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9月頭の「レイバーディ・ウィークエンド」が過ぎて、全米的に「秋」です。
NY周辺も朝晩の気温がグッと下がって、紅葉が始まっているところも出てきました。

夏真っ盛りでカラフルだったファーマーズ・マーケットのお野菜も、夏野菜と秋野菜の交代のタイミング
トマトとかぼちゃが同じお店に並ぶ、入れ替わりの時期になりました。

この時期、かぼちゃ類とともに「秋を告げる野菜」として出てくるのが、いも類です。

夏じゃがいもも、すっかり大きくなって並んでいます。
そして、秋のいも類というと思い出すのはやっぱり、さつまいも…ですね!

焼き芋、芋きんぴら、スィートポテトなどのお菓子、大学芋、お出汁で炊いたおばんざい風…。
秋から冬にかけて色々な楽しみ方ができる、優秀な野菜のひとつです。

さつまいもの主成分はデンプンですが、カロリーそのものは白米のごはんよりも低めです。

食物繊維は100gあたりに対してはそれほど多くはありませんが、結果的に食べる量が他の野菜よりも多めになるので、効率よく摂取することができます

また、さつまいもを切った時に出てくる「白い液」=ヤラピンという成分は腸のぜん動運動を促しますので、食物繊維との相乗効果でお腹のお掃除に役立ちます

ビタミンC、ビタミンE、そしてカリウム、銅、マグネシウムなどのミネラルもいっぱい(注1)。

特に、ビタミンCはじゃがいも同様、デンプンに包まれているため、加熱しても壊れにくいという特徴があります。
ビタミンEは体内の酸化を防止する「若さのビタミン」として有名ですね。

最近は和野菜の流行もあり、金時芋が普通に「Japanese Yam」として売られるようになりました。

油や甘味料と一緒に調理するお菓子では、どうしてもカロリーが気になってしまいますが、今回はこの金時芋を、インド風のドライカレーにしてみます。

和風も洋風もいいけれど、たまにはスパイシーなさつまいもはいかがでしょう。

身体をあたためるスパイス類(注2)、そして一緒に調理するしょうがが、季節の変わり目の冷えやすい身体をサポートしてくれます。

この芋ひとつでおよそ200gくらいです。

隣にある緑の葉っぱは、カレーリーフ(カリパタ)と呼ばれる、インドのハーブです。使わなくてもOKですが、もし手に入るようならぜひ、使ってみてください(注3)。

使用するスパイス類は、普通のスーパーで手に入れやすいものばかりです。マスタードシードは、クミンシードでも代用可能です。

唐辛子を使いますが、辛いのが苦手な方は使わなくてもOKです。

辛さ対策としては、チリパウダーも加減してみてください。
しかしながら、あまり減らすとカレーらしさがなくなってしまうので、半分程度を目安に。

材料

  • さつまいも・200g程度(中1個)
  • カレーリーフ・ひと枝(枝から外して葉だけにする、なければ使わなくてもOK)
  • 植物油・大さじ1
  • しょうが・ひとかけ(千切り)
  • 青または赤唐辛子・1本(縦に切れ目を入れて種を取りのぞく(注4))
  • ・100cc
  • マスタードシード(またはクミンシード)・小さじ1/2
  • パウダースパイス<コリアンダーパウダー・小さじ1/4、チリパウダー・小さじ1/4、ターメリックパウダー・小さじ1/8>
  • (ミネラルを含む、海塩などの美味しい塩)・小さじ1/4

道具

  • 厚手の鍋
  • 木べら(または竹べら)
  • 計量スプーン
  • 計量カップ
  • 包丁
  • まな板
  • 小皿(計量したスパイスを保管します)
  • ボウル

さつまいもは皮付きのまま、一口大に切ります。

切ったさつまいもはしばらく、水に放しておきます。

スパイスは計量し(パウダースパイスは一緒にしておいてかまいません)、しょうが・唐辛子・カレーリーフはそれぞれ下ごしらえをします(わたしは辛いのが好きなので、唐辛子を2本入れています)。

さつまいもはざるに上げ、水を切っておきます。

ここまでできたら、厚手の鍋に油とマスタードシード(またはクミンシード)を入れ、弱火にかけます。

マスタードシード(またはクミンシード)のまわりに泡ができたら、カレーリーフを入れます(注5)。

カレーリーフがしんなりしたら、しょうがと唐辛子を入れ、軽くまぜます。

さらに、水気を切ったさつまいもを入れ、水も入れます。

へらでざっくりと全体を混ぜあわせたら、蓋をして5〜10分程度、さつまいもが柔らかくなるまで弱火で火を通します(注6)。
煮過ぎには注意して下さい。

柔らかくなったさつまいもに、計量しておいたパウダースパイスを入れます。

さらに、塩も入れます。

全体をもう一度混ぜ合わせ、中火にして5〜10分、加熱します。

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このように水気がなくなり、スパイスが全体に絡んだら、できあがりです。

はい、できました。

さつまいもの甘さとスパイスの風味&辛味がマッチして、いつものさつまいも料理とはちょっと変わった食べ方ができます。
千切りしょうががぴりっと効くのも、アクセントになっていい感じです。

パンに添えてもいいですし、そのままおかずとして食べても。
カレーリーフも、そのまま食べられますよ。独特の香味があって、いいアクセントになります。

わたしはこの日、こんな風に「おかず」として一皿の中に盛り込みました(下部中央がさつまいものドライカレーです)。

おかずとして食べる他、別のカレーとチャパティやライスを添えて、ターリー(インドの定食)風に楽しむのも面白いですね。

実は、アーユルヴェーダをはじめとして、インド料理は野菜ごはんの宝庫なんです。カレーだけじゃなく、炒めものやスープなど、おかずの一品として食べられるものもたくさんあります。

それらは、またの機会にご紹介しましょう。


注1
さつまいもは寒い場所が嫌いです。
冷蔵庫には入れず、一本ずつ紙袋や新聞紙で包んで、室内の冷暗所に保存して下さい。

注2
スパイス類は一時的に身体を温めて発汗を促しますが、「陰陽」の分類では「陰」、つまり体を冷やす素材とされます。
インドやアフリカなどの暑い国で発汗によって熱を発散し、体を冷やすもの…と考えるとわかりやすいです。

とはいえ、大事なのはバランス
一度にたくさん取り過ぎたりしなければ大丈夫です。

注3
南インドの料理を作るには欠かせない、ごまのような香りのある葉です。
インド系のスーパーマーケットや、ハーブの専門店などで入手可能です。ドライのものを売っていることもあります。

注4
唐辛子の中身には辛味成分がたっぷりですので、種を取りのぞく時は慎重に。箸の先などを使うと便利です。
事後はよく手を洗って、しばらくは顔や粘膜などを触らないようにしてください。

注5
カレーリーフを入れると、油はねしますのでご注意を!
もしカレーリーフを使わない場合は、この工程は無視してください。

注6
さつまいもの水分や切り方、火力によって時間が変わるので、5分程度したら蓋をとってチェックし、柔らかくなり過ぎないように火を通して下さい。

目安は、さつまいもの表面が粉っぽくなくなり、やや透明感が出た感じです。

菜箸などで刺して、煮上がりを確認するのもいいですね。
今回の場合は、少しかための状態で次のステップに行ってください。

今回のレシピは、マバニマサコさんの「ベジ豆カレー」を参考にしました。
ご興味のある方はぜひ、読んでみてください。カレー以外のお料理もたくさん載ってます。

夏真っ盛り、ファーマーズ・マーケットにもたくさんのお野菜が並んでますね。
旬の栄養があるだけではなく、目にもうるわしい色とりどりのお野菜を楽しむのは、心にも身体にも元気をくれます

この時期のお野菜は、栄養たっぷりで香りもしっかり
シンプルに調理するだけで美味しくいただけます。

とはいえ、たくさんのお野菜を楽しむと、使い切りに苦心することはないですか?

あれやこれやと買い込んだものの、少しずつ余ってしまったお野菜を、最後まで楽しむにはどうしたらいいか…。

刻んでスープ、パスタ、炒飯に入れたり、ざっくり炒めて五目炒めにしたり…色んな方法がありますけども、今回ご紹介するのは、身体、特に腸が喜ぶ「ごはん」です。

腸が喜ぶ…というと、その代表格は「善玉菌」とも呼ばれる「乳酸菌」ですね。

この乳酸菌は、大きく分けると「動物性」と「植物性」があります。

「動物性」は、動物性の母体(乳など)で発酵を行うもので、チーズやヨーグルトに含まれています。ヨーグルトを健康のために毎日食べる…と言う方も少なくないでしょう。

でもこの乳酸菌、健康な方の場合は99%が胃酸で死んでしまいます
これは人間の免疫機能によるもので、外部から入ってきた菌を攻撃することによって起きるものです。

しかしながら、菌の「死体」は、腸に運ばれ、腸に存在する善玉菌の栄養になりますので、決して無駄ではありません。

対して「植物性」の乳酸菌は、植物(野菜など)を母体にして発酵を行うもので、漬物、味噌、日本酒などに存在します。
この「植物性」乳酸菌は、「動物性」に比べて強く、胃酸にも負けずそのまま腸まで届きます

また、高濃度の塩分にも強いため、漬物や味噌などの環境下でも問題なく発酵できるのです。

そんなピッチピチの乳酸菌をたっぷりととれる野菜ごはんを作ってみましょう。材料はわざわざ買ってこなくとも、家にある「使いさしの野菜」で充分なんです!

半端に残った野菜もこれで使いきれる上、身体にもよい一石二鳥の野菜ごはん、それが「発酵野菜」です。

要は「漬物」なので、白菜漬け、ぬか漬け、ザワークラウトなど、お仲間はたくさん存在しますが、今日は使いさしの野菜で作る「瓶漬け」をご紹介します。

この瓶漬けは、浅漬や無発酵ピクルスのような「漬け汁」を使って作る簡易の漬物ではなく(注1)、野菜自身の水分で発酵させる、ホンモノの「漬物」です。

今回のお料理で使うのは、何はさておき、保存瓶です。

できれば、ゴムパッキンのついたもので、しっかりと密封できる広口のものが好ましいです(注2)。大きさは適当で構いませんが、後で冷蔵庫に入れますので、冷蔵庫に入る程度の大きさにして下さい。

わたしが使ったものは、高さ16センチ、瓶底直径9センチのものです(IKEA製)。

材料はこちら。
冷蔵庫で保存してあった、使いさしの野菜たちです。

野菜はかたいもの(汁気の多くないもの)で、生食できるものなら何でもOKです。

汁気の多いもの、つまり、トマトなどは向いていません。
また、いも類や堅すぎる野菜(ごぼうなど)も向いていません。「スライスしただけでサラダで食べられる野菜」という判断基準でいいかと思います。

果物は、りんごやなしなど、汁気のないかためのものなら使えます。

今回用意したのは、きゅうり、大根、ズッキーニ、人参、玉葱、ハラペーニョ、にんにく、ピーマン。およそ300gくらいです(注3)。

材料

  • 使いさしの野菜や果物
    <きゅうり、大根、ズッキーニ、人参、玉葱、ハラペーニョ、にんにく、ピーマン、ビーツ、蕪、セロリ、りんご…など>
  • (ミネラルを含む、海塩などの美味しい塩)・野菜の全体量の5%

道具

  • 広口瓶
  • 電卓
  • 計り
  • 大きめのボウル
  • 包丁
  • まな板
  • スライサー
  • ラップ

広口瓶はきれいに洗い、しっかりと乾かしておきます。
厳密な消毒は必要ありません(注4)。

まずは、野菜をよく洗い(注5)、好みの厚さにスライスします。
スライサーを使ってもいいですし(ガードを使うなどして、怪我に注意してください!)、包丁で切ってもいいです。

少し歯ごたえを残したいものは、やや厚めに切るといいでしょう。

切った野菜は、計量します。
重量の5%の塩分を加えるため、この計量は必須です。

普段は計りを使わない方も、今回は必ず、きちんと計量してください

野菜を大きめのボウルに移し、野菜の重量の5%の塩を計算し、野菜全体にふりかけます

塩が野菜全体に回るよう、手でまぜていきます。

全体に塩が回ったら、そのまま30〜40分、放置します

30分後、ボウルを傾けるとこのように、野菜から水が出ています。
この水が「漬け汁」になるので、決して捨てないで下さい

もっと水が出るよう、野菜をもみます
野菜を壊さないよう、でもしっかりと水を出してもらえるよう、キュッキュッ、ともみます。

もんだあとの野菜はこんな感じ。
しっかりと水が出てますね。

この野菜を、広口瓶に手で詰めていきます。
できるだけすき間がないよう、こぶしを使ってギュッと詰めます

最後に、野菜から出た水分を注ぎ、野菜の上まで水が来ているのを確認します。

この時点で、野菜からの水が少なく、野菜の上まで水が来ていないようなら、「5%水溶液(水の量=重量に対して5%の塩を溶かしたもの)」を作り、野菜の上まで水が来るようにしてください

そのままの状態で野菜の上にラップをかぶせ、野菜たち全部が水にひたるようにします(わたしが後でキャベツを追加したので量が増えております…ごめんなさい!)。

そして、瓶のふたを「かぶせるだけで開けたまま(決してふたをしないでください!)」、風通しの良い常温の場所に放置します。
暑すぎる場所、直射日光の当たる場所などは腐敗の原因になりますので、ご注意下さい。

瓶のふたを開けたままにするのは、空気中に自然に存在する菌たちの力を借りるためです。
常温での工程が終わって冷蔵庫での熟成に入ったら、蓋をして保存します。

夏なら3日ほど、冬なら5日ほどで、発酵してきます。

毎日、瓶の中の匂いをかいで、無事に発酵していることを確かめてあげてください。

漬物などでかぐことのできる、ちょっと酸っぱいにおいでしたら問題ありません。

もし、不愉快な匂い(腐敗臭、硫黄臭など)がしたら、その瓶は残念ながら失敗です。コンポストに利用するか、ゴミとしてお別れするなどしましょう(注6)。

こちらは、今回以前にわたしが作った「発酵野菜」です。
ピンクの色は、ビーツから出ています。

実は、ビーツの色は酸によって抽出されるものなので、乳酸菌発酵が上手く行っていると、このように色素が抽出され、全体が赤くなります。

上手く行っているかどうかの目安になるので、初心者のかたは使ってみるのも便利です。ビーツ独特の風味は、思ったほど、味には影響しません。

また、緑の野菜も同様で、乳酸菌発酵が上手く行くと、緑からモスグリーンに変わってきます。ぬか漬けが古漬けになると、そうなりますよね。発酵具合を確かめるのに、これも使えます。

さて、3日後です。

「泡」が出ているのがおわかりいただけますでしょうか?
これ、乳酸菌発酵によるものなのです。

また、きゅうりの緑色がモスグリーンになっていますね。前述のとおり、これは乳酸菌が活発に活動して、発酵が順調に進んでいる証拠です。

こうなったら、常温での過程は終了です。

季節や湿度により、発酵の進み具合は異なりますので、毎日観察して、判断してあげてください
この「泡」が出る段階になると、においはだいぶ漬物っぽくなっていて、酸味をしっかりと感じられます

この後は、瓶のふたをしっかり閉じて、冷蔵庫での熟成期間に入ります(注7)。5日〜一週間後から食べられます

保存は1ヶ月ほどを目安に(注8)。
酸っぱすぎる、匂いが変わった、食感が変わった、などの異変があったら、その時点で食べるのをやめてください

5%塩分の漬物なので、それなりにしょっぱい漬物です。

そのまま食べて問題ありませんが、しょっぱいと感じたら、他の野菜の薄切りにまぜたり、豆腐に載せたり、炒飯の具材にしたりと、塩分を分散して食べてみてください。

スープなどに漬け汁ごと使っても美味しいですが、この場合、残念ながら煮立てることで乳酸菌は死んでしまいます。

この日のメニューにある、鮮やかなピンクのものが、わたしが以前に作った発酵野菜です(上記でご紹介したものです)。

こんな感じでちょっと添えるだけでも、乳酸菌をしっかりとることができるので、非常に便利です。

毎日の食卓に小鉢にちょっと取って添える、そんな食べ方ができる「常備菜」です。もちろん、やり方によってはメニューの中心にもなります(注9)。

この5%の塩分で漬ける、ということに慣れると、ヨーロッパ式の本格ピクルスや、ザワークラウトも作れるようになります。
いずれ、ご紹介しますね!


注1
浅漬や、漬け汁(ピックル液)を使うピクルスは「無発酵」のため、摂取できるほどは乳酸菌がいません(実は、乳酸菌自体がそんじょそこらにいますので、絶対にいない、とはいえないのですが…たくさんはいませんw)。

注2
手で野菜を詰める作業があるので、手がすっぽり入る広口瓶が向いています。

注3
実は、最後に物足りなくてキャベツを加えてしまいましたので、できあがりの写真は600g弱の野菜で作ったものになっています。ごめんなさい!

注4
空中に漂っている菌たちの力を借りるので、消毒に神経質になる必要はありません(煮沸消毒までは不要と思います)。手洗いも同様です。ぬか床と同じで、手についている菌が美味しくしてくれるのです。

注5
オーガニックでない場合は、重曹を使うなどして農薬をしっかり取りましょう。

参考>【今すぐやりたい!】重曹で野菜・果物の農薬除去がカンタンに♪

注6
わたしはいつも適当に発酵させていますが、失敗したことはありません。発酵具合の目安になる野菜を材料に加えるなどして、気軽にやってみてください。

注7
最初から冷蔵庫で進めることもできると思いますが、低温発酵になるため、かなり時間はかかります(2週間以上かかるのではないかと思います)。
そのまま忘れてしまった…ということにもなりかねないので、最初の数日は、常温で発酵させるのをおすすめします。

注8
わたしは半年ほど経過したものを食べていますが、それでも問題はありません。

注9
例えば、ごはんにまぜて、まぜ寿司やまぜごはんにしたりなどはいかがでしょう。薬味をたっぷり載せれば、かなり豪華になります。冷たい麺類の薬味にたっぷり使っても美味しそうです。

※2018年5月、使用する瓶の消毒について、補足しました

季節は夏、ファーマーズ・マーケットにも夏野菜が揃ってきて、お買い物も料理も楽しい時期です。

この季節の野菜は見た目が美しいだけじゃなく栄養もたっぷり、お値段も手頃で非常にありがたい存在です。購入したフレッシュなお野菜は、とにもかくにもすぐに調理して、お味を楽しむ、または封じ込めるのが大事!

でも、手間はそんなにかけなくても大丈夫。
ちょっと焼いたり煮たりするだけで、時にはそのまま、塩や簡単なドレッシングで食べるだけでも充分です!

今回は「すぐに使える封じ込め技」と、スーパーなどでも見かけるけど、今ひとつ「どうしていいかわからない」野菜のひとつ…「フェンネル」をご紹介しましょう。
甘くさわやか、かつ個性的な香りの野菜(注1)です。

フェンネル=ウイキョウ(茴香)は、地中海沿岸が原産の野菜ですが、日本には平安時代から入って栽培されているものです。薬用、食用、観賞用とあります。

主には種をスパイスや薬として利用しますが、「フローレス・フェンネル」と呼ばれる種類は、株の部分を食べる「野菜」として、アメリカでもよく栽培されています。

「フェンネル(Fennel)」の他「アニス(Anise)」と呼ばれることがあり、フランスでは「フヌイユ(Fenouil)」、イタリアでは「フィノッキオ(Finocchio)」と呼ばれます。

夏の終わりや冬のはじめに、玉葱のようにまんまるになった株がよく売られていますが、これをスライスしてサラダに、ローストして、パスタの具として、またはスープに入れたりと、個性的な香りを楽しみます。

今回、買い求めたのはまだちょっと若い感じの、細い株です。

今年は冬が長かったため、春から夏になる時期にトライステート周辺の野菜の生育が約1ヶ月ほど遅れていたのですが…そのせいもあるのか、この時期にはプックプクの株も、今年はまだちょっとスリムです。

この、株の上の方についている「茎&葉」は、もちろん食べられます(注2)。

今回はこのフェンネルをシンプルにローストしてみます。
野菜のお味の「封じ込め技」というわけです。

今回のお料理に使うのは、このハーブ二種類。
タイムとオレガノです。

材料

(アペタイザーサイズ2人前)

  • フェンネル(ひと株)
    <オプションとして、パプリカ半個、ズッキーニ小1個など>
  • ハーブ(片手にのる程度・1杯(注3))
  • ・小さじ1/4
  • オリーブオイル・大さじ3
  • 胡椒・少々
  • パーチメントペーパー・適量

まずはオーブンを190℃(380F)に予熱します。

フェンネルは茎の部分を切り離し、外側のかたい部分を剥いて外します(注4)。

綺麗にした株は四つ割りに。
まだ若い株なので縦長ですが、最盛期になると玉葱のように丸い株になって、形状がかなり変わります(注5)。

ハーブは茎から丁寧に葉っぱを外してやります。
茎は野菜ブロスの材料になりますよ(注6)。

みじん切りにして、少し大きめのボウルに移します。

塩、胡椒、オリーブオイルを入れます。

そこに、四つ割りにしたフェンネルをペーパータオルで丁寧に水気をとってから入れ、手でハーブ&オイルをなじませていきます。

株の根本にもオイルが入るように丁寧に、全体をよくなでつけます。

前回同様、今回も「手」は大活躍!
丁寧な仕事ができるので、ぜひ手を使ってやってみてくださいね。

天パンにパーチメントペーパー(オーブンシート)を敷き、その上にハーブ・オイルをまとった野菜をのせていきます。

このハーブ・オイルの残りは、他の野菜にも使えます。
どうせオーブンを使うなら、使い回しのきく野菜も一緒に調理しちゃいましょう!

夏場にオーブンを使うのはちょっと暑苦しいですけども、野菜を一度に調理してから保存しておけば、冷たい状態でも食べられるので、時間がある時にまとめてやると便利です。

冷蔵庫で保存すれば2〜3日はもちますし、冷たくても美味しく食べられます。イタリアンな前菜としても、冷たいパスタにのせたり、付け合せとしてメインに添えたり…アレンジは自由自在

今回は、細めのスィートペッパーの4つ割、エアルームきゅうりの四割(半個分)を追加しました。
素材がバラバラの時は、厚みや大きさを揃えるように準備すると、焼きムラができません。

つまり、かたいものは小さく、または薄めに、柔らかいものは大きく、または厚めに…という具合です。

が、フェンネルは基本的にかたい野菜ですので、お供の野菜が柔らかい時(ピーマンなどの、果肉が薄い野菜の場合)は、先にフェンネルを10〜15分くらい焼いてから、残りを一緒にしてください。

わたしはフェンネルのかたい歯ごたえも好きなので、全部を同じ時間で焼きました。

フェンネルだけなら、180℃(370F)25〜30分でOKです。
まずは25分焼き、できあがりを確かめてから追って焼くと失敗が少ないです(注7)。

目安は、素材の先っぽが少しこげたり、焼き色がついた感じです。
この焼き時間で、ほとんどの野菜には火が通りますので、後はお好みで調整してみてください。

さて、できました。

ハーブみじん切り+オリーブオイルをまとわせて焼いただけなのに、何だかすごく仕事をした感じに見えるのも、この野菜ローストのいいところ。

おもてなしにつかうなら、前日に準備しても大丈夫です。
シンプルな風味のローストなので、使い道は色々です。

このハーブみじん切り+オリーブオイルをまとわせて焼く…というのは、全シーズン使える調理法でもあります。

野菜が半端に余った時など、この方法でまとめてローストしておけば、半端野菜も「具だくさんの野菜ロースト」に変身!!
おろしたチーズをささっとかけたりしたら、立派な一皿です。

和風の素材、れんこんやごぼうも、薄切りにして使うと合いますよ。
根菜類などのかたい素材の場合、軽く(2〜3分)下茹でしてからローストするという手もあります。

ただし、水が出る素材(トマトなど)と水が出にくい素材(いんげん、キャベツ、根菜類など)を同じトレーでローストするかどうかはお好みで(注8)!

夏のディナーもこれで充実!
ワインにもビールにも合いますよ。


注1
種であるスパイスも同じ系統の香りで、青臭いながら甘い、独特の香りです。カレー、野菜のロースト、時にはデザートにも合わせたりします。

注2
ただし、茎はかなりかたいことが多いです。
食べられそうな柔らかさなら、スライスしてサラダに混ぜたり、スープに入れて煮たりして食べます。

葉っぱはこんなふうに茎から摘んでおけば、飾りやサラダに混ぜたりして使えます。

注3
今回はタイムとオレガノを使っていますが(目安として、それぞれを二枝くらい)、バジルでもマジョラムでもミントでも、お好きなものを使って下さい。

ハーブなんか全然ない、という時でも、パセリがあれば十分です!

注4
この外側の部分の綺麗なところは、薄くスライスしてサラダにしたり、少し時間をかけて煮込んだりすると充分に食べられます(トマトソースで味付けしたり、スープの具にしたり、色々できます)。

一番外側の、ちょっと汚れた部分も、洗ってから煮込み料理を作る時の下ごしらえとして入れると、香り付け&臭み消しにもなります。

注5
プックプクの株はこんな感じです。
今回のがまだ成長途中のスリムな株だということを、おわかりいただけます。

photo credit: aurélien. via photopin cc

注6
以前にも書きましたが、オーガニックでない場合は、よーく洗ってから使ってくださいね。

注7
焼き加減は、鉄串や竹串を、かたい根本などに刺して確かめます。
スッと入れば柔らかくなってますが、少し抵抗がある時はまだかためなので、少し焼き時間を延長してください。

注8
水が出やすい野菜と出にくい野菜を一緒にローストすると、トレーの野菜が水気の多い野菜の汁にひたってしまうのですね…。
それはそれで美味しいのですけど、汁にひたった野菜はいまいち…という場合は、一緒にしないほうがいいです。

ぷちぷちコラム「フェンネルのサラダ」

茎や外側のかたい部分、もしくは今回ローストした株の部分は、サラダにも出来ます。

スライスした後は(スライサーを使うと便利です)、氷水につけてパリっとさせると美味しいです。
しばらくつけた後、手でさわってパリっとしたら、サラダスピナーなどでよく水をってドレッシングと和えます。

摘み取った葉っぱも、一緒にしてみてください。

オリーブオイル+白バルサミコ+塩胡椒で和えただけでも美味しく食べられます。肉や魚の付け合せにもぴったり。

他にも、オリーブオイル+レモン+塩胡椒のベーシックなお味もよし、このフェンネルの香りによく合う柑橘類(オレンジ、グレープフルーツなど)を具にして足してもまた別の美味しさです。

ラディッシュの薄切りなんかも、よく合いますよ。
彩りも綺麗で可愛い感じになります。

さて、あなたが普段、一番良く使う調理器具って、なんですか?
包丁? 菜箸? ヘラ??  おたま???

わたしの場合、一番良く使う調理器具は「手」です。

サラダを作るとき、和え物を作るとき、いつでも手で混ぜ込みます。
その手が感じる「感触」で、でき具合を判断するのです。

手、特に日本人の手ってものすごく繊細にできてます。
ちょっとした調味料の混ざり具合や温度、素材の硬さなどが全て把握できるのです。

いわば「最高の調理器具」

ソースと素材を和える調理のとき、ヘラやお箸で混ぜてませんか?
それはすごくもったいないです。

熱いものを混ぜるときには仕方がないですけども(火傷しちゃいますからねw)、常温以下のものを調理する時には、ぜひ、手を使ってみてください
汚れたら洗えばいいだけで、普通の調理器具と変わりません。

でも、その「最高の調理器具」が感じる情報は、ものすごく多いのです。

今日はその、「手」を使う野菜ごはんを紹介します。


青汁の原料でもあり、ちょっと健康を考える人ならば食べておきたい素材、ケール

アブラナ科の野菜で、温暖な気候であれば季節を問わず栽培がたやすく、オールシーズン、買うことができます。

日本ではなかなか入手が難しいようですが、アメリカではそれこそ、スーパーでも扱うくらいのレギュラー商品です。

ビタミンAは人参の2倍、カルシウムも豊富、各種ミネラル、葉緑素、ギャバ、食物繊維、葉酸、タンパク質もたっぷり。抗酸化物質のルテインも含まれるという、「健康野菜」の代名詞のような存在です。

とはいえ、あのゴワゴワした葉っぱを食べるには、ちょっと勇気がいるのも事実。

お店で食べるサラダにも入っていたりしますが、苦味のある野菜でもあるので、刻んだものがそのまま入っているだけでは、正直、美味しいとは感じにくいですね。

そのケールを、食べやすいサラダで食べる方法をご紹介しましょう。
今日のお料理は「ケールのマッサージ・サラダ」です!

かつてのわたしもケールをサラダで食べることはあまりしませんでしたが、友人が作ってくれたこの「マッサージ・サラダ」はとても美味しくて、ケールサラダのイメージをひっくり返してくれました。

そして、レシピを教えてもらったところ、その簡単さにビックリ!
それ以後、自宅で何回も作り、色んなバリエーションで楽しんでいます。

主役のケールも、色んな種類がありますね。

普通に見かけるものだけでも、緑の葉っぱがチリチリしている「グリーンケール」、チリチリの葉っぱの縁が赤くなっている「レッドケール」、ゴツゴツした葉っぱの「ラシナート・ケール(ダイナソー・ケール、とも言います)」、広がった葉っぱの「ロシアン・ケール」…。

色んなケールがありますが、葉っぱを食べるものですので、ぜひ、オーガニックのものを選んでください。

今回使うのは、この「ロシアン・ケール」です。
葉が柔らかめで、食べなれない人にでもとっつきやすいケールです。

材料

(アペタイザーサイズのサラダ2人前、フルサイズのサラダ1人前)

  • ロシアンケール(半束ほど、ちぎった葉っぱを両手いっぱいに2杯)
  • 赤玉葱・小1/2個
  • ブロッコリの小房・3個
  • スィートペッパー・1個
  • クレソン・3〜4本
  • エクストラバージン・オリーブオイル・大さじ1
  • 醤油・大さじ1
  • レモン汁・大さじ1
  • 胡椒・適宜

今回、一緒にサラダになってもらうのはこの野菜たち。
「お供」はこうでなくてはならないというルールはありません。サラダで食べる野菜なら、お好みのものを何でも使ってください。

まずはケールを洗います。
金気を嫌うので、茎から手でむしって、食べやすい大きさにちぎります。

このくらいの大きさが食べやすいです。

茎の部分は、柔らかいものなら炒めて食べられますし、多少かたくてもスムージーやジュースの材料にしたりできます
わたしはいつも、野菜出汁の材料にして、お出汁をいただいてます。

ちぎって洗ったケールは、しばらく水に放します
多少しなびてしまったケールも、こうやって水に放すことで、元のようにパリっとします(注1)。

ケールを浸水している間に、材料の野菜を切ります。
お好きなサイズ、お好きな薄さにしてください。スライサーを使っても構いません。

切れた野菜たちです。
クレソンはペーパータオルに載せて水気を切ります。他の野菜はボウルにひとまとめにしておきます。

レモンを絞ります。

浸水してパリっとしたケールは、サラダスピナーで水気をしっかり切ります

さて、ドレッシングの準備です。

3つの素材「油・塩気・酸味」を全部同量、大きめのボウルに入れます。
胡椒も好きな感じで足します。

そこにまず、ケールを入れて、手でケールを「マッサージ」します。
つまり、揉みながらドレッシングとなじませます

柔らかいケールなら軽めに、かたいケールならキュッキュッと力を入れて。

この感覚は、「手」でないとつかめません。
「最高の調理器具」たる理由は、これなのです!!

全体の混ざり具合や、葉っぱとドレッシングの馴染み具合を手で感じてみてください。

こんな感じでまとまったら、OKです。

更に、他の野菜も入れて全体を和えます。
この時はもう「揉む」必要はないので、上下をよく返して、全体をなじませてください

はい、これが出来上がりです。

最後にヘンプシードを足して、仕上げました。

実際のプレートにはこんな感じで、レタスの上に載せてみました。
醤油とケールのほろ苦さがマッチして、パクパクいけますよ。

このドレッシングのポイントは「油・塩気・酸味」を揃えることです。
今回の組み合わせ以外にも、こんなのができます(注2)。

  • オリーブオイル・塩・マスタード
  • ヘンプオイル・醤油・バルサミコ
  • ごま油・醤油・黒酢
  • オリーブオイル・塩・アップルサイダービネガー
  • タヒニ(白ゴマペースト)・塩・レモン

大事なことは、「塩」を使う時だけは、油&酸味の量の1/4以下にすることです。人差し指・中指・親指で塩を摘んで、ふたつまみくらいにしてください。

油と同じ量の塩を入れたら、しょっぱくて食べられませんから、どうか注意してくださいね!

ケール以外の野菜は何でもいいですので、お好きなものを入れてください。

ボリュームが欲しい時は、野菜だけじゃなく、ツナ缶、茹でたチキン、ゆで玉子、小さく切ったチーズなんかを入れたりしても、美味しく食べられます。

ナッツやドライフルーツをトッピングしたりもナイス!
レモンの皮をおろして入れたり、唐辛子を混ぜてみたりしてもいいですね。

これからの季節なら、プチトマトやざく切りのトマトを、ケールといっしょに「揉んで」、旨味をしっかり出して食べるのも美味しいです。

醤油を使った時は和食にも合ったりしますし、ヴァリエーションは発想次第で色々。
サラダにタンパク系の素材を足してボリュームアップするもよし、お好きなパンやシンプルなパスタをお供にして食べるもよしです。

この夏、さっぱりブランチやランチに、ぜひ試してみてくださいね!

注1
要は水分が失われてしなびているだけなので、水を補給すれば戻る…というわけです。

注2
実は個人的なオススメは、オリーブオイル+醤油+ベリーのジャム&ビネガー少々、なのです。
ベリーのジャムの甘さと醤油が意外なほどマッチして、ひと味違った雰囲気になります。

オススメのジャムは、「リンゴンベリー(Lingonberry)・ジャム」。
北欧でしか食べないベリーのジャムですが、WholeFoodsなどでは入手可能です。

今回は初回ということで、「日本では見かけない野菜」を使ってみました。

この野菜、「セルリアック(Celeriac、セロリアックとも)」と言います。

日本語では「根セロリ」
セロリの一種ですが、普通のセロリと違って地上に生える茎と葉ではなく、大きくなる根っこの部分を食べます(注1)。

売っている時には、こんな風に葉っぱ部分が落としてあることが多いです。

ふたつに切るとこんな感じ。
繊維が多そうな感じですが、中の部分は意外と柔らかいです。

お味は、セロリと芋を足しっぱなしにした感じ
セロリの一種ということで、セロリに似た苦味はありますが、ニガウリのように強いものではありません。

今回は、このセルリアックを使った「レモン塩きんぴら」を作ってみました。

材料

  • セルリアック(グレープフルーツくらいの大きさのもの)・半個(千切りにして400g程度)
  • レモン(皮を使用するのでオーガニックのもの)・1個
  • オリーブオイル・大さじ1/2〜1
  • 自然塩・2つまみ+小さじ1/4
  • 黒胡椒・小さじ1/4〜1/2

皮の下が硬いので、皮は厚くむきます
くれぐれも、刃物には気をつけて。

3〜4ミリ幅の薄切りにし、千切りを作っていきます。

が、一本ずつの細さはあまりそろってなくていいです。
個人的に、こういうお料理は「厚みの差が歯ごたえの楽しさに通じる」と思うからです。ばらばらで全然、大丈夫!

セルリアックの苦味が好きじゃないという方は、水を張ったボウルにお酢を茶さじ1杯ほど入れたものに千切りを放して、しばらく(数分間)さらすといいです。
さらした後は、よく水を切ります。

わたしは気にならないのでそのままですが、酢水にさらさない場合は、切り終わったらすぐに加熱しないとアクが出ますのでご注意。

そして、今回は「レモン塩」ですが、レモンの風味は皮のすりおろしでつけます。

この真ん中の器具「マイクロプレイン(Micro Plane)」という、目の細かいすりおろし器を使いました。

レモンの皮を削って使うのは、黄色いところだけです。白いところは苦いので、削り過ぎないようにしてください。

さて、フライパンを温め、フライパンの準備ができたら、オリーブオイルを適宜(大さじ1/2〜1、お使いのフライパンのコンデイションやお好みに合わせてください)温めます。

そこに千切りにしたセルリアックを入れて、軽く炒めます。

火加減は強めの中火、炒めながら指先三本(親指、人差し指、中指)でつまんだ塩を2回(2つまみ)まわしかけます。

全体に油がまわったら(全体がツヤっとして来ます)、塩小さじ1/4を全体にパラパラと投入。

続いて粗挽き黒胡椒を入れ(辛いのが好きな方は多めに)、全体によく混ぜます。

混ざったら少し火を落とし(強めの弱火)、レモンの皮のすりおろしを入れます(注2)。
最後に、全体がしんなりとするまで炒めたらできあがりです。

途中で必ず味見をしてください
生っぽい感じが好きな方は早めに仕上げます。柔らかい感じがお好きなら、もう少し長めに炒めてくださいね。

早めだとサクサク感が残った感じ、柔らかくなると芋類に近い「ホクッ」とした感じになります。
どちらでもお好みで。

いずれにせよ、炒め始めてから5分以内にできあがりです。

レモンの風味がいい上、黒胡椒の刺激があるせいか、ビールや白ワインとよく合います

今回はこんなプレートの一部に入れました。
ちょっと苦味のある風味が、野菜料理のいいアクセントになってくれます。

残った分は、温めなおしても、冷たいままでも行けます
きんぴらと言いつつも洋風の感じなので、サンドイッチの具にしたりもいいですね。

セルリアックのもう半分は、他の野菜と一緒にポタージュにしたり、厚めに切ったものにオリーブオイルをまぶしてからオーブンでスローベイク(360Fで30分くらい)して食べたり。

生でも食べられなくはないですが結構に硬いので、ゆがくなどして、火を通す方がおすすめです。

実は旬である12〜3月は少し過ぎてしまったのですが、夏の終わりには早生のものが店頭やファーマーズ・マーケットに並ぶことがあります。
見かけたらぜひ、食べてみてください。


注1
地上に生える葉っぱの部分もかなりよく茂るのですが、ここは硬くて筋っぽく、あまり食用には向いていません
葉付きのもの(オーガニック)を手に入れた時は、野菜出汁を取って、出汁の方を使いました。

注2
わたしはフライパンの上で「マイクロプレイン」をかまえて、鍋に直接、おろし入れてしまいますが、炒める前に準備してもかまいません。
ただし、その場合は皮の酸化が進むので、すぐに作り始めてください。

どのくらいの量にするかはお好みですが、大きなレモンなら半分も使えば香りがつきます。わたしは香りが強いほうが好みなので、この時は写真のレモン(大きめ)のほぼ1個分を削って入れました。

個人的には、香りが強めのほうが、セルリアックのクセとよく合うように思います。

このレモンの皮のすりおろしは、ドレッシングに使ったり、サラダにふりかけたりしても味のアクセントになります。くれぐれも削り過ぎないように!

この「マイクロプレイン」はすごく小さな刃がついたスライサーだと思ってください。ものすごく切れますので、取り扱いには注意です。

手元から向こう側へ、一方向へのみ刃の上を移動させて使います(刃の上を往復させません)。

シリーズには色んなアイテム用(チーズ、スパイス、野菜…)があり、わたしが持っているものも実は、岩塩を削るためのものです。
でも、レモンの皮を削っても特に問題はないので、いつも代用してます(笑)

Micro Plane公式サイト
http://microplane.com/
http://www.microplane-kitchen.jp/

ぷちぷちコラム「野菜出汁(ベジブロス)」

最近になってよく聞くようになった「野菜出汁(ベジブロス)」

クズ野菜や皮などを煮だして出汁を取ったものを、ストックベースとしてスープや煮込みなどに使う…というものなのですが(お味噌汁にもできます)、これをやる時にはぜひ、農薬を煮出すようなことがないよう、オーガニックの野菜をよく洗ってから使ってください

しっかりと用心するなら、重曹を少し溶かした水に30秒〜1分くらい浸しながら洗い、その後でよくすすいでから使います。

また、野菜をスーパーで選ぶ時、オーガニックのものを簡単に選別できる方法をご存知でしょうか?

「PLUコード」という、POS管理をするために貼ってあるシールがありますね。
あれで見分けられるのです。

オーガニックの野菜は「9で始まる5桁」、そうではない野菜は「4(または3)で始まる4桁」なのです。

この写真のグレープフルーツとりんごは、どちらもオーガニックのもの。
数字が「9で始まる5桁」なのがお分かりいただけます。

今度ぜひ、スーパーで確認してみてください!

>【今すぐやりたい!】重曹で野菜・果物の農薬除去がカンタンに♪
http://matome.naver.jp/odai/2137878973386572801