No.12 意外なお味でちょっとビックリ?「紫キャベツのピリ辛コールスロー」
秋も深まり、野外のファーマーズ・マーケットには着込んだ買い物客が増えて来ました。
夏野菜も名残りとなり、毎週、どれかが姿を消して行きます。
ファームの方でも、今はもう畑を仕舞って次のシーズンに備える時期です。
そんななか、「走り(注1)」で出てくるのがキャベツです。
冬の霜にあたった冬キャベツは本当に甘くて美味しいですが、雪の深いニューイングランドでは、キャベツは本格的に寒くなる前に収穫して、冬には貯蔵していたものを売ります。
今はその、貯蔵される前の冬キャベツが走りで出回っています。
緑のキャベツ、そして深い色合いが美しい紫キャベツ。
緑のキャベツ同様、ビタミンC、抗潰瘍作用があるビタミンU、骨の形成に役立つビタミンKを含みますが、特にビタミンKは緑のものの1.5倍以上を含みます。
大根に含まれていることで有名な、消化を助けるジアスターゼは、キャベツの方が大根よりも多いのです。
そしてご存知のように、繊維質もたっぷり。
紫の色素は抗酸化作用のあるアントシアニン(ポリフェノールの一種)です(注2)。
今回は、この紫キャベツを使ってみます。
走りのものは、まだ葉の水分が多くて柔らかいため、そのまま食べても美味しいのです(注3)。
緑のキャベツよりも葉に厚みがあるので、少し薄め(細め)に切る方が口当たりよく食べられます。
千切りをそのまま食べてもサクサクとして美味しいですが、今日はぐっと量を食べられる、塩もみしてからのコールスローをご紹介します。
材料はこちら。
材料<4人前>
- 紫キャベツ・中玉1/4個
- 人参・1本
- 玉ねぎ・1/2個
- アップルサイダービネガー・大さじ1〜2
- オリーブオイル・大さじ1〜2
- 粒マスタード・小さじ2
- ハバネロ・オイル(またはチリ・オイル)・小さじ1
- 塩・小さじ2
- 胡椒・適量
道具
- スライサー
- 計量スプーン
- 大きめのボウル
では、まずキャベツを千切りにします。
包丁で切ってもいいですが、スライサーがあったらスライサーを使うと便利です。
キャベツは水に5分ほどつけながら洗います。
農薬が気になる方は、重曹水を使ってくださいね。
千切りはできるだけ細く、スライサーを使う場合は1mm程度の薄めにスライスします。
根気のいる作業ですけども、キャベツの水気をペーパータオルなどでよくとって滑らないようにしてから、手に気をつけて慎重にやってくださいね。
ガードをお持ちでしたら、ガードを使ってください。
さて、大きなボウルいっぱいのスライスができあがりました。
この量で400gありました。
人参も洗ってから千切りにします(注4)。
玉ねぎは皮をむき、繊維に沿って薄切りに。
人参も玉ねぎも、全部いっしょにボウルに入れます。
小さじ2の塩をまんべんなくまぶして野菜たちがよく混ざるようにしたら、そのまま10〜15分ほど放置します。
放置後は、ボウルの中身をキュッキュッともんで水分を出します。
水分が出たら、野菜を少しずつ両手で握って絞り、水分を出しきります(注5)。
ボウルに戻すと…こんなに少なくなってるのがわかります!
ここに味付けをして仕上げて行きます。
塩は既に入ってますので、粒マスタードを入れ、オリーブオイルをひとまわしからふたまわしほど(量的には大さじ1から2ほど、回数はお好みで)、胡椒をお好みで入れます。
更にアップルサイダービネガーを入れます。
酸味がお好きな方は大さじ2、お好きでない方は大さじ1くらいが目安です。
そして、仕上げに「ピリ辛」風味をプラスするため、ハバネロ・オイルを加えます。辛いのが苦手な方はまず少しだけ入れて、味見をしてから量を決めてください。
手で優しく全体をなじませたら、できあがりです。
ハバネロ・オイルがついた手は、すぐに洗ってくださいね!
このハバネロ・オイルは自家製です。
作り方は簡単なので、おまけレシピで載せておきますね。
ハバネロペッパー(適量)を種ごと輪切りにします(肌が敏感な方は手袋を着用してください!)。小さなフライパンか鍋にハバネロを入れ、ヒタヒタまでオリーブオイルを注ぎます。
弱火でじっくり火を通し、鍋を傾けた時にオイルがサラッとした感じになったら、そのまま火を止めて冷まします。
密閉できる瓶などに移し、常温の冷暗所で熟成して、1ヶ月くらいから使えます。
保存はそのまま、常温の冷暗所でOKです。
このチリオイルの作り方は、他のどんなチリペッパーにも応用ができます。
くれぐれも、ハバネロを触った手で顔などを触らないように!
包丁やまな板も、注意して洗ってくださいね!!
アップルサイダービネガーを加えたことで、紫キャベツの色合いが赤みがかった感じになります。
緑のレタスと一緒にしたら、食卓の彩りが楽しくなりますね。
お味のほうは、見た目の可愛さに反してハバネロ・オイルのおかげでピリッと辛いので、意外性があっていい感じ。
「何を使ったの?」って訊かれることが多いレシピです。
色合い的にはハロウィン・カラーなので、ハロウィン・パーティの一品としても活躍しそう。ピリ辛なのも、なんだかハロウィンっぽいですね。
紫キャベツで作りましたが、普通の緑のキャベツでも作れます。
その時はキャベツを少しだけ、厚め(太め)の千切りにしてくださいね。
野菜は出始めの頃を「走り」、旬まっただ中を「盛り」、終盤を「名残り」と呼びます。
注2
水溶性なので、煮ると煮汁が染まってしまいます。
この煮汁には、酸性のものを入れると赤く、アルカリ性のものを入れると緑になるという、リトマス試験紙のような機能があります。
注3
固くて生食に向いていない場合は、刻んでから浅漬風やザワー・クラウトなどに加工して食べると食べやすいです。
火を通すと色が抜けてしまうので、生食がおすすめです。
わたしはお酢やレモン汁で色が抜けるのを利用して、紫キャベツの千切りを薄切りにした生のカリフラワーと一緒にマリネしたりします。カリフラワーがピンクに染まって可愛いのです!
注4
わたしはピーラーの先にスライサーのように刃がついている道具を使いました。これがあると、根菜をささがき状に作るのが早いのです。
注5
この時、キャベツを食べてみてしょっぱいと感じたら、野菜をしばらく水にはなしてから、絞りなおしてください。
わたしの好みでは、この野菜の量に対して塩はちょうどよい下味に感じましたので、そのまま使いました。