脂身多めの、豚バラ肉。さて、どうしましょう。

角煮にするのもいいけれど、今はまだ暑いのでちょっと気分じゃないし…。
でも、炒めものやタイ料理で使うには、脂身が多すぎです。

そんな時「そういえばしばらくやってないな」と思い出したのが、手作りのパンチェッタ。

パンチェッタといえば、イタリア料理で使う塩漬けの豚バラ肉です。
スモークしたものも売っていることがありますね。

これは、まだ日本にいた頃に「きょうの料理」で覚えたものです。

適当な大きさに切った豚バラ肉に、塩をたっぷり、全体にしっかりまぶします。
それからさらに、全体にドライのマジョラム(オレガノでもOK)をまぶして、その上から厚めに切ったにんにくスライスを全体に貼り付けていきます。

にんにくスライスはうまく固定できないのですが、そのうち、浸透圧で豚肉から出てきた水分で塩とハーブがしっとりして、馴染んできます。

そのままそーーっと、水切り網があるトレイなどに載せ、トレイの上からラップします。水が出ることがあるので、水切り網があるトレイは必須。

そして、冷蔵庫で一週間ほどほっておきます。

一週間ほどして、お肉から水が出ている場合はペーパータオルでそっと吸ってやり、今度は豚肉そのものを、塩+ハーブ+にんにくごと、きっちりとくるんで保存します。

わたしはそこから10日〜二週間くらい熟成させてから使いますが、一週間たった段階で、もう使えます。

食べるときには、ざっとくっついてるものを払ってから、まず少しだけ、ベーコンのように薄切りにして(塩でしまっているのでやりやすいですが、滑るので気をつけて)みます。

それらに軽く火を通して(茹でても、炒めてもOK)味を見ます。
もし、しょっぱすぎる場合は、薄い塩水に放って好みのところまで塩抜きします。

わたしはそのまま使ってしまうことが多いです。

スープに入れたり、大きく切って煮たりと色んなことに使えますが、「いなわら亭」の定番は、トマトソースのパスタです。

パンチェッタにハーブとにんにくの香味があるので塩はほとんど使わず、パンチェッタの塩味だけで調味します。
トマトもトマト水煮缶を使い、トマトソースは使いません。

要はベーコンのトマトソースパスタとか、アマトリチャーナ・ロッソを作るイメージでOKなのですが、このときはなぜか、玉ねぎよりも長ネギ(アメリカでなら、リークかスカリオン)が合います。

思うに、豚バラ肉の脂身の甘みには、甘くないネギのほうが合うようなのです。

生の豚肉を使うので、お試しいただくときには、手や器具の消毒をしっかりしてくださいね!
におい、味などに少しでも怪しい感じがしたら、絶対に食べないでください。

もちろん、調理で完全に火を通すことをお忘れなく。

とはいえこの手作りパンチェッタ、しっかり炒めて脂をじっくり出したほうが、美味しいです!
脂を食べる…という感じになるので、脂身多めの豚バラ肉が向いている、というわけ。