No.22 残り野菜でも美味しくできる!「野菜のオイル蒸し」
もうすぐ春とはいえ、小寒い季節に出番が増えるお料理と言えば、鍋もの…ですね!!
身体が芯から温まる…というだけではなく、材料を切って火を通すだけで食べられる…という手軽さは、やっぱり嬉しいものです。
昆布だしでシンプルに水炊きもいいし、寄せ鍋、味噌鍋などの定番から、キムチ鍋、トマト鍋、カレー鍋、豆乳鍋など、ちょっとした変化球が使えるのもいいところ。
その鍋ものの主役級の野菜というと、「白菜」!
ただ、一玉を買っても鍋ものだけではなかなか使いきれず、残りは何となく冷蔵庫に眠ったまま…。
…なんてことも「あるある」です。
こんなときの「お助けメニュー」は色々とありますが、中でもかなり簡単なものをご紹介しましょう。
洋風にアレンジするから「鍋ものの残り」という雰囲気にはなりません。
厚底の、ぴったりと蓋が閉まる鍋だけで作れます。
ストウブやル・クルーゼなどの、鋳物の鍋があると上等です。
材料も、白菜だけではなく「アクが少なくて加熱に向いている野菜」なら、なんでも使えます。
白菜、長ネギ、大根、しいたけ…なんて「鍋のメンバー」が勢揃いしても、大丈夫です!(注1)
ほかには、人参、カリフラワー、ブロッコリー、キャベツ、芽キャベツ、もやし、小松菜、レタス、蕪、玉ねぎ、きのこ類…などなど。
さて、白菜はそのほとんど、95%は水分です。
栄養素としては、カリウム、カルシウム、ビタミンC、ビタミンKなどが含まれていて、血液生成の必須ミネラル「モリブデン」も含まれています。
食物繊維も合わせて、全体にバランスがよいと言えますね。
薬膳では「白菜・大根・豆腐」を合わせて「食養三宝」とも言います。中国の「長寿の薬膳」から来ているものだそう。
白菜のビタミンCは水溶性なので、今回のお料理で水気が出たら、そのスープもぜんぶいただくといい感じです。
ちょっと時間はかかりますが、ひと鍋で済みます。
他のメニューがあるときには最初にこの「オイル蒸し」を作りはじめて、加熱の間に取りかかるといいかもしれません。
では、いってみましょう!
材料はこちら。
材料<2人前>
- 白菜・6〜7枚(外側、内側の葉なら1.5倍ほど)
- ちりめんキャベツ・小1個(大なら1/4個くらい)
- ブロッコリー・小ぶりのもの1個
- にんにく・ひとかけ
- オリーブオイル・大さじ3〜
- 塩・小さじ1/2〜(やや多めのひとつまみを3回くらい)
道具
- 蓋付きの鋳物鍋(または厚底鍋)(注2)
- 大きめのボウル
- 木べら
- サラダスピナー
まず、葉ものは洗って水気をしっかり切ります。
キッチンペーパーやサラダスピナーなどを使って、丁寧に。
にんにくは皮をむき、厚めの包丁の背でつぶします(注3)。
つぶしたら、縦方向にザクザク切っておきます。
ブロッコリーも洗って小房にわけます。
茎は7ミリくらいの輪切りにして、一緒にいただきましょう!
キャベツは少しだけ芯を残して4つ割りに。
野菜の準備ができたら、にんにくを真ん中に置いて、周囲にキャベツを入れていきます。
まずはここで塩を「親指+人差し指&中指」でやや多めにひとつまみして、パラパラかけます。
続いて、キャベツにかかるようにオリーブオイルを一回し。
白菜は、葉っぱと茎の境目あたりでざっくりちぎります。葉っぱはそのまま、茎は適当な大きさに手で割って鍋に入れます。
入れ終わったら、もう一度、塩をパラパラ、オリーブオイルをくるっと一回し。
そうしたら、手でオリーブオイルを野菜になじませてやります。
オイルが足りないと感じたら、少しずつ足していき、全体にオイルがまわってツヤっとするまで、そっとなじませます。
ブロッコリーも手のひらで軽く握るようにして、花房のほうまでオイルをなじませてあげます。
ブロッコリーの下ごしらえが終わったら、もう一度、塩をパラパラ。
あとは鍋に蓋をして、コンロのごく弱火で加熱します。
水分の多い野菜をごく弱火で加熱するので、そうそう焦げる心配はありません。
最初は何も音がしませんが、そのうちに「シューーー」っと音がしてきます。
蓋から元気よく蒸気があがるようなら、火が強すぎるので弱めてください。
ゆらりと細い蒸気が上がるくらいなら、大丈夫。
10分くらいごとに蓋を取って、蒸し煮の状態を確認してみてください。
蓋についた水分は、ぜんぶ、鍋の中へ落としてやります。
葉ものが多いときは水分が多めに出るので、途中で蓋を取って、水分を蒸発させてもOKです。
水分が多いまま仕上げて、お汁をスープのようにいただくのもまたよしです。
この日はちりめんキャベツでしたのであまり水分は出ず、キャベツに焦げ目がついたところで、木べらで上下を返して加熱しました。
全体にオイルがまわって、野菜が柔らかくなったらできあがりです。
加熱具合はお好みですが、わたしは柔らかめの、ちょっとクタクタしたのが好きなので、30分かけました。
できました!!
ちょっと焦げ目のついたキャベツが、なんとも香ばしい仕上がりです。
野菜に含まれている水分によっては、薄味になることがあります。
食べるときに塩が薄いようなら、塩を添えて召し上がってください(注4)。
胡椒やチリなども、お好みでどうぞ。
パンを添えたら立派な1食になりますし、オイルベースのパスタにからめても美味しくいただけます。
副菜としても役立ちますので、加熱している時間を使って他のものを作るのもよいでしょう。
鍋ものの残りだけでなく、いろんな野菜でお試しください。
白菜をメインにご紹介しましたが、季節を問わずに使える調理法なので、春になったら春キャベツを使って作るのもまたよしです!
根菜を使うときは、薄めに切って鍋の底に入れるなどして、葉ものと加熱時間が同じくらいになるようにしてください。
きのこ類などの柔らかいものは、一番上にのせて加熱すると調節しやすいです。
注2
わたしは22センチのストウブを使いました。
注3
にんにくの芽が気になる方は、ここで取り除いてください。わたしは気にしないほうなので、そのままです。
注4
塩が濃いよりは、薄めに仕上げて食べるときに調整するほうがよいと思います。