパータオルなどでよくとって滑らないようにしてから、手に気をつけて慎重にやってくださいね。
ガードをお持ちでしたら、ガードを使ってください。

さて、大きなボウルいっぱいのスライスができあがりました。
この量で400gありました。

人参も洗ってから千切りにします(注4)。
玉ねぎは皮をむき、繊維に沿って薄切りに。

人参も玉ねぎも、全部いっしょにボウルに入れます

小さじ2の塩をまんべんなくまぶして野菜たちがよく混ざるようにしたら、そのまま10〜15分ほど放置します。

放置後は、ボウルの中身をキュッキュッともんで水分を出します
水分が出たら、野菜を少しずつ両手で握って絞り、水分を出しきります(注5)。

ボウルに戻すと…こんなに少なくなってるのがわかります!
ここに味付けをして仕上げて行きます。

塩は既に入ってますので、粒マスタードを入れ、オリーブオイルをひとまわしからふたまわしほど(量的には大さじ1から2ほど、回数はお好みで)、胡椒をお好みで入れます

更にアップルサイダービネガーを入れます。
酸味がお好きな方は大さじ2、お好きでない方は大さじ1くらいが目安です。

そして、仕上げに「ピリ辛」風味をプラスするため、ハバネロ・オイルを加えます。辛いのが苦手な方はまず少しだけ入れて、味見をしてから量を決めてください

手で優しく全体をなじませたら、できあがりです。
ハバネロ・オイルがついた手は、すぐに洗ってくださいね!

このハバネロ・オイルは自家製です。
作り方は簡単なので、おまけレシピで載せておきますね。

<おまけレシピ:ハバネロオイル>

ハバネロペッパー(適量)を種ごと輪切りにします(肌が敏感な方は手袋を着用してください!)。小さなフライパンか鍋にハバネロを入れ、ヒタヒタまでオリーブオイルを注ぎます

弱火でじっくり火を通し、鍋を傾けた時にオイルがサラッとした感じになったら、そのまま火を止めて冷まします。
密閉できる瓶などに移し、常温の冷暗所で熟成して、1ヶ月くらいから使えます
保存はそのまま、常温の冷暗所でOKです。

このチリオイルの作り方は、他のどんなチリペッパーにも応用ができます

くれぐれも、ハバネロを触った手で顔などを触らないように!
包丁やまな板も、注意して洗ってくださいね!!

アップルサイダービネガーを加えたことで、紫キャベツの色合いが赤みがかった感じになります。
緑のレタスと一緒にしたら、食卓の彩りが楽しくなりますね。

お味のほうは、見た目の可愛さに反してハバネロ・オイルのおかげでピリッと辛いので、意外性があっていい感じ。
「何を使ったの?」って訊かれることが多いレシピです。

色合い的にはハロウィン・カラーなので、ハロウィン・パーティの一品としても活躍しそう。ピリ辛なのも、なんだかハロウィンっぽいですね。

紫キャベツで作りましたが、普通の緑のキャベツでも作れます。
その時はキャベツを少しだけ、厚め(太め)の千切りにしてくださいね。


注1
野菜は出始めの頃を「走り」、旬まっただ中を「盛り」、終盤を「名残り」と呼びます。

注2
水溶性なので、煮ると煮汁が染まってしまいます。
この煮汁には、酸性のものを入れると赤く、アルカリ性のものを入れると緑になるという、リトマス試験紙のような機能があります。

注3
固くて生食に向いていない場合は、刻んでから浅漬風やザワー・クラウトなどに加工して食べると食べやすいです。
火を通すと色が抜けてしまうので、生食がおすすめです。

わたしはお酢やレモン汁で色が抜けるのを利用して、紫キャベツの千切りを薄切りにした生のカリフラワーと一緒にマリネしたりします。カリフラワーがピンクに染まって可愛いのです!

注4
わたしはピーラーの先にスライサーのように刃がついている道具を使いました。これがあると、根菜をささがき状に作るのが早いのです。

注5
この時、キャベツを食べてみてしょっぱいと感じたら、野菜をしばらく水にはなしてから、絞りなおしてください。
わたしの好みでは、この野菜の量に対して塩はちょうどよい下味に感じましたので、そのまま使いました。

今回はちょっと番外篇として、ペンシルヴァニア州にあるアーミッシュ・カントリーを訪ねた時の話をします。

アーミッシュは、ペンシルヴァニア州や中西部、そしてカナダのオンタリオ州などに居住している、ドイツ系の移民(一部にオランダ系も含まれます)の「宗教集団」と呼ばれている人々です。

アーミッシュは移民当時の生活を守って農耕や牧畜を行い、自給自足で生活をしています。基本的に当時の生活様式を守るために電気は使わず、一般的な通信機器なども保持しません。

一部には風力や水力(水車)による蓄電式の電気を使う家庭もあるそうですが、それは馬車のウィンカーを充電したりなど、ごく一部に利用するためだとか(注1)。

ハリソン・フォード主演の映画「刑事ジョン・ブック」でアーミッシュの存在を知った方も多いのでは。

わたしが訪ねたのはペンシルヴァニア州のランカスター近辺です。
NYCからは車で3時間ほどかかりました。

近代以前の道具を使用するので、農耕もミュールというロバと馬の交配種を使い、木製の鋤で耕す姿を見かけます。
自動車にも乗らず、一頭立ての馬車で車道を移動しており(注2)、滞在中に何回かすれ違うことがありました。

かれらが作った野菜や牧畜製品(牛乳、チーズ、玉子、加工肉、食肉など)は、「アーミッシュ・マーケット」と呼ばれる市場や、かれらが庭先や馬車用のガレージなどを利用して販売している「スタンド」で買うことができます。

アーミッシュの農作物は「近代化」していないため、農薬や化学肥料を使いません。認証こそありませんが、全てオーガニックなのです。
そのため、その美味しさには定評があり、人気もあります。

わたしがまず連れて行ってもらったのは、「アーミッシュの人たちのコンビニ」でした。
小さな商店で、薬草や精油などを含む生活用品から食料品までを売っているところです。

レジをしてくれるのはもちろん、アーミッシュの女性。

アーミッシュの女性は「ボタンは宝石である」という考え方から、ピンで止めただけの清楚な服を着用します(注3)。
髪は切らずにうしろでまとめ、カバーリングと呼ばれる白い帽子のようなものをつけて、まとめた部分を隠していました。

かれらの服は色や柄が全てコミュニティで取り決められていて、未婚・既婚、未成年・青年、もしくは年齢で色やスタイルが変わります。

この店で見つけたのが、わたしが平素に使っている「塩」
ユタ州で生産される「Real Salt」という製品なのですが、枕のような大袋で売っているのを見てビックリ!

後日に訪れたマーケットでも小分けで販売されていて、どうやらアーミッシュの人々のお気にいりのようです。

店の奥には大きな冷蔵コーナーがあり、野菜・乳製品・肉類・玉子などがありました。
店の中の棚には冷蔵庫を使わずに野菜を保存するためと思われるピクルス類乾燥させた穀類などが売られています(注4)。

とはいえ、売られている既成の食品の中には一般の人達が使うものも含まれていて、添加物入りのものもかなりありました。

次に向かったのは、ご主人が車に乗っていることから、おそらくメノナイトのご家庭。

大きなクーラーボックスの中に野菜やベリー類を入れて無人販売しているのですが、この値段がとってもお安いのです!!

写真のいんげんは一袋(500g以上あります)で$1.50!
紙袋いっぱいの、1kg以上はあるレッドスキン・ポテトも$1.50!!

トライステートあたりでは考えられないお値段です。

しかしながら、トライステート、もっと突っ込んで言うとユニオンスクエアのグリーン・マーケットと大きく違うのは、野菜の種類です。

売られているのは、昔ながらのトマト、きゅうり、いんげん、とうもろこし、ピーマン、ズッキーニ、ビーツ、じゃがいも、茄子、メロン、スイカ、黄桃など。

最近になって人気のある和野菜や、エアルームトマト、色の変わった新種のものなど、ユニオンスクエアあたりでみかける野菜は全くありません

近代化しない生活を送るアーミッシュには、必要のないものだからでしょう。


畑に付属している納屋を使って野菜を販売しているスタンド。
素朴な野菜が並びます。
これがまたどれも美味しくて、シンプルに調理するだけで驚きの美味しさでした!


道途に家畜を放牧している姿が見られます。馬の向こうにいるのは羊たち。
奥にある主屋には、一家が住んでいるのでしょう。
家は想像よりもずっと、市街でよく見るデザインのものが多く、アーミッシュ独特のお洋服たちが戸外に干されていることや、
馬車が置かれていたりすること以外からは見分けがつきませんでした。

翌日に行った、週に一度だけ開かれるという、アンティーク&ヴィンテージのフリーマーケットと併設されたマーケット「Roots」では、アーミッシュだけではなく、一般の人も野菜や加工品などを販売していました。

敷地内には動物を売っている別棟もあり、戸外ではフリーマーケットが開かれていて大賑わい。

一般の人の店も入っているため、「外から持って来ているもの」と「地元のもの」の見分けがつきにくい…とは、案内してくれた友人談。

確かにたくさんのお店があることもあり、玉石混交という感じで見分けにくいですが、基本的にアーミッシュが売っているお店で、季節のものだけを買うのがよいと思います。

先にも書いた通り、アーミッシュは「基本的な野菜」のみ作るようですので、例えばアーミッシュの店で売っている「Japanese Eggplant(日本茄子)」は、かれらが作っていない=外から仕入れたもの…と判断できます。


このお店は一般の人のお店。やっぱりお値段はかなり安いです。
アーミッシュには基本的にカメラを向けられないので、アーミッシュのお店の写真はなしです。

大きな屋内マーケットには、アーミッシュの家具やキルトを売るお店(注5)、パン屋、瓶詰め(ピクルスやマスタードなど)専門店、はちみつ専門店、サンドイッチ屋、チーズ屋、お菓子屋…果ては文房具屋まで、色々なお店がひしめき合っています。

また、週に一度の開催+夏休みということもあって、人もいっぱい!
屋内はすれ違うのも一苦労な感じですし、外では用意されたピクニック・テーブルで食事をしている親子連れをたくさん見かけました。

やはりアーミッシュが目の前で作ってくれるフードベンダーは人気がありましたが、作っているのはどう見ても、よくある細長い白パンを割ってホイップバターを塗り、野菜や加工肉などの具を挟んだ「普通のサンドイッチ」で残念(注6)。

たくさんのベンダーがいますし、建物がクラシックな感じにまとめられていることもあって、マーケット自体は楽しめます。
でも、個人的にはスタンドを訪ねて買いに行くのが一番、楽しかったです!

アーミッシュの野菜は、素材の味がしっかりしているのでシンプルな調理が一番。

友人宅で作って好評だったトマト・パスタの作り方を、おまけでどうぞ。実は、前回の「レタスのホットサラダ」の応用編です!

パスタの種類はお好みですが、ショートよりロングの方が合うと思います。

フレッシュ・トマトのパスタ

材料<1〜2人前>

  • パスタ・160〜200g
  • 完熟トマト・中程度を2〜3個
  • にんにく・1〜2かけ
  • オリーブオイル・大さじ2
  • ・適量(親指・人差し指・中指でふたつまみ〜)
  • 胡椒・適量

道具

  • 小さいフライパン
  • ボウル
  • パスタを茹でる鍋
  • パスタを湯切りするざる

鍋に湯を沸かし、一つかみの塩(分量外)を入れて塩湯を作ります。

トマトはざく切りにして大きなボウルに入れ、塩を全体にまぶしておきます。
にんにくはみじん切りに。

グラグラにわいたお湯でパスタを茹で始めたら、小さいフライパンにオリーブオイルとにんにくを入れて、弱火にかけます。

前回もコツとして紹介しましたが油が冷たいうちから、にんにくを入れるのがコツです!

フライパンを適度にゆすって全体に熱が回るよう、そして、油にはにんにくの香りがよく移るようにしてやります。
火を強くせず、ゆっくりと。

オイルがサラサラになり、にんにくスライスがきつね色になったら火を止め、そのままトマトの入ったボウルにそのままあけます。

トマトにあたった時に「ジュ〜〜ッ」と音がしたら大成功
茹で上がったパスタを和えて、お好みで胡椒を挽いたらできあがり。

ちぎったバジル、ソテーした野菜、削ったチーズなどを加えても美味しくできますが、トマトが美味しい時期には、あえてシンプルにトマトだけでやってみてください。

もちろん、アーミッシュのトマトではなくても、今の時期の完熟トマトなら美味しく仕上がります


注1
アーミッシュの中でも「メノナイト」と呼ばれる人々は、自動車や家電をつかうこともあるそうです。

注2
成人のみが馬車を使えるので、未成年はキックボードのようなものを使っているのを見かけるそうです。その理由は「馬車より速い乗り物に乗ってはいけない」からだそう。

注3
この女性は白いエプロンの方だったので、既婚女性と思われますが、この店、実はクレジットカードが使えるので、それなりに近代化したものに触れて良い層の方だと思われます。

階層によっては、生活を遵守するために通信機器などを一切使わない方々もいます。

注4
この「Chow-chow」というのは、いろんな野菜で作ったピクルスで、レリッシュとも呼ばれます。ズッキーニ、人参、トマト、玉ねぎなどが使われていました。

注5
家具については、雪に降り込められている間に、男性陣がコミュニティの中の家に集まって作るものだそうです。伝統的なスタイルのチェストやワードローブ、小引き出し、椅子などがありました。

対して、キルトは女性のお仕事
本来はアーミッシュ用のお洋服の端切れや古着を利用して作ったもので、非常に素朴で清楚な味わいのものとされていますが、マーケットで売られているのは現代風というか、もっと華美な感じのものでした。

注6
メリーランド州で行ったアーミッシュ・マーケットでは、アーミッシュが直々に調理している(カウンターの中が調理場になっていて、男性が調理しているところが見られるのです)ローストチキンを売っていて、大変な人気がありました。

ユニオン・スクエアのグリーン・マーケットは年を通して開いていますが、たいていの地域では、冬のファーマーズ・マーケットはお休みです(注1)。

11月終わり〜12月頭から約4〜5ヶ月の休止期間を経て、5月の中頃には、いろんな街のファーマーズ・マーケットが再開されます。

が、今年はどうも天候不順で、野菜の作付けがあった時期のトライステートはとても寒かったのです。そのため、せっかく植えた野菜たちが枯れてしまい、もう一度植え直した…という農家さんも少なくないそうです。

そのせいか、野菜たちの出足も少し遅くて、寒さや涼しさに強い葉物はたくさん出ているのですが、例年でしたら5月には出回るはずの「実もの(人参、蕪類、新たまねぎなどなど)」はまだまだ(注2)。

ビーツの若い株やラディッシュが出ているくらいで、先週ようやく、露地物の苺に出会えたばかりです。

それでも毎週、訪ねるごとに野菜の種類が増えていくさまには、野菜たちの頼もしい生命力を感じずにはいられません。

そんな今のマーケットでたくさん種類があるのはこれ。
レタスたちです。

バターレタス(日本で言うところの「サラダ菜」)、ヘッドレタス、ロメインレタス、グリーンリーフレタス、レッドリーフレタス…。
彩り豊かでパリッとしたレタスたちには、農家さんの気合が感じられます。

レタスはビタミンC・E、カロテン、カルシウムなどを含みます。
油と一緒にするとカルシウムの吸収効率が上がります

茎を切ると出る「サポニン様物質」には、肝臓・腎臓の機能を高める働きも(注3)。金気を嫌うので、可能なら刃物を使わずに手でちぎってあげるといいです。

切り口が赤くなるのは、ポリフェノールが酸化しているからです。
腐食ではありませんが、そうならないうちにできるだけ早く食べてあげてください。

でも、レタスを食べると言っても、ドレッシングをかけたサラダばかりでは飽きてしまいますし、身体も冷えがちになってしまいます。

そこで、スペイン料理の前菜として有名な「Cogollos al Ajillo(コゴロス・アル・アヒージョ)」にヒントをいただいて、レタスのホット・サラダを作ってみました(注4)。

作り方はとってもかんたん!!
ちょっと一品ほしいな…なんて時や、ササッと「とりあえずの一品」を出したい時に便利ですよ!

今回の材料はこちら。

緑のレタスは、ロメインレタスです。
外側の葉を剥いた薄黄緑色の芯の部分が「ロメイン・ハート」としてスーパーでパック売りされていますが、あれの全体図はこんな感じなのです。

わたしは今回、これを4つ割りにして使いました。
大胆な感じですけども、パリパリの食感が楽しめます。

添えたのは、外葉を結構に食べて芯に近いヘッドレタスです。
こちらを使うと、柔らかい食感が楽しめます。

どちらを使うかは、お好みですが、どの場合も葉っぱをまるごと食べる素材なので、できれば無農薬栽培やオーガニックのものを選びたいところです。

材料<1〜2人前>

  • ロメインレタス・小ぶりなもの1/2個
  • にんにく・2かけ
  • バルサミコ酢・大さじ1
  • オリーブオイル・大さじ2
  • ・適量(親指・人差し指・中指でふたつまみ〜)
  • 胡椒・適量

道具

  • 小さいフライパン
  • 計量スプーン
  • ボウル

まずはレタスの根本の余分な部分を切ります。

そのままざっと洗い、葉に水を行き渡らせるよう、根本をしっかりと冷水に漬けますが、漬けすぎると栄養素が流れ出てしまうので、5分くらいで水からあげます。(注5)

その間に、にんにくを薄切りにします。
芯は特に取る必要はありません。この部分も食べられますから、食べちゃいましょう(注6)!

水からあげたレタスは半割りにします。使うのはこの半割を更に割った、1/2個ぶんです。

使用するぶんの全体を流水で手際よく洗います
特に根本に土が入っているので、流水を当ててよく洗い流します。

洗ったレタスは、ペーパータオルやふきんなどで、しっかりと水を取ります
ここをいい加減にやると美味しく仕上がりませんので、決して手を抜かず、丁寧にやってくださいね。

レタスの下ごしらえが済んだら、盛り付け用のお皿に載せておきます

ここまでできたら、ソース作りです。
小さいフライパンにオリーブオイルとにんにくスライスを入れて、弱火にかけます。油が冷たいうちから、にんにくスライスを入れるのがコツ(注7)。

フライパンを適度にゆすり、にんにくスライス全体に熱が回るように、そして、油にはにんにくの香りがよく移るようにしてやります。
焦がさないよう、ゆっくりと、慎重に。

にんにくを過熱している間、お皿に盛ったレタスには、バルサミコ酢をかけまわしておきます

オイルがサラサラになり、にんにくスライスがきつね色になったら、火を止めます。

そのフライパンをそのままレタスの上に持って行って、熱々のオイルをレタスにかけます

そして、塩をふたつまみほど全体にパラパラっとやったら、できあがりです。
お好みで胡椒も挽いてください。

シンプルながら、みずみずしいレタスの食感と、ほんのり苦味のある爽やかな風味をよく味わえる一皿です。

食べる時には、豪快にこのまま手づかみでもいいですし、ナイフで適当に切って食べるのもよしです。
また、オイルをかけてから少し放置して、半生レタス…という感じにしなっとさせてから食べるのもまた楽しいです。

使うレタスもロメインじゃないとダメということはありません。
様々なレタス、もしくはサラダ向きの青菜で作ることができます。

味の方もお好みでチリペッパーをかけたり、バルサミコをレモン汁に替えたり、オイルをごま油にしてみたりと、バリエーションも自由自在!
お醤油をかけて塩なしで作ってみるのも、面白いですね。

どの場合も、ドレッシング代わりになるオイルは少し多めが美味しいようです。

そろそろ蒸し暑く感じる日も出てきて、生野菜が嬉しい時期です。
ドレッシングがけの生野菜に飽きたら、ちょっと目先を変えてみませんか。


注1
場所によっては、温室などの半屋内を利用した「ウィンター・マーケット」が開かれているところもあります。

注2
ユニオン・スクエアのマーケットには、わたしが住んでいるコネチカット州よりも西になる、ペンシルヴァニア州などからも農家さんがやって来ます。
感覚としてあちらの野菜の出足は、2〜3週間、コネチカットより早い感じです。

注3
薬膳では「苦甘/涼」の性質を持ち、活血(血の巡りをよくする)、健脾(消化吸収を良くする)、清熱(身体の中の余分な熱をさます)、通便(腸の働きを高める)、補血(造血機能を促進する)に有効です。

注4
「コゴロス」は、スペインで食べられている、小さなレタスです。外側の葉を剥いたのではなく、最初から小さいレタスなのです。
これに、熱々のにんにくオイル(アヒージョ)をかけたものが、前菜として食べられています。

注5
この時、農薬が心配であれば、大きめボウルいっぱいの水に重曹を小さじ1杯程度を溶かした水に全体を1分漬けると(完全にではありませんが)農薬を除去できます
重曹は掃除用のものではなく、食用のものを使ってくださいね。

重曹水から引き上げたら流水でよくすすぎ、水分をきちんと取ってから使います

注6
「苦味のもとになるので取る」という説もあるのですが、わたしはそのまま食べます。
この部分は焦げやすいため、加熱時に苦味のもとになりやすいのですね。加熱時はゆっくり、そして焦がさないよう、目を離さず作業しましょう。

注7
この「オイルが冷たいうちににんにくを入れる」のは、ペペロンチーノを作る際のコツでもあります。オイルを熱してからだと、にんにくは一瞬で火が通って、焦げてしまうのです。

真冬のマーケットには、基本的に保存野菜が出回っていることはお話した通りです。
その代表格が根菜なのですが、かれらは夏から初秋までに収穫され、低温保存されていたものです。

上手に保存されたものは栄養価が失われることはありません。むしろ、いも類などはねかせたことで味わいが濃くもなります。

その根菜たちの中でも、近ごろ栄養価の高さから注目されているのが「ビーツ」です。

よく知られている「赤ビーツ」をはじめ、「黄ビーツ」「チョギア・ビーツ(ピンクのシマシマのもの)などがありますが、マーケットでよく見かけるのは「赤ビーツ」

シーズン中には葉っぱ付きで売っていますが(注1)、保存してあるものは葉っぱを落としてから保存しますので、実の部分だけで売られています。

栄養素として多いのは細胞の生まれ変わりに必要な「葉酸」、むくみ対策や高血圧対策にバッチリの「カリウム」が多く、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEなども含まれます(注2)。

また、近年に注目されている「NO=一酸化窒素」のもととなる「NO 3=硝酸塩」が豊富に含まれていることでも有名です(注3)。
この「NO」は血管を柔らかくして血流をスムーズにし、コレステロールがたまるのを防ぎ、血栓の発生を防ぎます。

このことから「血流が良くなる」という効果が期待できるので、ビーツのジュースは「飲む輸血」とも言われています。具体的には、美肌効果、肩こり・冷え・クマの改善に良いとされます。

ジュースにする他、茹でて、または生でサラダに(注4)、スープに入れたり(注5)、オーブンでローストしたりで食べられますが、とにかくかたいので、加熱調理には時間がかかります

夏場の水分をたっぷり含んだもの(葉付きの実など)はオーブンでゆっくりローストすると皮がツルッとむけますが、冬場の保存品は水分がやや抜けているためになかなか簡単には行かないので、皮ごとまる茹でする方法がおすすめです。

皮をむくとそこから栄養素が煮汁に出てしまいますので、皮ごと下ごしらえします。

下茹での時間は実の大きさにもよりますが、小一時間ほど。
少しかたいかな、という時点で火を止めて、煮汁ごと冷ましながら予熱で火を通します。

味付けのコツは、ビーツのもつ独特の匂い「土臭さ」を消すことです。
酸味や乳製品と一緒にするなどで対応できます

では、今回はこのビーツを使って、色合いの可愛いサラダを作ってみます!

今回の材料はこちら。

ビーツは実がしっかりしていいて、頭から葉が出ていないものを選びます。
葉が出てしまうと、栄養はどんどんそちらに流れてしまうので、新芽が出ているものは避けたほうがいいです。

あまりに大きなものは火が通りにくいので、3センチほどのこぶりなものを選ぶと使いやすいです。

材料<2人前>

  • ビーツ・小ぶりなもの4個
  • お酢・小さじ1
  • ヨーグルト(注6)・大さじ2
  • ココナッツ・パウダー(注7)・大さじ1
  • ・適量(親指・人差し指・中指でふたつまみ〜)
  • 胡椒・適量

道具

  • ヘラまたはカレースプーン
  • 計量スプーン
  • ボウル

ビーツはよく洗い、皮ごと少し多めの水を張った鍋に入れて、火をつけます(注8)。1時間ほど茹でるので、水は多めの方がいいです。
ここに小さじ1のお酢を追加して、ビーツの色が綺麗に出るようにします。

お湯が煮立ったら火を弱火に落とし、小一時間ほどコトコト煮ます

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竹串や鉄串で刺してみて、ちょっとかたいかな…というところで火を止め、そのまま触れる程度に冷まします(1時間〜)。

触れるくらいに冷めたら、手にとって皮をしごくと、ツルッとむけてきます
手が赤くなりますが、洗えば落ちますのでご安心を。

皮がむけたら、一口くらいに乱切りにします。

切ったビーツはボウルに入れ、塩、胡椒、ヨーグルト、ココナッツ・パウダーを加えます。

ヘラかカレースプーンで大きく混ぜてやると、ヨーグルトがピンクになって来ます。
全体がよく混ざったら10分くらいおくと、さらに色が強くなります

これでできあがりです。

ビーツの赤で染まったピンクが鮮やかに出ます。
パッと華やかな色合いは、女性にはとってもウケがいいですよ。子どもさんも「これなぁに?」って興味を持ってくれます。

美容と健康によく、見た目も可愛いビーツサラダ、ぜひお試しくださいね!

もし、ビーツを下茹でする時間がなかったら、水煮の缶詰を使ってもできます。少し色合いが淡くなりますが、レモン汁を少し加えるなどして、色がよく出るようにしてみてください。


注1
この葉っぱももちろん、食べられます。
ビーツは実よりも葉の方に鉄分が多いので、葉付きのものを手に入れた時にはぜひ、調理して食べてください。

少しかたいので、軽く湯がいてからナムルやマリネにすると美味しいです。
胡麻和えや白和えにするのもおすすめです。

注2
葉酸とカリウムが多いため、「美容にいい」とされています。
また、この葉酸は胎児の成長にも欠かせないものなので、妊婦さんにはおすすめしたいお野菜のひとつです。

食べた時に甘いと感じるのは、ショ糖が多く含まれているからです。

注3
「NO 3(硝酸塩)」は口腔内の細菌をきっかけに変化が始まって「NO」になります。

注4
赤ビーツは実を切ると濃い赤の汁が出るので、調理時には洋服につけないように注意してください。まな板や手も染まりますが、これはすぐに洗えば落ちます。
この時、レモンや酢を使って洗うと、脱色効果がよくなります

この濃い赤の色素は「ベタシアニン」。抗酸化作用があるとされています。
黄色いビーツの色素は「ベタキサンチン」

注5
このビーツを使う代表的なスープが「ボルシチ」。あの赤い色はビーツの色です。
しかしながら加熱し過ぎると色があせてしまうので、下茹でしておいたものを仕上がり間際に入れるのがコツです。

注6
ビーガン対応にしたい場合は、豆乳ヨーグルトを使用してください。
わたしは今回、ゴート(山羊乳)ヨーグルトを使いました。

ゴートヨーグルトは脂肪球の大きさが小さいために胃の中で蛋白の凝固が優しいのです。そのため、比較的楽に消化吸収ができます。
また、タウリンも豊富に含まれていて(牛乳の20倍)、肝臓の強化に役立ちます。カルシウム、カリウム、ビタミンB2、ナイアシンも牛乳より多く、ミネラルバランスに優れています。

独特の匂いは、現代の製品ではほとんど感じられません。やや酸味のあるヨーグルト、という感じです。

注7
注7
ココナッツ・ファインとも呼ばれますが、細かな粒状になった、乾燥ココナッツです。製菓用で販売されていることが多いです。
完全な粉状のものではなく、小さな粒のものですのでご注意ください。

もしも見つからなければ、細長い形状の「ココナッツ・フレーク」でも構いません。この場合は、少し包丁で細かくしてから使うと歯ざわりよく仕上がります。

このお料理の他、パンやお菓子に混ぜ込んだり、サラダのトッピングにしたりで食べられます。インドカレーにちょっと追加しても面白いですよ。

注8
写真では材料で紹介した量より多いビーツが入っていますが、これは余ったぶんを別の料理に使うつもりだからです。
小一時間ほどの下ごしらえが要るので、いつも少し多めに茹でます。手間もエネルギーももったいないですから、一度にやっちゃいます!

余った分は煮汁ごと冷蔵庫で保存すると、「ビーツの水煮」として3〜4日は問題なく食べられます

年が明けて真冬の今は、ファーマーズ・マーケットも「保存野菜」がほとんどです。

温室を持っているファームからは、寒くても育つ青物(ほうれん草やケールなど)が少し出たりしますが、多くのファームは今、早春からの植え付けに備えて、畑を休ませています。

そのため、ファームがマーケットに出すのは昨年の秋までに収穫されている、保存が効く野菜になります。

具体的には、根菜類やねぎ類ですね。

かぶ(パープルヘッド・ターニップなど)、ルタバガ(アブラナ科の蕪に似た野菜)、じゃがいも人参玉ねぎセルリアックビーツリークパースニップ(白人参)スクワッシュ類(バターナッツスクワッシュ、スパゲティスクワッシュ、エーコンスクワッシュなど)…どれも保存の効く野菜たちです。

その中でも、今回は玉ねぎを使ってみます。

そのままスライスして食べられるシャープな美味しさの新玉ねぎに対して、冬の玉ねぎは、熟成された美味しさがあります。

これは生で食べるよりも火を通して、甘みをしっかり味わいたいところ。

玉ねぎはもともと糖度の高い野菜なのですが(注1)、一緒に含まれている辛味成分(注2)がとても強いので、生で味わうと、そちらの方が先に感じられてしまいます。

じっくりゆっくり加熱した玉ねぎは、その辛味成分が変化して糖度の高い成分に変化しますので(注3)、甘みを強く感じられるようになります。

その甘さを活かすために、シンプルな「丸焼き」と「マリネサラダ」でいってみます!!

かなりの高確率でおうちにある野菜のひとつ「玉ねぎ」なので、思い立ったらできるのが気楽です。

その上、調理は面倒くさいことなしでオーブンにおまかせ!
他のものを作っている間に、できちゃいます。

今回の材料はこちら。

玉ねぎはしっかりと皮に包まれたものを選びます。
可食部が透けて白っぽいものより、皮が何枚かついていて茶色いもののほうが向いています。

材料<2〜3人前>

  • 玉ねぎ・中2個
  • パセリ(イタリアンでもカールでもOK)・2〜3本
  • オリーブオイル・小さじ2
  • ビネガー・小さじ2
  • ・適量(親指・人差し指・中指でふたつまみ〜)
  • 胡椒・少々

道具

  • 耐熱トレイ
  • 鍋つかみ
  • 鍋敷き
  • パーチメントペーパー(またはアルミホイル)
  • トング
  • 計量スプーン
  • ボウル

まずは、オーブンを360F(180℃)に予熱しておきます。

耐熱トレイにパーチメントペーパー(またはアルミホイル)をかぶせ、玉ねぎをできるだけ触れ合わないように置きます。

オイルなどを塗る必要はありません。

予熱が完了したオーブンにそのまま入れ、1時間〜1時間半、焼きます。

途中で1〜2回、上下を返してあげます(注4)。
長いトングを使うなどして、火傷に注意してください。

待っている間、パセリを刻んでおきます。
葉っぱだけじゃなく茎もある程度は使って、一緒に刻んでしまいましょう。

わたしはクタクタに焼けたものが好みなので、1時間半、加熱しました。
焼き上がりはこんな感じ(注5)。

玉ねぎの糖分がしみでたものが焼けてカラメル状になっているため、香ばしい匂いがします。

これをそのままお皿に乗せて、ナイフで切ったところにオリーブオイル、塩&胡椒、そして彩りのパセリをかければ…実はこれでも充分に美味しいです。

赤ワインのお供によく合いますよ!

でもせっかくだし、もうちょっと手を入れたいよね!
…ということで、マリネサラダにしましょう。

火傷に注意しながら(注6)まだ熱い丸焼き玉ねぎの皮を2〜3枚、白い可食部が出てくるまでむきます

出てきた可食部は、包丁でお好みの大きさに縦切りします。
甘皮で滑るので、丁寧に、ゆっくりやってくださいね。

切った玉ねぎをボウルに入れ、塩&胡椒、ビネガーを入れ(注7)、軽く混ぜあわせます。

塩はふたつまみも入れれば充分ですが、しっかり味にしたい時はあとひとつまみくらい足しても大丈夫です。

その後、パセリとオリーブオイルを更に加え、スプーン等でよく混ぜてあげます。

これででき上がりです。

このまま冷まして、味をなじませてから召し上がってください。

外側のトロッとした部分と、内側のサクッとした歯ごたえが残っている部分、どちらも楽しめるように盛り付けるといい感じですね。

冷めたものは保存容器に移して冷蔵庫で保管すれば、2〜3日はもちます。

カレーのお供に、そのままサラダとして…などなど、色々に使えるスグレモノでして、優しい味付けと玉ねぎの甘味は、和食に添えても違和感がないくらいです。

それでも残ったら、スープの具材として食べるのもまたよし!

ちなみに、冷めた丸焼きでも、マリネサラダは作れます
せっかくオーブンを使うのですから、まずは丸焼きを熱々で楽しんだ後、残りをマリネサラダに…という「一石二鳥」もいいと思います。

冷めた丸焼きをサラダにする場合、温かいまま味付けする場合よりも塩が少しなじみにくいので、できれば一晩おいてから食べるといい感じです。

塩の代わりにお醤油を使っても、面白い味に仕上がりますよ!

夏から秋の恵みである保存野菜をいかに丁寧に美味しく食べるかが、真冬の楽しみでもあります。

それに、オーブンを使った料理はキッチンの空気も温まるので、なんともホッとしますよね。寒い日にぜひ、やってみてください!


注1
野菜類の中でも最も糖質多く含まれ、果糖、ブドウ糖、ショ糖がほぼ同じくらいの量で含まれています。

注2
「硫化アリル」という硫黄化合物で、玉ねぎの刺激のある香りもこの成分がもとになっています(にんにくにも含まれます)。玉ねぎの効用としてよく知られている「血液をサラサラにする」という働きはこの成分によるものです。

アレルギー対策(免疫機能の向上)に効く成分でもありますが、加熱すると失われてしまうので、アレルギー対策には生で食べると有効です。
しかしながら、水溶性の成分でもあるので、水にさらさず、お酢などの酸味で辛味を和らげるほうがベターです。

この「硫化アリル」の揮発性を利用して、玉葱を横切り(繊維に対して水平)にしたものを部屋に置くと、咳が止まる…というのを、最近の「風邪または咳対策」としてよく見ます。
部屋がちょっと玉ねぎくさくなるそうですがw、確かに有効だそうです!

注3
加熱した硫化アリルは糖度の高い「プロピルメルカプタン」という物質に変化します。火を通した玉ねぎがとても甘いのはこのためでもあります。

注4
「ひっくり返し」はそんなに神経質にやらなくてもOKです。
わたしはいつも1回、上下を返しただけで済ませてしまいますが、特に問題はないです。

注5
耐熱トレイは熱くなってますので、トレイを置く際には鍋敷きなどを利用してください。

注6
冷たい水を少し出しながら、もしくはボウルに張るなどして、指先を冷やしつつやってくださいね。

むいた後の皮は、野菜出汁に使えます。コクのある出汁がとれますよ。
この場合、オーガニックまたは低農薬・無農薬の玉ねぎを使用し、焼く前に重曹などで表面を洗っておきます。そして、焼く前にはキッチンペーパーなどでしっかり水気を取っておいてください。

注7
使用するビネガーは、お好みのものでOKです。ワインビネガーでもいいですし、米酢でも、アップルサイダービネガーでも。
わたしが調理で使ったオリーブオイルはスペインのものでしたので、スペイン料理でよく使われるシェリー・ビネガーを使いました。コクのある香りが玉ねぎによく合います!

ビネガー以外に、レモン汁を使うのもOKです。この場合は小さじ1くらいを最初に入れて、酸味を加減してください。