もうすぐ春とはいえ、小寒い季節に出番が増えるお料理と言えば、鍋もの…ですね!!

身体が芯から温まる…というだけではなく、材料を切って火を通すだけで食べられる…という手軽さは、やっぱり嬉しいものです。

昆布だしでシンプルに水炊きもいいし、寄せ鍋、味噌鍋などの定番から、キムチ鍋、トマト鍋、カレー鍋、豆乳鍋など、ちょっとした変化球が使えるのもいいところ。

その鍋ものの主役級の野菜というと、「白菜」

ただ、一玉を買っても鍋ものだけではなかなか使いきれず、残りは何となく冷蔵庫に眠ったまま…。

…なんてことも「あるある」です。

こんなときの「お助けメニュー」は色々とありますが、中でもかなり簡単なものをご紹介しましょう。

洋風にアレンジするから「鍋ものの残り」という雰囲気にはなりません。

厚底の、ぴったりと蓋が閉まる鍋だけで作れます。
ストウブやル・クルーゼなどの、鋳物の鍋があると上等です。

材料も、白菜だけではなく「アクが少なくて加熱に向いている野菜」なら、なんでも使えます。

白菜、長ネギ、大根、しいたけ…なんて「鍋のメンバー」が勢揃いしても、大丈夫です!(注1)

ほかには、人参、カリフラワー、ブロッコリー、キャベツ、芽キャベツ、もやし、小松菜、レタス、蕪、玉ねぎ、きのこ類…などなど。

さて、白菜はそのほとんど、95%は水分です。

栄養素としては、カリウム、カルシウム、ビタミンC、ビタミンKなどが含まれていて、血液生成の必須ミネラル「モリブデン」も含まれています。
食物繊維も合わせて、全体にバランスがよいと言えますね。

薬膳では「白菜・大根・豆腐」を合わせて「食養三宝」とも言います。中国の「長寿の薬膳」から来ているものだそう。

白菜のビタミンCは水溶性なので、今回のお料理で水気が出たら、そのスープもぜんぶいただくといい感じです。

ちょっと時間はかかりますが、ひと鍋で済みます。
他のメニューがあるときには最初にこの「オイル蒸し」を作りはじめて、加熱の間に取りかかるといいかもしれません。

では、いってみましょう!

材料はこちら。

材料<2人前>

  • 白菜・6〜7枚(外側、内側の葉なら1.5倍ほど)
  • ちりめんキャベツ・小1個(大なら1/4個くらい)
  • ブロッコリー・小ぶりのもの1個
  • にんにく・ひとかけ
  • オリーブオイル・大さじ3〜
  • ・小さじ1/2〜(やや多めのひとつまみを3回くらい)

道具

  • 蓋付きの鋳物鍋(または厚底鍋)(注2)
  • 大きめのボウル
  • 木べら
  • サラダスピナー

まず、葉ものは洗って水気をしっかり切ります
キッチンペーパーやサラダスピナーなどを使って、丁寧に。

にんにくは皮をむき、厚めの包丁の背でつぶします(注3)。
つぶしたら、縦方向にザクザク切っておきます。

ブロッコリーも洗って小房にわけます。
茎は7ミリくらいの輪切りにして、一緒にいただきましょう!

キャベツは少しだけ芯を残して4つ割りに。

野菜の準備ができたら、にんにくを真ん中に置いて、周囲にキャベツを入れていきます。

まずはここで塩を「親指+人差し指&中指」でやや多めにひとつまみして、パラパラかけます。
続いて、キャベツにかかるようにオリーブオイルを一回し

白菜は、葉っぱと茎の境目あたりでざっくりちぎります。葉っぱはそのまま、茎は適当な大きさに手で割って鍋に入れます。

入れ終わったら、もう一度、塩をパラパラ、オリーブオイルをくるっと一回し

そうしたら、手でオリーブオイルを野菜になじませてやります

オイルが足りないと感じたら、少しずつ足していき、全体にオイルがまわってツヤっとするまで、そっとなじませます。

ブロッコリーも手のひらで軽く握るようにして、花房のほうまでオイルをなじませてあげます

ブロッコリーの下ごしらえが終わったら、もう一度、塩をパラパラ

あとは鍋に蓋をして、コンロのごく弱火で加熱します。
水分の多い野菜をごく弱火で加熱するので、そうそう焦げる心配はありません。

最初は何も音がしませんが、そのうちに「シューーー」っと音がしてきます。

蓋から元気よく蒸気があがるようなら、火が強すぎるので弱めてください。
ゆらりと細い蒸気が上がるくらいなら、大丈夫。

10分くらいごとに蓋を取って、蒸し煮の状態を確認してみてください。
蓋についた水分は、ぜんぶ、鍋の中へ落としてやります。

葉ものが多いときは水分が多めに出るので、途中で蓋を取って、水分を蒸発させてもOKです。
水分が多いまま仕上げて、お汁をスープのようにいただくのもまたよしです。

この日はちりめんキャベツでしたのであまり水分は出ず、キャベツに焦げ目がついたところで、木べらで上下を返して加熱しました。

全体にオイルがまわって、野菜が柔らかくなったらできあがりです。

加熱具合はお好みですが、わたしは柔らかめの、ちょっとクタクタしたのが好きなので、30分かけました

できました!!
ちょっと焦げ目のついたキャベツが、なんとも香ばしい仕上がりです。

野菜に含まれている水分によっては、薄味になることがあります。
食べるときに塩が薄いようなら、塩を添えて召し上がってください(注4)。

胡椒やチリなども、お好みでどうぞ。

パンを添えたら立派な1食になりますし、オイルベースのパスタにからめても美味しくいただけます。

副菜としても役立ちますので、加熱している時間を使って他のものを作るのもよいでしょう。
鍋ものの残りだけでなく、いろんな野菜でお試しください。

白菜をメインにご紹介しましたが、季節を問わずに使える調理法なので、春になったら春キャベツを使って作るのもまたよしです!


注1
根菜を使うときは、薄めに切って鍋の底に入れるなどして、葉ものと加熱時間が同じくらいになるようにしてください。
きのこ類などの柔らかいものは、一番上にのせて加熱すると調節しやすいです。

注2
わたしは22センチのストウブを使いました。

注3
にんにくの芽が気になる方は、ここで取り除いてください。わたしは気にしないほうなので、そのままです。

注4
塩が濃いよりは、薄めに仕上げて食べるときに調整するほうがよいと思います。