「四季豆(スージードゥ)」は、さやいんげんのことだそうです。

でも、料理の名前でもあるようで、「干扁四季豆(ガンビェンスージードゥ)」という料理がメジャーなもののようです。「干扁」とは、たっぷりの油で炒める、という意味だとか。

わたしがこの名を知ったのは、中国在住の方のブログ主さんが、いつも前菜やサイドオーダーで「四季豆」を頼んでいらしたことから。
その後、ウー・ウェンさんの本「大好きな炒めもの」で、四季を通じた「四季豆」のレシピが掲載されていて再会しました。

ウー・ウェンさんのレシピではさやいんげんだけではなく、枝豆やえんどう豆、スナップエンドウを使ったりもしていましたので、わたしの中では「四季豆」=「前菜やサイドで頼む、さや豆の炒めもの」という認識なのですが、正確なところはわかりません。

そんなわけで、これは日本人のわたしがアレンジしてしまった四季豆です。

ファーマーズ・マーケットで買ってきたいんげんとコーン、そして人参。
でも、ちょっと一捻り…というわけで、この人参は、ぬか漬けを刻んだものです。

お漬物を炒めたり加熱する料理法は、たぶんどこの国にでもあるのではと思いますが、ぬか漬けを炒めるのもまたオツなのです!

塩と少しのお醤油で調味して、ゆるーく葛粉でとろみを付けてソースを具材にまとわせます。
仕上げに花椒を粗挽きにしたものをパラッとしてできあがり。

3色の野菜が揃うと、見栄えも綺麗でいい感じです。

これはお客様がいらしたときのサイドで作ったものですが、これに玉子とトマトの炒めものとかんたんなスープでもあれば、ちゃんとした食事にもなりますね。

意外に応用力が高い「四季豆」、よく作るメニューです。
中国料理の観点からすると「えーーーー??」って感じかもですけどねw

パティパン・スクワッシュってご存知ですか?

UFOっぽい形状の、丸っこい三角錐のズッキーニ(サマースクワッシュ)の仲間です。
色は黄色だったり白だったり緑だったり…半分黄色で半分緑、なんてパターンもあります。

見た目が可愛いので、マーケットでは結構な人気者です。
食べ方とお味はズッキーニと一緒です。生でもいいし、ソテーしても、ローストしても。

この日は、そのパティパンをスライサーで薄くスライスして、サラダにしました。
メインがこってり味だったので、サラダはシンプル&あっさりで。

ひらひらの丸いスライスになったパティパンを、塩胡椒とオリーブオイル、赤ワインビネガーで味付け。
最後にフェタチーズをいっぱい削ってふんわりのせて、炒ってから冷ました松の実をトッピング。

てっぺんには、一輪だけ残っていたエディブルフラワーをのせました。

氷水に放っておいたひらひらのパティパンはサックリとした歯ごたえで、松の実の柔らかさが引き立ちます。
普通のズッキーニを、縦方向に薄くスライスして「リボンのようなひらひら」にして作っても、同じ感じにできます。

実はパティパンもズッキーニもぬか漬けにすると美味しいので、わが家ではローストと並んでぬか漬けとしてもよく登場します。

たまにはこんなふうに、生をサラダでいただくのも、楽しいですね!

日本にいたときは、アサリでやっていたおつまみです。

出汁が出る貝類なら何でもよくて、要は汁気の多い酒蒸しを作って、そのお汁でお豆腐を温めるのです。
少し強めに塩で味付けすれば、タレも要りません。

貝殻はそのままでも見栄えがしますが、外しておくと食べやすいです。

ちょっとネギを刻んで薬味にして、貝の身とお豆腐をいただいて…。
もちろん、最後はお汁もしっかりいただきます!

お汁で雑炊を作ってもいいし、おそうめんを入れて煮麺もまた、〆には素敵です。

この日に使ったのは、リトルネック・クラムという、クラムの中では小さめのもの。
日本では「ホンビノス」と言う名前で出回っているようですね。

日系のスーパーでは時折「ハマグリ」と書かれていますが、ちょっと違う種類のようです。

なんというか、「クラム」のほうがハマグリよりも身がしっかりしていて、肉厚な感じがします。
お出汁がよく出て美味しいのは、どちらも同じ。

また、酒蒸しだけではなく、焼貝にしても美味しいのも、同じです。

日本酒も合うのですけど、この日はよ〜く冷やした白ワインと一緒にいただきました!!
これもまた、オツなんです!

たま〜に作る、日本のカレー。

でも、ルーはもちろん使いません。
カレー粉を使い、とろみ付けには米粉を使ってます。

支配人がシャバシャバのカレーが好きではないので(唯一OKなのはタイカレーのみ)、わが家ではどのカレーもとろみのある仕上がりになります。
日本のカレーの場合、ソースにとろみを付けられる要素が少ないので、米粉を使うわけです。

最近はじゃがいもを入れなくなったので、具材は肉・人参・玉ねぎ(ソースのベースと具材のダブルで入れます)。
じゃがいもが嫌いなわけではなくて、日持ちの問題と、食べた時の重さが気になるからです。

そういえば、シチューにもあまり入れなくなりました。

日本のカレーを作るときは、多めに作ります。
残ったカレーのアレンジが、楽しいですからね!

カレーうどん、カレーそば、ドリア、グラタン、チーズ焼き、ドライカレー…。
その日の気分で色んな展開ができるのが、カレーソースのすごいところ!

で、今日はカレーうどんを選びました。
残りのカレーではなくて、最初からカレーうどんを作ることもあるのですが、そっちはちょっとよそ行きな感じ。

残りのカレーで作るカレーうどんは、まさに「おうちごはん」。
見た目は地味だけど、気取らない味わいが最上です。

カレーソースを濃いめの出汁で少しのばして、お醤油で味を整えたらできあがり。
じゃがいもが入っていないカレーなので、うどんとよく馴染みます。

ごはんと食べたときとは違う風味が楽しい!!
全部、残さずにいただきました!

お客様のために予約した、地元で丁寧に養殖しているロブスター。

車ででかけてピックアップすることになったけど、お客様がいらっしゃる前日にしか養殖場の窓口が空いていないので、前日に取りに行くことに。

そして、どうせオーダーするのなら、一匹多く頼んで(もちろんお支払いは自分たちでしますよ!)、ピックアップした日の「まかない」にすることにしました。

支配人は大きな頭に入った「海老味噌」が大好物だけど、わたしはアレルギーがあってダメ。
ふたりで尾の身を半分ずつ、はさみをひとつずつ、それにサラダでもあれば十分に一食になります。

ロブスターのソースというと、アメリカのシーフードレストランでは「溶かしバター」がつくのが主流だけど、いなわら亭のおすすめは「レモン醤油」。

レモンを遠慮なくたっぷり絞っただけでも、ロブスターの甘みがわかって美味しいんだけど、そこにお醤油をちょろっとすると…これがもうたまらんのです!
ま、これが「たまらん」のは日本人だけかもしれないですけどねw

わたしも支配人も、どうも溶かしバターでこってりさせるのが苦手なので、この「レモン醤油」がお気に入りです。
ちょっといいお醤油を使うのがコツと言えばコツかな。

この日も、サラダを作ってザクザクいただき、蒸した新じゃがいもを添えていただきました。

ランチのあとは、お客様のために仕込みです。
美味しいものをいただいた後は、モリッとがんばれちゃいますよ!

数年前からマンハッタンで流行ってる(?)ポキ(ポケ)丼。

ハワイファンのひとりとしては、もちろん大好きです。
が、東海岸のお店で食べたことはないです。

なんというか、お店のは「ポキ丼」と名乗ってる別物…という感じだから。
アボカドはともかく、彩りのためなのか枝豆やラディッシュなんかがのってたりして、そういう「小技」が気に入らないというかねw

わたしが好きな「ポキ丼」って、例えば「ポキ2種類にスクープライス(アイスクリーム用のスクープですくった白ごはん)がドーン、以上!」…みたいな、田舎っぽいやつなんです。

そんなわたしが作るポキは、当然ながらシンプルです。

お魚はいつもの、ロードアイランドの漁師さんから買ったもの。
ブルーフィン(クロマグロ)を使えたらいいけれど、今年は未だに出会えていないので今日はイエローフィン・ツナ(キハダマグロ)です。
淡白な味なので、ポキの味付けが合うのです。

一口大の角切りにしたツナ、おろしにんにく、小口切りのネギ、やや厚めにスライスした赤たまねぎ、水で戻しオゴ(海藻)、白ごま(半ずり)を合わせて、お醤油とごま油で30分ほどマリネするだけ。甘みは入れません。

キムチを入れることもありますが、今日はプレーン。
アボカドを入れるのは個人的に「ありえん」ので、使いませんw

できあがりを支配人はおつまみで、わたしは白ごはんにちぎった海苔と一緒にのせてポキ丼に。
ちょっとのせたグリーンは、わさびの芽です。

な〜んの飾りっ気もないけれど、こういう感じが「わたしのポキ丼」。

オアフ島にある大好きなポキのお店を思い出しつつ、味わいました!

今年も出会えた、日本茄子。

ここ3〜4年くらい、地元のファームが日本茄子を作ってくれるようになりました。
アメリカで主流の、ヘタが緑のイタリア茄子や米茄子ではなくて、ヘタが紫の日本の茄子。

日本の茄子的には「長茄子」にあたると思います(ずんぐりしていなくて、細長い)。
種部分が適度に柔らかいので、火を入れる料理に使うと、とろける食感を味わえます。
細いものはお漬物にしてもいい感じに。

今日はその日本茄子で、蒸し茄子を作りました。
皮をむいて蒸してから自家製めんつゆをかけるだけの、かんたんなおつまみです。

走りの頃はまだ皮も硬くないので、むいた皮は刻んできんぴらに。
これでもう一品。

蒸し上がった茄子の色の、なんとキレイなこと。
翡翠色とはまさにこれのことですね。

粗熱をとってから冷蔵庫でしっかり冷やしておいたものを、器に張った自家製めんつゆにのせて。
薬味に新生姜のすりおろしをたっぷり、紫大根のカイワレもたっぷり。

夏の上等なおつまみになりました!

生が出回るようになって作るコーンスープは、美味しい。

でも、本当に夏にしか食べないスープと言ったら、これ。
ガスパチョです。

トマト、きゅうり、唐辛子、新玉ねぎ、ピーマン…が一堂に会する、その時期だけの「夏の本命スープ」。

家で作るなら、野菜はあるものを使えばいいのですが、外せないのはトマトときゅうりあたりでしょうか。わたしはきゅうりの代わりにズッキーニを使うことも。
ピーマンや唐辛子を入れると、ほんのりした苦味や辛味がついて、コクが出るように思います。
玉ねぎやにんにくは、ピリッとした刺激をくれます。

わたしの場合、トマト、きゅうり、ピーマン、玉ねぎ、にんにくを材料に、オリーブオイルとシェリービネガーを使います。
シェリービネガーは本式のレシピでも使うもので、ここをおさえるだけでもちょっといい感じに。

本格的にやるならパンを水に浸したものを一緒にしますが、なくてもそれはそれで美味しいです。
パンを入れると少し重たくなって腹持ちが良くなる感じはしますが。

パンがなければ、パン粉をふやかして入れても結果は同じ!
だって、ミキサーでがーーっとやっちゃいますからね〜。

塩胡椒だけでシンプルに味付けして、酵素が生きているうちにさっさといただきます。

時間がたつと分離してしまったりして、見た目も味も落ちてしまうので、ガスパチョはいつも、支配人が食卓についてから作ります。

実はちょっとした裏技なのですが、作る時に加えるお水を炭酸水にすると、すご〜くふんわりした仕上がりになるんですよ。思いつきでやってみたのですが、これがなかなか。
使う炭酸水は無加糖・無香料のものにしてくださいね!

仕上がりに気分でレモンやライムを絞っても美味しいです。

もと住んでた街の海際にあるシーフードレストランが、リニューアルオープンしたとか。

しばらく行かなかったので、3ヶ月閉店していたことも知らなかったけれど、たまたまニュースでその記事を目にしました。

シェフも変わって、料理もだいぶ変えた…ということなのですが、目玉はなんと言っても「曜日で値段が変わっていくハッピーアワーの生牡蠣」でしょう。

月曜日の25セントから始まって毎日、少しずつ金額が上がっていき、日曜日には1.25ドルになるという仕組み。
デッキのバーでのみの提供になるようです。

それは一度、行ってみないと〜〜〜〜!
…というわけで、腎精チャージしにきたのでした。

お昼はガスパチョだけいただいて、ハッピーアワーに食べるように調整までしたりして。

牡蠣は小ぶりだし種類も選べませんが、このお店のオーナーは牡蠣の養殖所を運営しているファミリーだし、品物はマンハッタンのレストランにも卸しているものと同じで、クオリティは万全。
しかも養殖所はすぐ近くなのです。

アメリカでは一年中、生牡蠣を食べます。
出てきた牡蠣は小ぶりと言えばそうですが、夏の牡蠣はこんなものでしょう。

周囲では何ダースも山のように牡蠣を頼むグループやカップルでいっぱい。
わたしたちもひとり1.5ダースという、いつもより多めの牡蠣をいただきました。

このハッピーアワー、冬になっても続けるのかどうかはわかりませんが…。
デッキで食事ができる間に、もう一度くらい「腎精チャージ」に行こうと思います。

マーケットには引き続き、盛夏の象徴みたいなコーンがいっぱい出ています。

サラダにしたり、スープにしたりしますが、わが家は支配人の事情があって丸かぶり禁止なので、基本的には芯から粒を離して料理します。

ファームによっても甘さが違うので、食べ比べるのも面白い。

わが家はあまりにも甘いものではなく、そこそこ青くさくて野菜っぽいのが好みです。

今回は、生のコーンからつぶをこそげて、炊き込みごはんにしました。
芯を一緒に炊き込んで、そこから出る出汁で味わう「まるごととうもろこしごはん」です。

炊きあがったごはんはなんとも可愛い、黄色と白のコントラスト。
ふわっとあがる香りもよく、思わず「夏だねえ」なんて言ってしまいます。

味付けはシンプルな塩だけですが、今回は仕上がりにバターを落として混ぜ込みました。
お椀によそったら、乳製品と相性のいい白胡椒をガリガリっと挽きかけてできあがり。

プリッとしたコーンと、炊きたてごはんのやわらかい粒。
色味だけじゃなくて、食感にもコントラストがあって、楽しいごはんでした。