この連載を始めた頃、わたしはベジタリアンでした。

正確には「お肉だけを食べない」、野菜・穀類に加え、乳製品、玉子、魚介はOKのペスクタリアン

とはいえ、だいぶ菜食生活をしていて、タンパク質系は時々いただく程度でした。

現在のわたしは、お肉もいただきます

どうしてそうなったか…というのを語るには、それだけで10話くらいは必要ですんで、めっちゃスピリチュアルな話で恐縮ですが、ごく簡単に言うと「自分の波動が上がったから」です。

その「元ベジタリアン」の立場から、代替肉の試食記事をやろうと思ったのでした。

なので、今回の記事の写真には玉子が出てきます。
ご了承くださいね。


さて。

この「Beyond Meat」「完璧な植物ベースの代替肉」ってのはないものか?…という疑問を長年持ち続けていた男性、イーサン・ブラウンが、ミズーリ大学が研究していた「代替肉」を、メリーランド大学、そして企業2社と共同開発したものです。

Twitter創始者が運営するベンチャー・キャピタルビル・ゲイツ財団が投資していることでも有名で、現在はタイソン・フーズ三井物産の資本も入っているとか。
取締役には米マクドナルドの前CEOもいるそうです。

要はアメリカでは「未来の食事情を支える」などの展望によって、注目されている…というわけです。

その「Beyond Meat」の最新作が「The Beyond Burger」

その名の通りの、ハンバーガー・パティの形状をした代替肉です。

遺伝子組換えなしの材料からできており、大豆・グルテンも使っていません。タンパク質はえんどう豆からの抽出によるもので、食感を出すために竹セルロースも配合されています。

色はビーツの色素やアナトー色素などからです。
ココナッツオイルやキャノーラオイルで肉汁の代替えをしてるんだとか。

旨味はイースト、コハク酸(貝類の旨味成分)、マルトデキストリンなどでつけられています。

牛肉の場合よりも鉄分は倍、飽和脂肪酸は半量、コレステロールはゼロ
タンパク量やカロリーは変わらず。

こうして見ると、見た目はまるっきり、お肉のパティです。

原材料の表示はこちら。

アメリカの材料表示の法律では使用量が多い順に材料名が並びますので、最初の5つを書くと…。
えんどう豆抽出のプロテイン、圧搾キャノーラオイル、精製ココナッツオイル、水、食用イースト…です。

現在は限定されたWhole Foodsで販売されていて、わたしは店頭でのデモンストレーションで試食して買いました。
冷凍品として配送されて来るそうですが、店頭に並ぶときは普通の冷蔵庫にあります。

パッケージを開けると、そのものの質感もだいぶ「挽肉」に近づけてあることがわかります。

形成には非常に高い技術が使われていて、工場で使われている「成形機」はテクノロジーとノウハウの集大成だそうです。

調理法は、バーベキューコンロかスキレット(鋳物フライパン)で焼く…ということなので、わたしはスキレットで焼きました。

焼いている時の匂いは、結構にお肉っぽいです。
片面3分ずつ焼くように、とありましたので、大まかにそれを守ってみました。

本物のお肉だと、片面3分はやや短いですが、この「The Beyond Burger」は原材料にナマモノがないですから、中まであたたまればいいのでしょうね。

焼き目もしっかりつきます。

今回は、玄米ごはんを用意して、ハワイで大人気のB級グルメ「ロコモコ」風に仕上げてみました。
グレイビーはもちろん「野菜出汁」をベースに作っていますので、玉子以外はヴィーガンです。

見た目はまるっきり、ハンバーグ!!

切り口はこんな感じ。
きちんとミディアムの感じが再現できていて、遠目に見たら見分けがつかなさそうです。

肝心のお味ですが……。

悪くないです。
特に「めちゃくちゃ美味しい!」という感じではないですが、普通に美味しいです。

お肉のパティに比べると食感がやや柔らかく、サクッとした感じ

粒感もちょっと弱いですが、知らずに食べたら「何のお肉のパティかな?」と思うくらいには仕上がってます。

塩加減もきつくなく、満足感もあります。
そして、ここが植物性のゆえん…というかメリットのひとつだと思いますが、食後の胃が軽いです。

今回はハンバーグっぽくいただきましたが、バンズにはさんでハンバーガー仕立てにしても、全く違和感がないと思われます。
特に、バーベキューコンロで炭火で焼いたりしたら、薫香がつくことで、より美味しく感じるようになるかもしれません。

この「The Beyond Burger」は、とある店舗では、1日に250個を売り上げることがある人気商品になりつつあるようです。
今後は販売店舗を拡大する予定にもなっているそう。

今はまだハンバーガー・パティの形しかないのが残念ですが、そのうち挽肉系の応用商品(ソーセージ、ミートボールなど)が出てくるかもしれないですね。

 
ここまでして「肉のようなもの」を食べるくらいなら食べなければいいのでは…。

という意見もあると思いますが、これらの「代替肉」商品は自分の意志でヴィーガンやベジタリアンを選択した人だけのものではない、とわたしは考えています。

例えば身体的な事情でやむなく肉類を食べられずにいる子どもに、他の子と同じようにハンバーガーを食べられる状況を作ってあげられる…というのは悪くない、とわたしは思うのです。

何より、植物性の玉子すらも商品化されている現在、好奇心的に「どこまでできるのだろう?」…。
という気持ちもあるので、「Beyond Meat」の今後を、見守るつもりです。