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2017年の日本における「カレーのトレンド」とも言われているのが「スパイスカレー」

カレールウを使ったカレーではなく、スパイスを調合して作るものを指すようで、密かなブームになっているようです。
オーセンティックなインドカレーだけではなく、「スパイスから作る」を基本に、様々な味とスタイルのカレーが人気を博しています。

数種類のスパイスカレーやスパイスおかずを、ごはんと一緒に盛り付けた「定食」ターリー(もしくは「ミールス」(注1))も流行り始めているとか。

わたしもまた、インドカレーを始めとするカレー全般が大好きです。
カレー粉を自作したり、スパイスを集めてインド料理を作ったりと、色々と楽しんじゃってます。

だから…というわけでもないのですが…。
この秋、わたしはご縁あって、日本で「カレースター」として大活躍中の、水野仁輔さんのお手伝いをさせていただきました。

その時の流れで、インド人街のスパイス専門店を紹介してもらえたので、いそいそと買い物に行ってきました!!!

地下鉄6ラインの28丁目の駅で降りて東側(Lexinton Ave.)の方に進むと…半ブロックほど行ったところで、既にカレーのにおいが

周囲にはまだインド料理のお店はないのに…でも、スパイスを調理した香ばしいにおいがしてきます。

そのまま進んだ、28丁目とLexinton Ave.の角にあるのがこのお店「Curry in a Hurry」

この店名と、なんとも目立つ外観にはちょっと引きますが、ここは「マンハッタン内で一番美味しいインド料理店」という異名もあるお店なのです。

店内はかなりカジュアルで、テーブルと椅子はあるものの、食器はアルミトレーやプラスチック。テイクアウトもできます。

そして、お店の前を左に曲がってすぐ、目的のお店「Kalustyans(カルスティアンズ)」があります。

入り口こそ小さいですが、奥へ奥へ上に下にと展開する店内の広さは相当なもの!!

入口のレジ付近にはインドのお菓子も売っています。
もう少し奥へ進んだ場所にある、お茶関係の品揃えもすごい!

お茶そのものはもちろん、ブレンド用のドライフラワーが、床から天井まで、もうギッシリ!!!

この「床から天井までギッシリ」が、このお店の陳列の基本。
物量に圧倒される、とはこのことですw

小麦粉や穀物粉などの粉もの、そしてもちろんスパイスも単体からブレンドされているものまで、粉末に出来るものなら何でもあるんじゃないか?…と思うくらいの品数。

豆類も、レンズ豆だけで4種類は見つかる品揃え。
その他、わたしがふだん取り寄せで買っているような「ちょっとレアものの調味料」だって、しれっと売っていました。

日本の調味料もまた、日系のお店で売っているかどうか…くらいのレアものが陳列されています。

とにかくギッシリ!!!!!
隙間を認められない病気なのかと思うくらい、とにっっかく、商品で壁が埋まっています。

これ、棚卸しの時はどうするんだろう?????

そして、奥の壁際には冷蔵庫があり、インド料理で使うと思しき、でも表記が英語じゃないので何であるかすらもわからない商品がこれまた、たーーーーーくさん、あります。

しかも、2階に上がれば調理器具だけを集めた場所や、あまつさえ軽食が食べられるデリコーナーまであるのです!!!

「一度入ったら2時間は戻ってこられないよ」と予告されたのは、伊達ではありませんでした。

でも、このお店には、ひとつだけ難点が…。

この品揃えを維持して行くためには致し方ないとは思いますが…。
お値段が高いのです…。

確かに「こんなものが!」と何度も驚かされたほど珍しいものがいっぱいありますし、超レアものを求めてのことならば、利用のしがいがあるお店です。

でも、さほどのレアものではないけれど、まとめ買いをしたい…という時には、このお値段は「なかなかのもの」になっちゃいます。

なので、買うのはちょっと待ってください!!!

このお店を出て、右手に進むと…。
29丁目の角に、もう一軒、スパイスを扱っているお店があるんです。

それが「Spice Corner」

…とはいえ、こんな外観なので、見るからに怪しいインド系のデリにしか見えませんし、店に入ってもただのデリにしか見えませんが、ちゃーんと奥でスパイスを扱ってます。

他にはお米や豆、お茶類も。

そしてここもまた「床から天井までギッシリ」系です。
しかも、スパイスが棚で混在している場合があるので、奥の方まで手を入れて探さないと見つからない…という、親切設計w

でも、店員さんはとってもフレンドリーで、売り物のサモサをポンッとくれたり、大きなデーツをくれたりと、妙な居心地の良さがあります。

単に餌付けされてるんじゃないか説はさておきw

品揃えは、超レアものをのぞけば、実は「Kalustyans」と同じですw
でも、お値段はあちらの7割〜5割

パッケージにも大差はなく、同じディストリビューターが扱っているのかと思うくらい、よ〜〜〜く似てます。

水野仁輔さんがイベントで使用したのも、ここのスパイスです。
わたし自身も使っていますが、品質には問題なしです。

なので、もし求めるものがここにあるなら、こちら「Spice Corner」でお買上げされるのがいいかもです。
レアものは「Kalustyans」で探す、という感じで。

さて、水野さんとお話をさせていただいた時、この「Spice Corner」のことを「スパイスがそりゃあもういっぱいあって、調味料なんかもいっぱいある専門店なんだけれど、なぜか、日本のカレールウが売ってたんですよww」…とお話してくださいました。

その証拠が、この写真。

売ってますね、ゴールデンカレーのルウが!!!
「ほんだし」もね!!!!!

「Kalustyans」にはなかったので、これはかなりレアものwwww

最後に、これも水野さんに教えていただいたのですが、スパイスのひとつに「カシミール・チリ(Kashmiri Chilli)」というものがあります。

辛さはあまりなく、奥行きのある甘い香りがするチリで、そのまま舐めても「美味しい」と感じます。

この「カシミール・チリ」、日本ではかなりのレアものなのだとか。
スパイス好きが、インドに旅行に行く人へお土産に頼むくらいなのだそうです。

なので、もし、お友達にスパイス好きがいらっしゃったら、この「カシミール・チリ」をお土産にするのは、なかなかいいかもですよ。

180gで$5.99と、お値段も安心価格です。
あ、もちろん「Spice Corner」でのお値段です!!

注1
「ターリー」はインド全般での、「ミールス」は南インドでの呼称です。南北で内容が異なりますが、基本はごはん+カレー&おかず、です。

 
Kalustyans
https://www.kalustyans.com/

123 Lexington Avenue, New York, NY 10016
Monday – Saturday 10 am – 8 pm
Sunday and Holidays 11 am – 7 pm
 

Spice Corner
http://sc.spicecorner29.com/

135 Lexington Avenue, New York, NY 10016
Monday – Saturday 10 am – 9 pm
Sunday 10 am – 8 pm

この連載を始めた頃、わたしはベジタリアンでした。

正確には「お肉だけを食べない」、野菜・穀類に加え、乳製品、玉子、魚介はOKのペスクタリアン

とはいえ、だいぶ菜食生活をしていて、タンパク質系は時々いただく程度でした。

現在のわたしは、お肉もいただきます

どうしてそうなったか…というのを語るには、それだけで10話くらいは必要ですんで、めっちゃスピリチュアルな話で恐縮ですが、ごく簡単に言うと「自分の波動が上がったから」です。

その「元ベジタリアン」の立場から、代替肉の試食記事をやろうと思ったのでした。

なので、今回の記事の写真には玉子が出てきます。
ご了承くださいね。


さて。

この「Beyond Meat」「完璧な植物ベースの代替肉」ってのはないものか?…という疑問を長年持ち続けていた男性、イーサン・ブラウンが、ミズーリ大学が研究していた「代替肉」を、メリーランド大学、そして企業2社と共同開発したものです。

Twitter創始者が運営するベンチャー・キャピタルビル・ゲイツ財団が投資していることでも有名で、現在はタイソン・フーズ三井物産の資本も入っているとか。
取締役には米マクドナルドの前CEOもいるそうです。

要はアメリカでは「未来の食事情を支える」などの展望によって、注目されている…というわけです。

その「Beyond Meat」の最新作が「The Beyond Burger」

その名の通りの、ハンバーガー・パティの形状をした代替肉です。

遺伝子組換えなしの材料からできており、大豆・グルテンも使っていません。タンパク質はえんどう豆からの抽出によるもので、食感を出すために竹セルロースも配合されています。

色はビーツの色素やアナトー色素などからです。
ココナッツオイルやキャノーラオイルで肉汁の代替えをしてるんだとか。

旨味はイースト、コハク酸(貝類の旨味成分)、マルトデキストリンなどでつけられています。

牛肉の場合よりも鉄分は倍、飽和脂肪酸は半量、コレステロールはゼロ
タンパク量やカロリーは変わらず。

こうして見ると、見た目はまるっきり、お肉のパティです。

原材料の表示はこちら。

アメリカの材料表示の法律では使用量が多い順に材料名が並びますので、最初の5つを書くと…。
えんどう豆抽出のプロテイン、圧搾キャノーラオイル、精製ココナッツオイル、水、食用イースト…です。

現在は限定されたWhole Foodsで販売されていて、わたしは店頭でのデモンストレーションで試食して買いました。
冷凍品として配送されて来るそうですが、店頭に並ぶときは普通の冷蔵庫にあります。

パッケージを開けると、そのものの質感もだいぶ「挽肉」に近づけてあることがわかります。

形成には非常に高い技術が使われていて、工場で使われている「成形機」はテクノロジーとノウハウの集大成だそうです。

調理法は、バーベキューコンロかスキレット(鋳物フライパン)で焼く…ということなので、わたしはスキレットで焼きました。

焼いている時の匂いは、結構にお肉っぽいです。
片面3分ずつ焼くように、とありましたので、大まかにそれを守ってみました。

本物のお肉だと、片面3分はやや短いですが、この「The Beyond Burger」は原材料にナマモノがないですから、中まであたたまればいいのでしょうね。

焼き目もしっかりつきます。

今回は、玄米ごはんを用意して、ハワイで大人気のB級グルメ「ロコモコ」風に仕上げてみました。
グレイビーはもちろん「野菜出汁」をベースに作っていますので、玉子以外はヴィーガンです。

見た目はまるっきり、ハンバーグ!!

切り口はこんな感じ。
きちんとミディアムの感じが再現できていて、遠目に見たら見分けがつかなさそうです。

肝心のお味ですが……。

悪くないです。
特に「めちゃくちゃ美味しい!」という感じではないですが、普通に美味しいです。

お肉のパティに比べると食感がやや柔らかく、サクッとした感じ

粒感もちょっと弱いですが、知らずに食べたら「何のお肉のパティかな?」と思うくらいには仕上がってます。

塩加減もきつくなく、満足感もあります。
そして、ここが植物性のゆえん…というかメリットのひとつだと思いますが、食後の胃が軽いです。

今回はハンバーグっぽくいただきましたが、バンズにはさんでハンバーガー仕立てにしても、全く違和感がないと思われます。
特に、バーベキューコンロで炭火で焼いたりしたら、薫香がつくことで、より美味しく感じるようになるかもしれません。

この「The Beyond Burger」は、とある店舗では、1日に250個を売り上げることがある人気商品になりつつあるようです。
今後は販売店舗を拡大する予定にもなっているそう。

今はまだハンバーガー・パティの形しかないのが残念ですが、そのうち挽肉系の応用商品(ソーセージ、ミートボールなど)が出てくるかもしれないですね。

 
ここまでして「肉のようなもの」を食べるくらいなら食べなければいいのでは…。

という意見もあると思いますが、これらの「代替肉」商品は自分の意志でヴィーガンやベジタリアンを選択した人だけのものではない、とわたしは考えています。

例えば身体的な事情でやむなく肉類を食べられずにいる子どもに、他の子と同じようにハンバーガーを食べられる状況を作ってあげられる…というのは悪くない、とわたしは思うのです。

何より、植物性の玉子すらも商品化されている現在、好奇心的に「どこまでできるのだろう?」…。
という気持ちもあるので、「Beyond Meat」の今後を、見守るつもりです。