すっかり冬ですね。
夏の終わりから秋にかけて収穫された、根菜たちが主役の季節がやってきました。
根菜の中でも、収穫後に長期保存がきき、あたたかいお料理に向いている「かぼちゃ」。
生でも美味しいですが、かぼちゃのポタージュ、煮物、パンプキンパイ…などなどの火を通したかぼちゃの甘味は、寒い時期のお楽しみのひとつです。
かぼちゃは涼しいところで保存すると、2ヶ月以上もちます。
わたしの知っているファーマーさんは「5ヶ月はもっちゃうよ?」と言ってました!
一般家庭の暖かい家ではそこまでの保存はちょっと難しそうですが、かぼちゃが長く保存できる野菜なのは間違いありません。
それどころか、追熟した方が甘みが出て美味しくもなるのです。
これはかぼちゃに含まれるデンプンが、熟成によって糖分に分解されることで起きるもので、ホクホクした食感も、それによって増します。
ご存知の通り、かぼちゃは代表的な緑黄色野菜です。
カロテンのほか、ビタミンC、カリウム、ビタミンEを豊富に含みます。また、食物繊維もたっぷりで、便秘の予防や改善にも役立ちます。
βカロテンには粘膜や皮膚の健康維持のほか、呼吸器系を守る作用もあるので、ぐっと寒さが増してくる12月からの冬本番には、食べておきたい野菜です。
日本の習慣にも「冬至にかぼちゃを食べると風邪をひかない」…というのががありますね。
かぼちゃを選ぶ時は、皮にハリとツヤがあり、軸が太くコルク状にしっかり乾燥しているものがいいです。これは収穫後によく熟成されている証拠です。
そして、形は左右対称がよく、軸の周りがへこんでいるものを選びます。
持ったときにズシッと重みを感じることも大事。
カットされていて種の部分が見えるものなら、種がよくふくらんでいることも目安になります。
種が平べったいままのものは、未熟な状態で収穫されてしまったものだからです。
緑または黒系の皮のかぼちゃは時々、一部が黄色やオレンジになっていることがありますが、これは成長時に日が当たらなかったために起きているもので、悪いものではありません。
ここの色を見ると中の様子が想像できる、便利なものでもあります。
つまり、オレンジ色が濃い方がよく熟している…ということです。
そんなかぼちゃを、今日は「揚げないコロッケ」にしてみます。
「揚げないコロッケ」、というと「ぇつ」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、油をあまり使わずにコロッケのお味を楽しめる「楽ちんメニュー」です。
揚げ物の作業が苦手でも全く問題ないですし、衣をつけることもないのでキッチンも手も汚れません。
種を作ってオーブンで焼いて出すだけ…なので、時間も節約できます。
一度おぼえてしまうと、普通のコロッケづくりには戻れない…かも?
材料はこちら。
オーブンを360F(180C)に予熱します。
蒸し器にはお湯を沸かし始めます。
まずはかぼちゃから。
かぼちゃを割る時は、まず軸の周りに包丁を入れて、軸だけを外します。
かぼちゃはこの軸を外したところから包丁を入れると、あまり力をかけなくても割れます。
玉ねぎ、にんにく、きのこ(注4)は全てみじん切りにします。
マッシュルームとしいたけは、軸のかたいところだけ切り落として、軸もみじん切りにして使います。
フードプロセッサを使ってもOKですが、個人的には食感の楽しさが生まれるので手切りがおすすめです。
粒が揃ってなくても大丈夫!!
逆にそれが楽しい仕上がりになります。
冷たいフライパンか小鍋に、みじん切りにしたにんにくと玉ねぎを入れ、オリーブオイル大さじ1をまわしかけます。
塩を人差し指+親指でひとつまみ、全体にパラパラとかけます。
そのまま点火して弱火にかけ、じっくりとにんにく&玉ねぎを炒めます。
時々かき混ぜてやり、焦げないようにしてください。
炒め上がりには10分ほどがかかります。
その間に、かぼちゃは種をとり、皮をむいてから(ピーラーを使うと便利です)だいたい同じ大きさになるよう、一口大に切り分けます(注5)。
じゃがいもも皮をむき、同じくらいの大きさにします。
切り終わったかぼちゃとじゃがいもは蒸し器にセットし、10〜15分くらい強めの中火で蒸し上げます(注6)。
さて、玉ねぎとにんにくがこんな感じで少し色づいて透明になったら、きのこを入れます。
きのこに油が回るよう全体をよくかき混ぜたら、塩をひとつまみふりかけて蓋をします。
5分くらいしてきのこがクタッとしたら蓋をとり、水分を飛ばすように炒め上げていきます。
焦げないように時々かき混ぜてくださいね。
こんな感じで炒めあがったら、そのまま火を止めて粗熱を取ります。
かぼちゃ&じゃがいもは、柔らかく蒸しあがったらボウルにあけて、マッシャーでつぶします。
全体がつぶせたら、塩をふたつまみと軽く胡椒をしておきます。
ここへ炒め上がったきのこを入れて、練らないようにさっくりと混ぜ合わせます。
よく混ざったかぼちゃ&きのこはそのまま置いておき、手でさわれるくらいになるまで粗熱を取ります。
その間に、ベイク皿とパン粉を準備しましょう。
まず、ベイク皿には油(分量外)を薄く塗ります(注7)。
パン粉は小さめのボウルに入れ、オリーブオイル大さじ1を回しかけます。
これをシリコンべらやスプーンなどでよく混ぜてやり、パン粉全体に油が回るようにします(注8)。
粗熱が取れたかぼちゃときのこをベイク皿に入れ、シリコンべらなどでならしてやります。
さらに、さきほどの油をまぶしたパン粉をベイク皿に入れたかぼちゃ&きのこの上にまんべんなくのせてやります。手を使ってやると上手く行きます。
パン粉が綺麗にのったら、オーブンに入れて20分〜30分。
中身には既に火が通っているので、パン粉に焼き色がつくまで焼きます。
できあがりました!
召し上がるときには、中濃ソース、ウスターソース、お醤油、ケチャップなどなど、お好みの調味料でどうぞ。
ソースをかけることを前提にして薄味にしてあるので、ソース無しで食べるのであれば、かぼちゃのマッシュにもう少し塩気を足すといいと思います。
お供にはシンプルにキャベツの千切り、グリーンサラダなど「コロッケを食べるときの付け合せ」がいい感じです。
ソースをかけて食べると、たしかに「スプーンで食べるコロッケ」になります。
食べやすいのでお子さんにも喜ばれそうです。
もしも残ってしまったら、パン粉も一緒にスープで軽く煮ると、少し粗めのポタージュにもなります。残りを焼き戻すのが面倒な時におすすめです。
焼き戻す時は、全体にホイルをかぶせて360F(180C)で20〜30分くらい、全体があたたまるようにします。
最後に様子を見ながら3〜5分ほどホイルを外して湿気を飛ばすと、パン粉がカリッと仕上がります。
揚げないとはいえ「コロッケ」なのでじゃがいもで作ってもOKですが、かぼちゃを使えばオレンジ色が華やかで、パーティの一品にもなりますね。
さつまいもで作っても美味しくできそうです!
本格的な冬の寒さは、栄養素たっぷりの野菜を使ったアツアツのオーブン料理で乗り切りましょう!!