Posts

西海岸在住の友人に「カツ丼を食べたいんだけど、どこかいい店知らない?」と訊いた。

友人の答えは「カツ丼はしらないけど、親子丼が美味しいお店ならあるよ」。
そのお店は、友人夫妻がずっと通っているお店で「ここよりも美味しい親子丼はない」と豪語するところ。

何度かその名前を聞いてはいたけど、今まではどうもチャンスがなくて行くことができなかったのでした。
じゃあ、いい機会だから行ってみようかな、と。

そのお店は本来、焼き鳥屋さん。
どちらかというと「呑処」だけれど、ランチタイムにもお店を開けていて、親子丼はもちろん、定食類も出してるのです。

その日は夜のライブに参加する予定だったので、「お昼にしっかり食べておこう」と支配人と向かったのでした。

気取らない作りのお店は、アメリカの市街にはよくあるタイプのもの。
でも、そのレイアウト上、テーブルにつく前に必ず、そのお店の「売り」である炭火の焼台を目にすることに。

職人さんが炭火の熱をものともせずに食材を焼き上げるさまは、なんとも期待が高まります。

支配人は焼き鯖定食、わたしはもちろん、実は大好きな親子丼をオーダー。
焼き鯖も当然、炭火で焼き上げられるもので、フィッシュロースターで焼かれたものとは違うのです。

親子丼は、半熟玉子を嫌うアメリカ人のために「トラディショナル(半熟)」にするかどうかを訊いてくれます。
わたしはもちろん「トラディショナル」!

やってきた親子丼は、炭火で焼き上げた鶏肉を玉子でとじ、さらにもう一度、玉子を半熟にしたものをのせたダブル仕様。
この立体的な構造には、とってもインスパイアされました。

確かに美味しい!!!

サラダにかかってるのはただのポン酢だし、小鉢(きんぴらごぼう)と香の物が出来合いなのが惜しいけれど…。
それを補ってあまりある、親子丼の秀逸さ!!!

親子丼は子どものころから大好きだけれど、自分ではこんなふうに作れないです…。
ああ〜〜〜〜〜、美味しかった。

翌日、友人に「食べてきたよ!」と言ったときに「美味しかったでしょ?」と笑顔で返されたのが、なんとも楽しかったです。

初めて食べたのは、もうずいぶん前になると思う。

西海岸在住の友人夫妻が連れて行ってくれたのは、何年前だったかな。
しばらくペスクタリアンをやってたので、その間は西海岸に行っても食べなかったけど…。

IN-n-OUT(イン&アウト)は西海岸だけのチェーンなので、わたしが住んでいる東海岸では食べられません。

このたび、晴れて雑食になってから初めての西海岸行きが実現したので、懐かしさも相まって、空港からすぐに食べに行きました。

お昼どきを少し過ぎた時間だったのに、ドライブスルーにもいっぱい車がいるばかりか、テイクアウトを頼む人もたくさん。
もちろん店内も、空いているテーブルを探すのも難しいくらいお客さんがいっぱい!

なんとかテーブルを見つけて座り、手にしたシンプルなチーズバーガーには、わたしの大好きな生たまねぎとピクルスを入れてもらいました。
フレンチフライもつけて、もう非常にアメリカンなランチです!

ドリンクは、東海岸のShake Shackと違ってアルコールの扱いがないので、無糖のアイスティーを選びました。

さて、久々のお味はといいますと…。
すごくカリフォルニアっぽい、明るくて楽しい…なんというか、毎日食べても飽きない、ファミリアな味。

そう、これって、あの「ディファーラ」のピザと同じ感じ。
「ディファーラ」のピザも、意外なほど柔らかくて、刺激がない味だったのです。
それゆえに、毎日でも食べられる。

和食で言えば、卵かけごはんに近いのかな?
特に刺激はないけれど、落ち着く味…という印象でした。

Shake Shackのは、もっとシンプルかつシャープで、お酒に合う味なんです。
あくまでわたし個人の感想ですけどね。

柔らかい味のチーズバーガー、久しぶりの西海岸に迎えてもらった気分でした。
美味しかったです!!

アメリカ在住だからというわけではないけど、ハンバーガーは食べる。

わたしの「究極のハンバーガー」は、ハワイ島のヒロにあった、今や伝説のファウンテン「エルシーズ」のもの。
ご主人のジェームズさんが作る、シンプルの極みみたいなハンバーガーがそれ!

エルシーさんは「パンもお肉も、隣のスーパーで買ってきてるのよ、何も特別なことはしてないの」…って言ってた。
教えてもらった「たったひとつの秘密」は、お肉にお味噌を混ぜてること。

鉄板で焼かれた牛肉の薄いパティが、同じく鉄板で切り目を焼かれたバンズにはさまっているだけの、ただそれだけのハンバーガー。

野菜なんか何もはさまってないし、ポテトだってついてない。
紙皿にポンッとのっただけのハンバーガーは、味付けだって食べる人が自分でやる。

確か、2ドル50セントだったと思うなあ。

でも、わたしにとってはそれが「究極のハンバーガー」。
今となっては絶対に再現できない、記憶の中で美しく輝く味。

「エルシーズ」を亡くして以来、美味しいソースや高級な食材を使ったハンバーガーをあれこれと食べてみたけれど、どれもやっぱり飽きちゃう。
結果として「日常に食べるハンバーガー」としてたどり着いたのは、SHAKE SHACKのチーズバーガー。

これに生玉ねぎの輪切りとピクルスを入れるのが、わが家の好み。
ホットソース、胡椒、マスタードだけでいただきます。

日本のハンバーガーはどうも「ごちそう寄り」なので、わたしには重いのよね。
なので、帰国中に口にすることは絶対にない。

そして帰国後の不調が快方に向かったとき、「あれ食べよう」とやってきた。

お気に入りのビールと一緒にいただくシンプルなチーズバーガーは、「日頃」の味だと思う。
美味しかった!

暦の上ではもう春ですが、まだまだ食卓への出番が多いものと言えば、シチュー、おでんなどのあったか系に加えて、「鍋もの」ですね!

お野菜だけで十分に満足いく仕立てにできる鍋ものは、菜食のつよ〜い味方でもあります。

最近は「カレー鍋」「トマト鍋」などの変化球もよく見かけるようになり、スープやつけダレを変えることで飽きずに食べる工夫をされている方も多いのではないでしょうか。

中でも、菜食の人の貴重なタンパク源になる「お豆腐」
こちらは鍋ものに欠かせない具材であると同時に、湯豆腐や豆乳鍋では、主役としても大活躍していることでしょう。

しかしながら、最近になってよく耳にする「植物毒」の話、これがお豆腐にも当てはまるのです。

「植物毒」とは、「植物が外敵から身を守るために備えた、植物性の反栄養素物質」…のこと。
加熱や浸水で解毒を促しますが、それでも残ってしまって、体の不調を作るもとになる…と考えられているものです。

大豆には様々に「植物毒」と呼ばれる成分が含まれますが、その「植物毒」は、発酵を経過することで無毒化されます。
つまり、醤油や味噌は問題がないわけですね。(注1)

無発酵食品であるお豆腐や豆乳には「植物毒」と呼ばれる成分がそのまま含まれていますが、いただく時に発酵ものを合わせることで、できる限り難を避ける…という形がとれます。

冷奴にお醤油…なんて組み合わせは「とても理にかなったもの」というわけです。

とはいえ、お豆腐にも豆乳にも、身体にとってよい成分はいっぱい。
食べてすぐに「植物毒」でどうこうなる、なんてことはないですから、バランスよくいただきたいもの。

そんなお豆腐を、ちょっと変わった鍋もので食べてみるのが今回です。

重曹を溶かした水で湯豆腐をするのですが…。
お豆腐がとろ〜〜りとろけて、えも言われぬ食感になります!!!

このいただき方、温泉地ではアルカリ性のくみ上げ湯を使って作る「温泉湯豆腐」と呼ばれているものです。
温泉宿の名物だったりもしますね。

これの有名なものが、日本三大美肌の湯のひとつとしても有名な、嬉野温泉(嵯峨県)の「温泉鍋」

なのでこの鍋も、名付けて「美人鍋」!!

やり方は簡単。
ちょっとした注意事項を守るだけで、手順の写真も要らないくらいです!!

では、いってみましょう〜!

材料<2人前>

  • お豆腐・1〜1.5丁(お好みで)
  • 重曹(食用可のもの)・小さじ1〜
  • ・1リットル〜
  • 昆布茶粉末・(あれば、またはお好みで)小さじ1〜
  • つけダレ・薬味など・お好みのものを、お好きなだけ

おすすめの具材

油揚げ(油抜きなしでOK)、白菜、大根、白しめじ、えのき、長ねぎなどの「白い野菜」
ノンベジの場合は、鱈(白身魚)、豚肉、鶏肉

おすすめのシメ

乾麺の細うどんか、乾麺のひやむぎ

道具

  • 土鍋など、鍋料理をいただく鍋
  • 計量スプーン
  • 目の細かい網杓子
  • とんすいなど、鍋をいただくための道具立て

まず、土鍋に8割くらい入るように、水を計量します。
1リットルにつき「重曹・小さじ1」、お好みで「昆布茶(注2)・小さじ1」をよく溶かします。

まだ着火はしません。

食べているうちに溶けてしまいわないよう、お豆腐は大きめに切ります
お揚げも大きく、半分くらいの大きさに。(注3)

お野菜はざく切りなど、好きな切り方でOKです。

土鍋に具材を全て入れ、ここで着火します。
必ず、水の段階からお豆腐とお揚げを入れてください。

煮立ってから10分くらい、中弱火でグツグツやると、次第にお豆腐の角がなくなって、とろけてきます。

そこが、食べどきです!!

お豆腐がとっても柔らかくなっていますので、網杓子などでそっとすくってください。
とろ〜んとなったお揚げも、柔らかくて箸ではつまめないことがありますので、こちらも網杓子でそっと。

つけダレは、先程の「植物毒」の件をクリアするよう、だし醤油、生醤油、めんつゆ、ポン酢などなど、お醤油ベースのタレがおすすめです。

煮立ってからお豆腐を入れても、多少は柔らかくなりますが、水から炊いたものが一番です。

意外にもお豆腐がたくさん食べられますので、多めに入れてもいいかもしれないです。

おすすめの具材を白い野菜に絞ったのは、理由があります。
葉物野菜や色の着いた野菜を入れると、重曹入りの出汁で具材が溶けてしまうため、出汁に色がついてしまうのです。

食べられなくはないのですが、見た目がとっても残念な感じに…。(注4)

なので、ここは思い切って、白系の野菜のみにすると綺麗です!!!

中でも一番のおすすめの具は、お揚げ!!

タンパク質が溶けたことで不思議な食感になって、お豆腐よりも人気です。おひとり2枚くらいはペロッといけちゃいますよ!

最後の方には、土鍋の中は溶けたお豆腐のおかげで、豆乳のような白い出汁ができていると思います。

そうなってからのシメにおすすめなのは、細うどんかひやむぎ
具材をさらって煮立てた汁に、半分に折った乾麺を直接入れて煮込みます

すると、麺(小麦粉)からでたとろみと、麺を少しずつ溶かす出汁の効果で、和風のカルボナーラのような「とろみつきの麺」になるのです。

塩と胡椒で味付けしていただくと、なんとも言えない美味しさ!!
チーズがOKな方は、削ったりおろしたりしたナチュラルチーズを入れても。

お雑炊もいいですが、この「少し細めの麺を直に煮る」のは、見た目が面白く、お味も良いので好評です。

この時に使う麺類は、素麺や春雨のように細いと重曹の作用で煮溶けてしまうので、細すぎる麺類はおすすめしません
そして太すぎると煮えるのに時間がかかりすぎて焦げ付きやすくなるので、少し細めの「細うどん」「ひやむぎ」がベストです!

最後に、ルールを整理しますね!

  • 水1リットルに対して重曹は小さじ1
  • 具材は「水から」入れる
  • 「白い野菜」を使う

これだけです!

楽しい食感が大人気の「美人鍋」、ぜひ寒い間にお試しくださいね。


注1
こちらの記事が詳しいです。
「大豆の毒について」
https://ameblo.jp/kiyolenon/entry-12215270643.html

注2
ヘルシー・ドリンクの「コンブチャ(液体)」ではないですよ!!
本来の「昆布茶」です。昆布を粉末にしたままの、できるだけ添加物のないものが望ましいです。
昆布茶はオプションなので、なくてもOKです。

注3
1丁を6つ切りにするくらいの、大ぶりな感じで。

注4
ノンベジの場合も、お魚やお肉が柔らかくなったり崩れたりしますので、早めに上げて召し上がってくださいね。

夏の始まりに寒い時期が続き、野菜のでき方が例年とは異なっていた今年。マーケットにようやく、ほぼ全ての夏野菜が揃ったのは8月も半ばになるころでした。

今年は特に、ピーマン類の生る時期が遅かったように思います。

トマトも多少、出来高に影響があったようですが、「いなわら亭」も毎年恒例の夏のトマトソースづくりを無事に終えることができました。

ソース用の原種トマトを買っているファームのおばちゃまの話では「トマトはもうほとんど終わり」だそうで、来週にはもうなくなるかも、とのこと。

わたしの友人の家庭菜園でも、実ったトマトが赤くなるのを待たずに収穫していました。そうしないと、トマトが赤くなる前に木のほうが寒さで枯れはじめてしまうからだそうです。

そのときの収穫を、いただいてきました。
未成熟の、青いトマトです。

少し追熟すると赤くなって来ますが、木で熟したもののように真っ赤にはなりません。
そうなる前にトマトから水分が抜けてしまいますから、さほど水分が抜けない間に、食べてしまうのが一番です。

シャリッとした食感と酸味とほのかな甘味があり、これはこれで美味しいものですしね。

トマトの代表的な栄養素というと、抗酸化作用がある成分としてよく知られている「リコピン」ですが、青いトマトにはあまり含まれません(注1)。

うまみ成分・グルタミン酸も完熟のものに比べると7割程度

最近では、青いトマトには「トマチジン」という有効成分が含まれることがわかっていて、筋力の低下を防ぐ効能がある…という研究結果があります。

時折「青いトマトには毒がある」という記述も見かけますが、これは花、茎や葉に多く含まれる「トマチン」という成分のことです。

じゃがいもの「ソラニン」とおなじアルカノイド成分で、毒に相当します。

しかしながらこれは植物が自己防衛のために保持しているもの。
このことから「天然農薬」とも呼ばれます。

公表されている研究結果によると、花の段階で含まれる「トマチン」は1100mg/1kg。
完熟前の青いトマトで48mg/1kg。完熟すると0.4mg/1kg。

…ということですから、半致死量に至る量は「青トマトの大玉150個(約3kg)」となります(注2)。

あんまり現実的な話ではないですねw

…というわけで、せっかくの青いトマトを食べる方法を考えました。

有名なのはアメリカ料理としてもメジャーな「フライド・グリーントマト」、ピクルス、ジャムあたりですが、今回は、メキシコ料理で使う「トマティーヨ(Tomatillo)」の代わりを務めてもらうことにしました。

「トマティーヨ」は、トマトと同じナス科の植物。

和名は「オオブドウホオズキ」で、その名の通り、食用ホオズキの一種です。メキシコ料理には欠かせないもので、米国ではよく見かけます。

いつもならこの「トマティーヨ」を使って作るソースを、風味がよく似ている青いトマトでやってみます!

では、いってみましょう!

材料はこちら。

材料<1パイントのメイソンジャーひと瓶+少々>

  • 青いトマト・大玉3個(780gありました)
  • ハラペーニョ・2本(注3)
  • にんにく・2かけ
  • オリーブオイル・大さじ2
  • ・小さじ1

道具

  • オーブン
  • 大きめの天板(トレイ状のもの)
  • ミキサーまたはフードプロセッサ
  • 大きなボウル
  • パーチメントペーパーかクッキングシート
  • 保存瓶かタッパー

オーブンは360F(180℃)に予熱します。

天板にはパーチメントペーパーを敷いておきます。
水分が多少出ますので、パーチメントペーパーの端は底を覆って天板の縁より上になるようにしてください。

トマトは洗ってヘタをとり、2センチ角くらいに切ります。
最後にミキサーにかけるので、あまり小さく切らなくてOKです。

ハラペーニョは5ミリ厚くらいの輪切り(注4)、にんにくは半割にします。

全てを大きなボウルにまとめ、塩とオリーブオイルを入れます。

材料に油と塩がよく絡むように全体を手でよく混ぜてやります(必要なら手袋をしてください)。

用意しておいた天板+パーチメントペーパーの上に、材料を重ならないように並べます

オーブンの予熱ができたら、そのまま静かに入れ、軽い焦げ目がつくまで20〜30分、焼きます。

こんな感じで、ちょこっと端に焦げ目がつき、全体が乾いた感じになったらOKです。出てきた水分はソースの大事な材料なので、捨てないでください。

そのまま、触れるくらいの温度になるまで冷まします(注5)。

冷めた材料を、ミキサーに入れます。
パーチメントペーパーを利用して、水分ごと全部を入れてください

ミキサーを回し、なめらかなペーストにします(注6)。

こんな感じになったらOK!

きれいな保存瓶に詰め、長期保存用の脱気(キャンニング)をしない場合は、冷蔵庫に保存して10日くらいで食べきります

「トマティーヨ」のホットソースは「トマティーヨ」の爽やかな酸味と、ハラペーニョの辛味、そしてにんにくのコクが美味しい、「いなわら亭」の人気ソースなのですが、青いトマトでやっても、ほぼ同じものができました

食べ方としては、まずはシンプルにタコスやケサディーヤなど、メキシコ料理のお供に。

グリルした野菜のソースとしても美味しいですし、パスタのトッピングとしても。ドレッシングのベースにしたり、カレーのブートアップにもいいですね!

わたしの辛いもの好きの友人は、トルティーヤ・チップスのディップにしたと言っていました。これもアリですね!

お肉やお魚を召し上がる方は、BBQなどでグリルした時のソースとして使うのもおすすめです。
オムレツや目玉焼きなどの玉子料理に添えたりしても、ちょっと刺激的でいい感じです!

材料のオリーブオイルをココナッツオイルに替えて作ることもできます
この場合、ちょっと甘い香りのエスニックなホットソースができ上がりますよ!

色んなものに添えて、召し上がってみてください。

これからのファーマーズ・マーケットには、熟す前に収穫された青いトマトが出ていることもあります。
見かけたらぜひ、作ってみてくださいね。


注1
木で熟したトマトなら、トマトの色は何であってもリコピンはたっぷり含まれます。

注2
とはいえ、完全に安全とは言い切れませんので、食べる・食べないはご自分の判断で。小さなお子さんには注意が必要かもしれません。
わたしはもちろん、知識は知識としておさえつつも、気にせず食べる派ですww

注3
この分量でしっかり辛めになります。辛いのが苦手な方は、ハラペーニョの量を減らしてください。

注4
お肌が弱い方は、ハラペーニョを触る時に手袋をすることをおすすめします。包丁もすぐに洗ってください。
間違っても、ハラペーニョを切った後の手で顔や粘膜を触らないように!!!

注5
ここまでやっておけば、この後の工程は後日でもOKです。
常温まで冷めたらきれいな容器におさめ、冷蔵庫でしっかり、保存してください。

注6
もしもミキサーが回りづらかったら、少しずつ水(材料外)を足して様子を見てください。
一気に足すとジャブジャブになってしまうことがありますので、ご注意を。

日本に一時帰国している間にどんどんと季節が変わって、戻ってきたら春爛漫のニューイングランドでした。
桜にもなんとか間に合って、今年は日本とアメリカと両方で楽しめました。

5月の半ばには、わが町の「夏のファーマーズ・マーケット」も再開します。

この走りはじめの時期によく出回るのが、柔らかい葉もの類(レタス、ほうれん草、ベビーケールなどなど)と、ラディッシュ

実ものにはまだ少し早いマーケットで、大人気になる野菜です。

「二十日大根」の日本名のとおり、早く育って食べられる野菜で、真夏を除く3月から10月が収穫期です。
涼しい方がいい…ということで、走りはじめのまだ肌寒い頃に出回るのはこのためですね。

マーケットで買うラディッシュの何がいいかと言うと、葉っぱまでピン!っと元気なこと。
スーパーのお飾りみたいな葉っぱがついたものとは、まったく違います。

蕪類の栄養は葉っぱのほうが高いので(注1)、実はもちろん、葉っぱもしっかりと食べたいところです。
根に当たる実は淡色野菜ですが、葉っぱは緑黄色野菜なんです。

葉っぱに含まれるビタミンCは実の部分よりもずっと多く、ミネラル分も含まれているので、ぜひ捨てずに食べてください。

全体に「ひげ」が生えていますが、柔らかいものはそのまま生で、「ひげ」が気になるくらい大きいものは、茹でたり炒めたりすれば大丈夫。

実の部分には、大根とほぼ同じ栄養素である消化酵素のジアスターゼ(アミラーゼ)やビタミンCが含まれます。

肉料理などの付け合せでよく見かけるのは、可愛い見た目だけではなく、消化酵素もその理由のひとつでしょう(注2)。

今回は、このラディッシュの葉っぱと実の両方を楽しむ料理です。

どちらの料理も日持ちがしますので、ラディッシュを買ってきたらササッと作っておけば、副菜には困りません。

では、いってみましょう!

材料はこちら。

材料<副菜として2〜3人前>

[甘酢漬け]

  • 葉つきのラディッシュ・1〜2束(10〜15個くらい)
  • ・200cc
  • ・100cc
  • メープルシロップ・大さじ1
  • ・小さじ1/4とふたつまみ

[ナムル]

  • にんにく・すりおろしを小さじ1/2
  • ごま油・小さじ1〜1と1/2(お好みで)
  • ごま・お好みで大さじ1/2〜1
  • ・小さじ1/2とふたつまみ

道具

  • 小鍋
  • 中くらいの鍋(1.5リットルくらい入るもの)
  • 中サイズのボウル2つ
  • 大きなボウル
  • ざる
  • おろし器
  • 菜箸
  • 保存瓶かタッパー

まずはラディッシュを洗います。
葉の付け根や実のくぼみに土がついていることが多いので、たっぷりの水にしばらくつけてやります。

実はひとつずつ丁寧に手で洗い、葉っぱも逆さにして水にひたして振り洗いします。

洗い終わったら、まずは実と葉っぱを付け根で切り離します。
できるだけ実を削らないように、丁寧に。

実の方はお尻のひげ根を削ぎ、大きいものはふたつに割ります(小さいものはそのままでOK)。さらに、葉っぱは黄色くなったりしなびていたりして食べられない部分を一株ずつ、より分けてやります。

ここまでやったら、最初は実を使った甘酢漬けから
葉っぱの方は汚れをさらに落とすために、大きなボウルに水を張って浸してあげてください。

下ごしらえができた実を中くらいのボウルに入れて、手で全体に塩をまぶします。
塩がうまくまぶせたら、そのまま放置します

次につけ汁をつくります。
小鍋に水、酢(わたしは白ワインビネガーを使いました)、塩(ふたつまみ)、メープルシロップを入れ、弱火にかけて塩を煮溶かします。

決してグツグツさせないでくださいね。
少し湯気がたつくらいにあたたまったら、OKです。

あたたまったつけ汁を、ラディッシュのボウルに注ぎ入れます。
その後、つけ汁が冷めたら、ラップをして常温で一晩おきます(注3)。

こちらが一晩たったものです。
お酢の作用でラディッシュの赤が抜けて、実が可愛いピンクに染まります

お酢はお好きなものを使ってOKですが、色が濃いお酢(黒酢やバルサミコ酢)を使うと、このピンクが楽しめません。
できれば、色が薄いお酢がおすすめです。

この状態でできあがりです。

後はつけ汁ごと瓶やタッパーで保存すれば、3〜5日は食べられます
今回の量で、1パイントサイズのメイソンジャーにぴったり入りました。

副菜として、お弁当の彩りとして、なかなかお役立ちですよ!

さて、お次はナムルです。

まず、中くらいの鍋に多めのお湯をわかします。

水に浸しておいた葉っぱはもう一度、洗います
付け根の部分に土が残ると食べた時に大変なので、そこはぜひ、念入りに。

お湯がわいたら小さじ1/2の塩を入れ、溶けたところで葉っぱを付け根から沈めてやります。

鍋の中で天地返しをしてやり(やけどに気をつけて!)、緑の色が鮮やかになったらお湯から引き上げて(ざるを使ってもOK)、冷たい水で冷やしてあげます。

しばらくしっかりと水にさらして、熱をきちんと取ってください

その間に、中くらいのボウルの2個めに、ごま油、塩ふたつまみ、おろしにんにくを入れておきます。

葉っぱがしっかり冷えたら、今度は少しずつ手にとって水を絞ります。
この時、水分が残ると美味しくないだけではなく、日持ちしなくなるので、しっかりと

水気を絞った葉っぱは、3センチくらいに刻んで、調味料を入れてあるボウルに移します。

そして、調味料が全体に行き渡るように、手で揉みこみながら和えてやります。
キュッ、キュッ、という手触りになったらできあがり。

盛り付けたら、お好みでごまを手でひねりながら(注4)かけてやります。

こちらも冷蔵庫で3日くらいはもちます

味付けが薄めなので、そのまま食べるだけでなくスープの実にしたり、他の材料と混ぜてボリュームのある和え物に仕立て直したりできます。

玉子がOKな方は、玉子焼きに混ぜても美味しいですよ。ごはんに混ぜて、ちょっと変わった菜めし風も!
水気が少ないので、こちらもお弁当の隅っこを埋めるのに便利ですね。

味付けもまた、オリーブオイル+塩+粒マスタード、オリーブオイル+にんにく+塩…などなど、バリエーションも楽しめます。
ただし、粒マスタードやお酢、レモンなど「酸っぱい系の調味料」を使うと時間の経過によって色があせてしまうので、すぐに食べない場合は、食べる直前にプラスするほうがおすすめです。

どちらのお料理も、葉つきのラディッシュを見かけたら、ぜひ作ってみてください!


注1
βカロテン、ビタミンB1、ビタミンB2、カルシウム、葉酸、鉄分などが含まれています。
蕪類は買ってすぐ使うのでなければ、実と葉を切り離しておくのがベターです。そうしないと、葉っぱの方にどんどんと栄養素が流れてしまいます。

注2
見た目も可愛いラディッシュには、赤だけではなくて色んな色のものがあります。黄色、紫、赤白のグラデーション。
形も丸いもの、長細いもの…今は色々な種類のものが手に入ります。

注3
暑い時期になって、常温に置くのが危ない感じになったら、冷蔵庫に入れてください。

注4
親指と人差し指&中指で、ごまをすりつぶすようにするとできます。コレが「ひねりごま」。すり鉢でするほどの量は要らないけど、ごまの風味は欲しい…というときに便利です。

この連載を始めた頃、わたしはベジタリアンでした。

正確には「お肉だけを食べない」、野菜・穀類に加え、乳製品、玉子、魚介はOKのペスクタリアン

とはいえ、だいぶ菜食生活をしていて、タンパク質系は時々いただく程度でした。

現在のわたしは、お肉もいただきます

どうしてそうなったか…というのを語るには、それだけで10話くらいは必要ですんで、めっちゃスピリチュアルな話で恐縮ですが、ごく簡単に言うと「自分の波動が上がったから」です。

その「元ベジタリアン」の立場から、代替肉の試食記事をやろうと思ったのでした。

なので、今回の記事の写真には玉子が出てきます。
ご了承くださいね。


さて。

この「Beyond Meat」「完璧な植物ベースの代替肉」ってのはないものか?…という疑問を長年持ち続けていた男性、イーサン・ブラウンが、ミズーリ大学が研究していた「代替肉」を、メリーランド大学、そして企業2社と共同開発したものです。

Twitter創始者が運営するベンチャー・キャピタルビル・ゲイツ財団が投資していることでも有名で、現在はタイソン・フーズ三井物産の資本も入っているとか。
取締役には米マクドナルドの前CEOもいるそうです。

要はアメリカでは「未来の食事情を支える」などの展望によって、注目されている…というわけです。

その「Beyond Meat」の最新作が「The Beyond Burger」

その名の通りの、ハンバーガー・パティの形状をした代替肉です。

遺伝子組換えなしの材料からできており、大豆・グルテンも使っていません。タンパク質はえんどう豆からの抽出によるもので、食感を出すために竹セルロースも配合されています。

色はビーツの色素やアナトー色素などからです。
ココナッツオイルやキャノーラオイルで肉汁の代替えをしてるんだとか。

旨味はイースト、コハク酸(貝類の旨味成分)、マルトデキストリンなどでつけられています。

牛肉の場合よりも鉄分は倍、飽和脂肪酸は半量、コレステロールはゼロ
タンパク量やカロリーは変わらず。

こうして見ると、見た目はまるっきり、お肉のパティです。

原材料の表示はこちら。

アメリカの材料表示の法律では使用量が多い順に材料名が並びますので、最初の5つを書くと…。
えんどう豆抽出のプロテイン、圧搾キャノーラオイル、精製ココナッツオイル、水、食用イースト…です。

現在は限定されたWhole Foodsで販売されていて、わたしは店頭でのデモンストレーションで試食して買いました。
冷凍品として配送されて来るそうですが、店頭に並ぶときは普通の冷蔵庫にあります。

パッケージを開けると、そのものの質感もだいぶ「挽肉」に近づけてあることがわかります。

形成には非常に高い技術が使われていて、工場で使われている「成形機」はテクノロジーとノウハウの集大成だそうです。

調理法は、バーベキューコンロかスキレット(鋳物フライパン)で焼く…ということなので、わたしはスキレットで焼きました。

焼いている時の匂いは、結構にお肉っぽいです。
片面3分ずつ焼くように、とありましたので、大まかにそれを守ってみました。

本物のお肉だと、片面3分はやや短いですが、この「The Beyond Burger」は原材料にナマモノがないですから、中まであたたまればいいのでしょうね。

焼き目もしっかりつきます。

今回は、玄米ごはんを用意して、ハワイで大人気のB級グルメ「ロコモコ」風に仕上げてみました。
グレイビーはもちろん「野菜出汁」をベースに作っていますので、玉子以外はヴィーガンです。

見た目はまるっきり、ハンバーグ!!

切り口はこんな感じ。
きちんとミディアムの感じが再現できていて、遠目に見たら見分けがつかなさそうです。

肝心のお味ですが……。

悪くないです。
特に「めちゃくちゃ美味しい!」という感じではないですが、普通に美味しいです。

お肉のパティに比べると食感がやや柔らかく、サクッとした感じ

粒感もちょっと弱いですが、知らずに食べたら「何のお肉のパティかな?」と思うくらいには仕上がってます。

塩加減もきつくなく、満足感もあります。
そして、ここが植物性のゆえん…というかメリットのひとつだと思いますが、食後の胃が軽いです。

今回はハンバーグっぽくいただきましたが、バンズにはさんでハンバーガー仕立てにしても、全く違和感がないと思われます。
特に、バーベキューコンロで炭火で焼いたりしたら、薫香がつくことで、より美味しく感じるようになるかもしれません。

この「The Beyond Burger」は、とある店舗では、1日に250個を売り上げることがある人気商品になりつつあるようです。
今後は販売店舗を拡大する予定にもなっているそう。

今はまだハンバーガー・パティの形しかないのが残念ですが、そのうち挽肉系の応用商品(ソーセージ、ミートボールなど)が出てくるかもしれないですね。

 
ここまでして「肉のようなもの」を食べるくらいなら食べなければいいのでは…。

という意見もあると思いますが、これらの「代替肉」商品は自分の意志でヴィーガンやベジタリアンを選択した人だけのものではない、とわたしは考えています。

例えば身体的な事情でやむなく肉類を食べられずにいる子どもに、他の子と同じようにハンバーガーを食べられる状況を作ってあげられる…というのは悪くない、とわたしは思うのです。

何より、植物性の玉子すらも商品化されている現在、好奇心的に「どこまでできるのだろう?」…。
という気持ちもあるので、「Beyond Meat」の今後を、見守るつもりです。

もうすぐ春とはいえ、小寒い季節に出番が増えるお料理と言えば、鍋もの…ですね!!

身体が芯から温まる…というだけではなく、材料を切って火を通すだけで食べられる…という手軽さは、やっぱり嬉しいものです。

昆布だしでシンプルに水炊きもいいし、寄せ鍋、味噌鍋などの定番から、キムチ鍋、トマト鍋、カレー鍋、豆乳鍋など、ちょっとした変化球が使えるのもいいところ。

その鍋ものの主役級の野菜というと、「白菜」

ただ、一玉を買っても鍋ものだけではなかなか使いきれず、残りは何となく冷蔵庫に眠ったまま…。

…なんてことも「あるある」です。

こんなときの「お助けメニュー」は色々とありますが、中でもかなり簡単なものをご紹介しましょう。

洋風にアレンジするから「鍋ものの残り」という雰囲気にはなりません。

厚底の、ぴったりと蓋が閉まる鍋だけで作れます。
ストウブやル・クルーゼなどの、鋳物の鍋があると上等です。

材料も、白菜だけではなく「アクが少なくて加熱に向いている野菜」なら、なんでも使えます。

白菜、長ネギ、大根、しいたけ…なんて「鍋のメンバー」が勢揃いしても、大丈夫です!(注1)

ほかには、人参、カリフラワー、ブロッコリー、キャベツ、芽キャベツ、もやし、小松菜、レタス、蕪、玉ねぎ、きのこ類…などなど。

さて、白菜はそのほとんど、95%は水分です。

栄養素としては、カリウム、カルシウム、ビタミンC、ビタミンKなどが含まれていて、血液生成の必須ミネラル「モリブデン」も含まれています。
食物繊維も合わせて、全体にバランスがよいと言えますね。

薬膳では「白菜・大根・豆腐」を合わせて「食養三宝」とも言います。中国の「長寿の薬膳」から来ているものだそう。

白菜のビタミンCは水溶性なので、今回のお料理で水気が出たら、そのスープもぜんぶいただくといい感じです。

ちょっと時間はかかりますが、ひと鍋で済みます。
他のメニューがあるときには最初にこの「オイル蒸し」を作りはじめて、加熱の間に取りかかるといいかもしれません。

では、いってみましょう!

材料はこちら。

材料<2人前>

  • 白菜・6〜7枚(外側、内側の葉なら1.5倍ほど)
  • ちりめんキャベツ・小1個(大なら1/4個くらい)
  • ブロッコリー・小ぶりのもの1個
  • にんにく・ひとかけ
  • オリーブオイル・大さじ3〜
  • ・小さじ1/2〜(やや多めのひとつまみを3回くらい)

道具

  • 蓋付きの鋳物鍋(または厚底鍋)(注2)
  • 大きめのボウル
  • 木べら
  • サラダスピナー

まず、葉ものは洗って水気をしっかり切ります
キッチンペーパーやサラダスピナーなどを使って、丁寧に。

にんにくは皮をむき、厚めの包丁の背でつぶします(注3)。
つぶしたら、縦方向にザクザク切っておきます。

ブロッコリーも洗って小房にわけます。
茎は7ミリくらいの輪切りにして、一緒にいただきましょう!

キャベツは少しだけ芯を残して4つ割りに。

野菜の準備ができたら、にんにくを真ん中に置いて、周囲にキャベツを入れていきます。

まずはここで塩を「親指+人差し指&中指」でやや多めにひとつまみして、パラパラかけます。
続いて、キャベツにかかるようにオリーブオイルを一回し

白菜は、葉っぱと茎の境目あたりでざっくりちぎります。葉っぱはそのまま、茎は適当な大きさに手で割って鍋に入れます。

入れ終わったら、もう一度、塩をパラパラ、オリーブオイルをくるっと一回し

そうしたら、手でオリーブオイルを野菜になじませてやります

オイルが足りないと感じたら、少しずつ足していき、全体にオイルがまわってツヤっとするまで、そっとなじませます。

ブロッコリーも手のひらで軽く握るようにして、花房のほうまでオイルをなじませてあげます

ブロッコリーの下ごしらえが終わったら、もう一度、塩をパラパラ

あとは鍋に蓋をして、コンロのごく弱火で加熱します。
水分の多い野菜をごく弱火で加熱するので、そうそう焦げる心配はありません。

最初は何も音がしませんが、そのうちに「シューーー」っと音がしてきます。

蓋から元気よく蒸気があがるようなら、火が強すぎるので弱めてください。
ゆらりと細い蒸気が上がるくらいなら、大丈夫。

10分くらいごとに蓋を取って、蒸し煮の状態を確認してみてください。
蓋についた水分は、ぜんぶ、鍋の中へ落としてやります。

葉ものが多いときは水分が多めに出るので、途中で蓋を取って、水分を蒸発させてもOKです。
水分が多いまま仕上げて、お汁をスープのようにいただくのもまたよしです。

この日はちりめんキャベツでしたのであまり水分は出ず、キャベツに焦げ目がついたところで、木べらで上下を返して加熱しました。

全体にオイルがまわって、野菜が柔らかくなったらできあがりです。

加熱具合はお好みですが、わたしは柔らかめの、ちょっとクタクタしたのが好きなので、30分かけました

できました!!
ちょっと焦げ目のついたキャベツが、なんとも香ばしい仕上がりです。

野菜に含まれている水分によっては、薄味になることがあります。
食べるときに塩が薄いようなら、塩を添えて召し上がってください(注4)。

胡椒やチリなども、お好みでどうぞ。

パンを添えたら立派な1食になりますし、オイルベースのパスタにからめても美味しくいただけます。

副菜としても役立ちますので、加熱している時間を使って他のものを作るのもよいでしょう。
鍋ものの残りだけでなく、いろんな野菜でお試しください。

白菜をメインにご紹介しましたが、季節を問わずに使える調理法なので、春になったら春キャベツを使って作るのもまたよしです!


注1
根菜を使うときは、薄めに切って鍋の底に入れるなどして、葉ものと加熱時間が同じくらいになるようにしてください。
きのこ類などの柔らかいものは、一番上にのせて加熱すると調節しやすいです。

注2
わたしは22センチのストウブを使いました。

注3
にんにくの芽が気になる方は、ここで取り除いてください。わたしは気にしないほうなので、そのままです。

注4
塩が濃いよりは、薄めに仕上げて食べるときに調整するほうがよいと思います。

すっかり冬ですね。
夏の終わりから秋にかけて収穫された、根菜たちが主役の季節がやってきました。

根菜の中でも、収穫後に長期保存がきき、あたたかいお料理に向いている「かぼちゃ」

生でも美味しいですが、かぼちゃのポタージュ、煮物、パンプキンパイ…などなどの火を通したかぼちゃの甘味は、寒い時期のお楽しみのひとつです。

かぼちゃは涼しいところで保存すると、2ヶ月以上もちます
わたしの知っているファーマーさんは「5ヶ月はもっちゃうよ?」と言ってました!

一般家庭の暖かい家ではそこまでの保存はちょっと難しそうですが、かぼちゃが長く保存できる野菜なのは間違いありません。

それどころか、追熟した方が甘みが出て美味しくもなるのです。
これはかぼちゃに含まれるデンプンが、熟成によって糖分に分解されることで起きるもので、ホクホクした食感も、それによって増します。

ご存知の通り、かぼちゃは代表的な緑黄色野菜です。
カロテンのほか、ビタミンCカリウムビタミンEを豊富に含みます。また、食物繊維もたっぷりで、便秘の予防や改善にも役立ちます。

βカロテンには粘膜や皮膚の健康維持のほか、呼吸器系を守る作用もあるので、ぐっと寒さが増してくる12月からの冬本番には、食べておきたい野菜です。

日本の習慣にも「冬至にかぼちゃを食べると風邪をひかない」…というのががありますね。

かぼちゃを選ぶ時は、皮にハリとツヤがあり、軸が太くコルク状にしっかり乾燥しているものがいいです。これは収穫後によく熟成されている証拠です。

そして、形は左右対称がよく、軸の周りがへこんでいるものを選びます。
持ったときにズシッと重みを感じることも大事。

カットされていて種の部分が見えるものなら、種がよくふくらんでいることも目安になります。
種が平べったいままのものは、未熟な状態で収穫されてしまったものだからです。

緑または黒系の皮のかぼちゃは時々、一部が黄色やオレンジになっていることがありますが、これは成長時に日が当たらなかったために起きているもので、悪いものではありません。

ここの色を見ると中の様子が想像できる、便利なものでもあります。
つまり、オレンジ色が濃い方がよく熟している…ということです。

そんなかぼちゃを、今日は「揚げないコロッケ」にしてみます。

「揚げないコロッケ」、というと「ぇつ」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、油をあまり使わずにコロッケのお味を楽しめる「楽ちんメニュー」です。

揚げ物の作業が苦手でも全く問題ないですし、衣をつけることもないのでキッチンも手も汚れません
種を作ってオーブンで焼いて出すだけ…なので、時間も節約できます。

一度おぼえてしまうと、普通のコロッケづくりには戻れない…かも?

材料はこちら。

材料<8インチ(22センチ)のベイク皿用・2〜3人前>

  • かぼちゃ(注1)・半個(種を抜いて約450g)
  • じゃがいも(注2)中1個(皮をむいて120g)
  • にんにく・ひとかけ
  • 玉ねぎ・大きめのものの1/4個
  • きのこ(注3)・合計で140g
  • オリーブオイル・大さじ1+大さじ1
  • パン粉・大さじ4
  • ・適宜(量は後述)
  • 胡椒・適宜

道具

  • 蓋付きのフライパンか小鍋
  • 蒸し器(万能蒸し器+鍋でもOK)
  • ベイク皿(8インチ)
  • 大きめのボウル
  • 小さめのボウル
  • シリコンべら
  • 木べら(ターナーでもOK)
  • ピーラー
  • マッシャー
  • 計量スプーン

オーブンを360F(180C)に予熱します。
蒸し器にはお湯を沸かし始めます。

まずはかぼちゃから。
かぼちゃを割る時は、まず軸の周りに包丁を入れて、軸だけを外します

かぼちゃはこの軸を外したところから包丁を入れると、あまり力をかけなくても割れます。

玉ねぎ、にんにく、きのこ(注4)は全てみじん切りにします。
マッシュルームとしいたけは、軸のかたいところだけ切り落として、軸もみじん切りにして使います。

フードプロセッサを使ってもOKですが、個人的には食感の楽しさが生まれるので手切りがおすすめです。

粒が揃ってなくても大丈夫!!
逆にそれが楽しい仕上がりになります。

冷たいフライパンか小鍋に、みじん切りにしたにんにくと玉ねぎを入れ、オリーブオイル大さじ1をまわしかけます。
塩を人差し指+親指でひとつまみ、全体にパラパラとかけます。

そのまま点火して弱火にかけ、じっくりとにんにく&玉ねぎを炒めます。
時々かき混ぜてやり、焦げないようにしてください

炒め上がりには10分ほどがかかります。

その間に、かぼちゃは種をとり、皮をむいてから(ピーラーを使うと便利です)だいたい同じ大きさになるよう、一口大に切り分けます(注5)。
じゃがいもも皮をむき、同じくらいの大きさにします。

切り終わったかぼちゃとじゃがいもは蒸し器にセットし、10〜15分くらい強めの中火で蒸し上げます(注6)。

さて、玉ねぎとにんにくがこんな感じで少し色づいて透明になったら、きのこを入れます。

きのこに油が回るよう全体をよくかき混ぜたら、塩をひとつまみふりかけて蓋をします。

5分くらいしてきのこがクタッとしたら蓋をとり、水分を飛ばすように炒め上げていきます。
焦げないように時々かき混ぜてくださいね。

こんな感じで炒めあがったら、そのまま火を止めて粗熱を取ります

かぼちゃ&じゃがいもは、柔らかく蒸しあがったらボウルにあけて、マッシャーでつぶします。

全体がつぶせたら、塩をふたつまみと軽く胡椒をしておきます。
ここへ炒め上がったきのこを入れて、練らないようにさっくりと混ぜ合わせます

よく混ざったかぼちゃ&きのこはそのまま置いておき、手でさわれるくらいになるまで粗熱を取ります

その間に、ベイク皿とパン粉を準備しましょう。
まず、ベイク皿には油(分量外)を薄く塗ります(注7)。

パン粉は小さめのボウルに入れ、オリーブオイル大さじ1を回しかけます。
これをシリコンべらやスプーンなどでよく混ぜてやり、パン粉全体に油が回るようにします(注8)。

粗熱が取れたかぼちゃときのこをベイク皿に入れ、シリコンべらなどでならしてやります。

さらに、さきほどの油をまぶしたパン粉をベイク皿に入れたかぼちゃ&きのこの上にまんべんなくのせてやります。手を使ってやると上手く行きます

パン粉が綺麗にのったら、オーブンに入れて20分〜30分
中身には既に火が通っているので、パン粉に焼き色がつくまで焼きます

できあがりました!

召し上がるときには、中濃ソースウスターソースお醤油ケチャップなどなど、お好みの調味料でどうぞ。

ソースをかけることを前提にして薄味にしてあるので、ソース無しで食べるのであれば、かぼちゃのマッシュにもう少し塩気を足すといいと思います。

お供にはシンプルにキャベツの千切り、グリーンサラダなど「コロッケを食べるときの付け合せ」がいい感じです。

ソースをかけて食べると、たしかに「スプーンで食べるコロッケ」になります。
食べやすいのでお子さんにも喜ばれそうです。

もしも残ってしまったら、パン粉も一緒にスープで軽く煮ると、少し粗めのポタージュにもなります。残りを焼き戻すのが面倒な時におすすめです。

焼き戻す時は、全体にホイルをかぶせて360F(180C)で20〜30分くらい、全体があたたまるようにします。
最後に様子を見ながら3〜5分ほどホイルを外して湿気を飛ばすと、パン粉がカリッと仕上がります。

揚げないとはいえ「コロッケ」なのでじゃがいもで作ってもOKですが、かぼちゃを使えばオレンジ色が華やかで、パーティの一品にもなりますね。

さつまいもで作っても美味しくできそうです!

本格的な冬の寒さは、栄養素たっぷりの野菜を使ったアツアツのオーブン料理で乗り切りましょう!!


注1
かぼちゃは水分が少なく、加熱するとホクホクするものを使います。
つまり、日本かぼちゃや栗かぼちゃは向いていますが、洋物のかぼちゃ(スクワッシュ)は向いていません。

バターナッツスクワッシュ、エーコンスクワッシュ、オレンジパンプキンなどの水分が多いものはNGです。
アメリカでも「Kabucha」「Japanese Pumpkin」などの名前で普通に売られるようになった、日本系のかぼちゃを使ってください。

注2
かぼちゃの水気を調節するものなので、ネットリ系ではなくてホクホク系のじゃがいもを選んでください。
アメリカのじゃがいもでしたら、オールパーパスのホワイトポテトなどが向いています。ベイクして美味しいユーコン、アイダホ、ラセット(皮の赤いじゃがいも)などは向いていません。

注3
組み合わせはなんでもOKです。
わたしは今回、ホワイトマッシュルーム(ボタンマッシュルーム)を6個、しいたけを4枚使いました。

一種類のきのこで作ってもOKですが、できれば組み合わせると香りと旨味が違います。

注4
きのこは基本的に水洗いをしません。乾いたふきん、ペーパータオルや刷毛などで汚れや土をとるだけにします。
よほどひどい時には、濡らしてよく絞ったふきんやペーパータオルなどで掃除してやります。

注5
かぼちゃは種から傷むので、残す方のかぼちゃからも、種を取り除いてください。種を取り除いたら、ピチッとラップをして冷蔵庫保存し、3〜5日の間で食べきります。

注6
わたしは「電子レンジを使わない派」なので蒸し器で調理していますが、レンジを使う方は、レンジで加熱しても構いません。

注7
ベイク皿に焦げ付くのを防ぐためにやります。

注8
わたしが使っているのは、ライ麦パンを乾燥させて自作したパン粉なので、色がついています。
わざわざ自作される必要はなく、いつもお使いの市販のパン粉でもちろんOKです。イタリア式の目が細かいものでやるとヨーロッパ風に、日本のパン粉のように粗いものでやると日本風の仕上がりになります。

今回もまた番外篇として、カナダのトロントに行ってきた時の写真や雑談をシェアします。

マンハッタンをうんと北に登って「アップステート」と呼ばれる地域を抜けると、カナダに入ります。ご存じの方も多いと思いますが、実はニューヨーク州ってかなり北に長いのです。

英仏語が公用語のカナダにあって、英語圏であるトロントはカナダでも「アメリカ色が濃い」と言われます。アメリカのチェーン店がいくつも進出しているので、街なかでおなじみのロゴを見かけることも。

でも、わたしが行ったのはこんな牧歌的な風景が楽しめる、トロントから車で3時間ほどの北の街です。

まずは楽しみにしていた、ファーマーズ・マーケットへ。

しかしながら、11月の頭は既に「木でできたクリスマスツリー」が売っているくらいのシーズンオフ目前で、出ているベンダーも最盛期の1/3くらいでした(注1)。

売っている野菜もほとんどが保存の効くものたち。
にんにく、かぼちゃ類、いも類、根菜類、キャベツ…などなど。そして寒さに強いケール。

個性あるトラックで野菜を売りに来ている農家さんがいくつかいて、見た目にも楽しめます。

寒い地域ならではの、アルパカ製品を売っているベンダーもいました。
夏にはアルパカを連れて来ていたそうです!

わたしはこのマーケットでは「ヤギ乳の手作り石けん」を買いました。
香りづけにハーブや精油を使っただけのシンプルな洗顔用石けんで、泡立ちは少ないですが毛穴の汚れがよく取れて、肌がツルッツルになります!

こちらはギフト用にもなりそうなにんにく。
編みこみで茎をまとめてあり、チャームとして自然石がついているものも。ナチュラルなスタイルのキッチンなら、実用も兼ねた飾りになりそうです。

翌日に訪れたのは、街なかの自然食料品店です。

人口密度が少なく、土地がたっぷりあるカナダでは、中心地以外の街なかではあまり高い建物がなく、施設はとにかく横へ横へと広がっています。
このスーパーがあるショッピングセンターもご多分にもれず、横に平べったいスタイルです。

食料品、雑貨、お惣菜、そして自然派化粧品や健康系商品など、アメリカにもよくあるお店の品揃えです。

しかしながら、中規模のサプリメントストアが丸ごと入っているかのような健康系商品の売り場の広さには、ビックリでした!

入ってすぐのところにあったお惣菜コーナーでは、スープ類が瓶入りで売られていました。ラベルもすぐにはがせるシンプルなものです。

食品のにおいや油がなじみやすいプラスチックのコンテナの場合、中に入っていた食べ物によってはきれいに洗って使い回すのがちょっと面倒ですが、瓶ならにおいもつきませんし、洗えばすぐ、きれいになります。

これはぜひ、アメリカでもやってほしいなあ…と思いました。
重たい、割れる…などの欠点はあるでしょうが、プラスチックではないというだけで、個人的には気持ちよく感じます。

冷たい飲料の冷蔵庫で売られているお水にも、100%リサイクルで作られたペットボトルを使ったものがあります。この緑のボトルがそれです(注2)。
こういう製品を見ると、お店のモラルの高さを感じますね。

この地域にはドネーションによって運営されるセカンドハンド・ショップも多く、そこで売られている商品はかなりきれいです。ものを大切に使い、使わなくなったらリサイクルする…という感覚が人々の身についているように感じました。

お惣菜のガラスケース内のディスプレイも可愛い!
適度な空間があるために詰め込み感がなく、見やすくなっています。
アジア人が少ない地域ということですが、意外にエスニックなメニューがありました。

友人のおすすめは生地がスペルト小麦(注3)でできている、専門のシェフが店頭で焼くピザ

…というわけで、軽いお昼ごはんにいただいてみました。

このピザ一切れが4カナダドルくらい。
米ドルだと3.5ドルという感じでしょうか。

白小麦の生地と違ってモチモチ感は少なめですが、小麦の香りがふくよかで、硬めの歯ごたえが気持ちよかったです。上にのっている野菜の種類と量もたっぷりで、満足の行くお味でした。

この時、友人が飲んでいたのが「マッシュルーム・ラテ」
これは「チャーガ」という野生のきのこ(注4)を粉末にしたものが使われていて、カナダでは健康食品として愛飲されているそうです。

ちょっとお試しでもらったお味は…ミルクの奥の方にきのこの香りがある…という、不思議なものでした(笑)

野菜売り場では、一部のレタスがこんなふうに売られています。

カナダではこの形での販売が多いそうで、このまま水をやって水耕したり、夏なら土に埋めて育てたりもするそうです。「鉢」はもちろん「バイオ系素材」で、このまま土にかえすことができます。

アメリカでもそのまま土に埋め込んで使えるよう、ハーブの鉢が同じような「バイオ系素材」で売られていることがありますね。

これはカナダならではの「メイプルの樹でフィルタリングした水」
メイプルシロップを作る際に出るもので、今までは捨てられていたものだそうですが、今は有効利用をしようという動きがあるようです。

和食系の商品棚も立派なものです!

味噌と醤油だけで棚が上から下まで埋まっていて、きちんとした「みりん」も数種類ありました。
わたしの最寄りのWhole Foods Marketよりもすごい品揃えです。

この店を利用する層は発酵系に関心が深いのか、「発酵101」と名づけられた、初心者向けのワークショップの告知も見かけました。

こちらはジャム。
カナダの製品はパッケージデザインが美しいものが多く、シンプルだったり可愛かったりと、購買意欲をそそります。

こちらは羊乳製ヨーグルト。
何とも可愛く、これならまた買おうかな…という気になります。

この街にはこうした自然食料品店がいくつもあり、どのお店もゆっくりと店内をながめるだけで十分に楽しめます。
お店ごとに個性や傾向がありますが、総じてどれもインテリアや造りがきれいです。

他にも、経営者のカラー(出身国など)が強く出ているスーパーマーケットなどもあって、こうした個性のあるお店を回るのが、カナダを訪ねる時の大きな楽しみになっています。

実はまだまだ回りきれていないので、この次は、雪がなくなる春の終わりくらいにまた訪ねようと思っています。

注1)カナダのサンクスギビングは10月なので、11月頭の街や店は既にクリスマス一色です。

注2)カナダは公用語が英仏のため、製品のパッケージは両言語を記載することが法律で定められているそうです。
この水のボトルも、ちゃんと英仏併記になっています。

注3)スペルト小麦は「古代小麦」と呼ばれている、昔ながらの品種改良をしていない小麦です。グルテンが少ないこともあり、グルテンアレルギーのリアクションが起きにくいと言われています。
実際に、わたしが出会ったグルテンアレルギーの方も「スペルト小麦の製品は食べられる」とのことでした。

注4)「チャーガ」は和名をカバノアナタケ、別名で「シベリア霊芝」とも呼ばれます。
森を探しまわっても1〜2本とれるかどうか、というくらいの非常に希少な「幻のきのこ」で、抗酸化作用、抗腫瘍作用、免疫増強、美容効果などがあるとされています。