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引越し後の生活も徐々に落ち着いて、料理もいつもどおりになりました。

でも、なんとなく疲れがとれず、厳しくなってきた暑さもあいまってちょっと体調不良気味。
そんなときには薬膳でしょう、と参鶏湯を作りました。

ご存知、鶏をまるごと使い、たくさんの生薬を煮出したスープでコトコト炊いて作る薬膳スープの参鶏湯は、なんとなく冬のイメージがありますが、実は夏の食べ物なんだそうです。

暑さで胃腸がへばったり夏バテしている時に熱々をいただいて汗をしっかりかき、さらに栄養素や生薬の薬効成分をしっかりとることで身体の機能をリセットするものなんだとか。

急な思いつきだったので丸鶏は用意できませんでしたが、骨付きの鶏もも肉があったので、2本を贅沢に使って作ることに。
生薬は、韓国系スーパーで購入した朝鮮人参入りの「参鶏湯セット」を使いました。

細めの朝鮮人参ですが、数はたっぷりめ。
これは効きそうです!!

ランチにしっかりいただいて養生して、その残りを夜にまたいただきました。

本当は丸鶏のお腹につめて炊くもち米ですが、今回はそれが出来なかったのでスープにそのまま入れて炊きました。
仕上がりは重湯たっぷりのゆる〜いおかゆ、という感じでしたが、スープに適度なとろみが付いて美味しかったです。

お昼はスープとお肉を中心にいただいたので、夜は底に残っていたおかゆ部分をいただく形になりました。

汁気たっぷりのおじやにクコの実をたっぷりトッピングして、養生食の1日です。

引っ越しの翌日は、元の家でまだ作業がありました。

掃除の仕上げをして、冷蔵庫の中身を引き上げて、最後に鍵を返す。
朝から始めたこれらの作業が終わったのは、午後遅めでした。

ランチタイムにはギリギリセーフ。

なんとか終わったのはいいけれど、前日の引越し当日の疲れもまだ残っていて、さすがにまだ料理をする気にはなれず。
ひとまず近所で外食することにしました。

絶対に疲れて考えがまとまらなくなるのはわかっていたので、「何を食べるか」は事前に決めてありました。
悩んだ挙げ句に、手近でつまらないものを食べるのはイヤだしねw

というわけで、選んでおいたのはメキシコ料理。
水辺のレストランで風景もまずまずだし、普段ならデッキで食事をするところですが…。
疲れている上に力仕事で体温が上がりっぱなしというわけで、今日は室内の涼しい場所を選んで。

まずはビールで支配人と引っ越しの完了をお祝い。
あとは好きなものを頼みました。

わたしが頼んだのは、メキシコ風のスパイスを使ったジャンバラヤ。

アペタイザーサイズなので、ポーションが小さくていい感じです。
もともと「猫わけ」なので一度にたくさん食べられない上、疲れでまだ食欲が戻っていなかったので、丁度いい量でした。

荷ほどきはすでに済ませてあるので、ちょっと台所を整理すれば、明日からは料理ができそうです。
ひとまず、ちょっと栄養補給!

引っ越し、がんばりました!!

とうとう、引っ越し前夜。

近所の引っ越しなので、冷蔵庫の中身は整理したものをそのまま持っていくことになるので、冷蔵庫には食材がありますが…。
しっかり調理でたくさん洗い物を作るのも嫌なので、サクッとしたメニューにしました。

「豆乳にゅうめん」です。

使い切りたかった豆乳もあったし、ひと鍋でできあがる軽食なので、ぴったりです。

作り方はこちら
おそうめん、豆乳、ネギ、醤油、ラー油があればできちゃう、手軽なにゅうめんです。

作り始めて10分以内でできあがるのもまた、いい感じ!

カップラーメンなら確かに3分ですが、お湯が沸く時間を入れると、あんまり変わらない感覚で作れます。
しかも、こちらは添加物なしのシンプル料理。

コツは、添加物のない豆乳を使うことと、塩を含んでいるおそうめんを使うこと。
豆乳に直接、麺を入れて煮込んだものをスープにするので、塩を使っていないおそうめんだと、味付けがいまひとつになってしまうのです。

ラー油が苦手なかたは、ごま油でも美味しいです。

この手軽さがウケたのか、公開時には友人間でブレイクしたのですが、これからの寒い季節には思い出していただけると嬉しいメニューかもしれません!

生のとうもろこしが出回るようになる、夏のごちそうです。

冷凍ものを使えば一年中作れるものだけど、みずみずしい旬の生とうもろこしを使って作るポタージュは、格別です。

甘みはなにも加えず、玉ねぎのスライスを炒めたところに、生とうもろこしの粒とひげ、芯を一緒にして火入れします。
とうもろこしのひげは薬膳では大事な食材。
むくみとりの名人なのです。

芯もまた薬膳の食材ですが、何より美味しい出汁が出るので、一緒に炊きます。

コトコトやってとうもろこしに火が通ったら芯を取り出して、少し冷まします。
粗熱が取れたら、ひげも実も、全部をミキサーにかけます。
お好みで、オリーブオイルと生クリームも一緒に。

全体がスープ状になったら、塩で軽く味付けしてできあがり。
必要なら弱火でじんわりと温め直して。

ヴィーガンにしたいなら、生クリームを入れずに作ればOKです。
これはこれで、さっぱりして美味しいスープになります。

玉ねぎととうもろこしの甘みがじんわり染み渡る、夏のポタージュです。
冷やしていただいても、美味しいですよ!

Instagramで見かけた、美しい色合いのピクルス。

料理家の長尾智子さんが作られた、カリフラワーとブルーベリーのピクルスでした。
特にレシピは書いてなかったけれど、紫のカリフラワーを使っている、とのコメントが。

その美しい薄紫は、カリフラワーとブルーベリーのアントシアニンから来ているものに違いありません。
何より、カリフラワーとブルーベリーという組み合わせが面白くて、「作ってみたい」と思わせるものでした。

その写真を観てからしばらくして、マーケットで出会った紫のカリフラワー。
思わず手にとって、買いました。

別のファームでブルーベリーも出ていたので、これはもうやってみるしかない、と思って作ったのでした。
レシピはいつもの自分のやり方で。

果物が入るピクルスなので、シナモンに八角にカルダモンに…と、甘い香りを付ける感じでまとめて。

作りたてのピクルス液には、まだ何の色もついていませんでしたが、お酢の作用で一晩もたてばきれいな色に変わっていました。

長尾さんが作られた薄紫のものより、だいぶ色が出てしまって、マゼンタになってしまいましたが…。

少し甘めの味付けも、この組み合わせには良かったようです。
きゅうりと人参のピクルスと一緒に出せば、三者三様に違う色合いで、お皿がにぎやかに。

長尾さんによると、ビーツを使ってもいいそうです。
確かに、それもきれいなピンクになりそうです!

ブルーベリーはもう終わってしまったけど、冷蔵庫にあるビーツを使って、また作ってみようかな…。

アメリカにいると、出会う確率が高いもののひとつが、コールスロー。

揚げ物に、ハンバーガーに、グリルしたお肉や魚介に、サンドイッチに…アメリカンフードでは定番の付け合せだからです。
とはいえ、わたしは外食で「美味しい」と思うものにあたったことがありません。

なんでかと言うと…「甘い」から。

アメリカのマヨネーズには砂糖が入っているのですが、それに加えてさらに甘く味付けすることがほとんどなので、甘いものが苦手なわたしは、どうしても「美味しい」と思えないのです。

キャベツに人参、時にはコーン、玉ねぎ、きゅうりが一緒…の組み合わせは定番とも言えるし、ハズレのない組み合わせなんですが…。

いかんせん、そこにからむドレッシングが甘い!甘すぎる!!
野菜の甘さが打ち消されて、ぼんやりと甘いなにかになってしまう!!!

もちろん個人的な感想だし、定番の付け合せということは、大多数のアメリカ人は「美味しい」と思う味付けなのでしょう。

でも、コールスロー自体は、ドレッシングの味が好きではないだけで、サラダとしては好き。
時々、無性に食べたくなったりもします。

というわけで、自分で作るときは砂糖を使っていないマヨネーズを風味づけに使って、あとはお酢や塩胡椒でキリッとした味にします。

野菜は事前に塩もみして水分を出しておけば、水っぽくなることもありません。
少しクタッとした野菜にからむ、軽いマヨネーズ味のソースは、辛いもののお供には最適!

「いなわら亭」の定番には、カレー味のコールスローもあるのですが、これはどなたにも好評をいただける名レシピ。パーティに持ち寄っても喜ばれる一品なので、いずれレシピを書きますね。

赤キャベツを使った、きれいな色合いのコールスローのレシピはこちら
マヨネーズ味ではなくて、オリーブオイル、お酢、マスタードのみのシンプルなもの。
でも「ちょっとした隠し味」で意外な味わいになります。ぜひお試しを!



脂身多めの、豚バラ肉。さて、どうしましょう。

角煮にするのもいいけれど、今はまだ暑いのでちょっと気分じゃないし…。
でも、炒めものやタイ料理で使うには、脂身が多すぎです。

そんな時「そういえばしばらくやってないな」と思い出したのが、手作りのパンチェッタ。

パンチェッタといえば、イタリア料理で使う塩漬けの豚バラ肉です。
スモークしたものも売っていることがありますね。

これは、まだ日本にいた頃に「きょうの料理」で覚えたものです。

適当な大きさに切った豚バラ肉に、塩をたっぷり、全体にしっかりまぶします。
それからさらに、全体にドライのマジョラム(オレガノでもOK)をまぶして、その上から厚めに切ったにんにくスライスを全体に貼り付けていきます。

にんにくスライスはうまく固定できないのですが、そのうち、浸透圧で豚肉から出てきた水分で塩とハーブがしっとりして、馴染んできます。

そのままそーーっと、水切り網があるトレイなどに載せ、トレイの上からラップします。水が出ることがあるので、水切り網があるトレイは必須。

そして、冷蔵庫で一週間ほどほっておきます。

一週間ほどして、お肉から水が出ている場合はペーパータオルでそっと吸ってやり、今度は豚肉そのものを、塩+ハーブ+にんにくごと、きっちりとくるんで保存します。

わたしはそこから10日〜二週間くらい熟成させてから使いますが、一週間たった段階で、もう使えます。

食べるときには、ざっとくっついてるものを払ってから、まず少しだけ、ベーコンのように薄切りにして(塩でしまっているのでやりやすいですが、滑るので気をつけて)みます。

それらに軽く火を通して(茹でても、炒めてもOK)味を見ます。
もし、しょっぱすぎる場合は、薄い塩水に放って好みのところまで塩抜きします。

わたしはそのまま使ってしまうことが多いです。

スープに入れたり、大きく切って煮たりと色んなことに使えますが、「いなわら亭」の定番は、トマトソースのパスタです。

パンチェッタにハーブとにんにくの香味があるので塩はほとんど使わず、パンチェッタの塩味だけで調味します。
トマトもトマト水煮缶を使い、トマトソースは使いません。

要はベーコンのトマトソースパスタとか、アマトリチャーナ・ロッソを作るイメージでOKなのですが、このときはなぜか、玉ねぎよりも長ネギ(アメリカでなら、リークかスカリオン)が合います。

思うに、豚バラ肉の脂身の甘みには、甘くないネギのほうが合うようなのです。

生の豚肉を使うので、お試しいただくときには、手や器具の消毒をしっかりしてくださいね!
におい、味などに少しでも怪しい感じがしたら、絶対に食べないでください。

もちろん、調理で完全に火を通すことをお忘れなく。

とはいえこの手作りパンチェッタ、しっかり炒めて脂をじっくり出したほうが、美味しいです!
脂を食べる…という感じになるので、脂身多めの豚バラ肉が向いている、というわけ。

わたしのオムレツは、庶民派です。

ホテルのレストランで出てくるような、ポワンっと黄色くてふんわりしてるやつ。
オムレツというとあのイメージなのですが、わたしが作るとどうも庶民派のでき上がりです。

今日のビールのお供は、納豆オムレツ。
ふわっとのせたグリーンは、人参の葉っぱです。人参はセリ科なので、その葉っぱはパセリに似た芳香があって、代用としては申し分ないのです。

一応、オムレツの形にはなってますが、やっぱり庶民派のルックス。

支配人には「問題ないよ、上手だよ」と言ってもらえて一安心。
ちょっと焼き目がついてるのも、家庭のオムレツと思えば可愛く見えてきたりしますねw

わたしが存じているフランス人の男性が作るオムレツは、丸く焼いたものを半分にパタンっと閉じただけだったりします。オムレツ型ですらありません。
でも、ふんわりと美味しく焼けていて最高、オムレツは旦那様でないと…と奥様はお気に入りなのです。

そのオムレツの写真を観ると、その昔、パリに通っていた頃のことを思い出します。

寒い雨の日に、暖を求めて入った場末のカフェで食べたオムレツのことです。そのオムレツも、黄色くてふんわりしてるものではなくて、わたしが作るみたいな、ちょっと焼き目のついたやつでした。

樽から注いだに違いない、ミネラルウォーターのボトルに入って出てきた「赤のハウスワイン」と一緒に食べた、マッシュルームと玉ねぎのオムレツ。
寒い日の暖を取るにはぴったりでした。

「いなわら亭」のオムレツとしては、黄色くてふんわりしたレストランのあれより、このほうが愛嬌があっていいのかもですね。

お肉屋さんのいいバターをたっぷり使ったわたしのオムレツ、また気が向いたら作ります。

チキンレバーのペーストを作りました。

きのこ4種(エリンギ、しいたけ、ひらたけ、舞茸)のマリネと一緒に、極薄に切ってトーストしたパンと合わせて。
そのまま食べてもいいし、パンにのせてカナッペ風にしても。

そろそろ暑くなってきたこの時期の晩酌は、キリッと冷えた白ワインです。

このレバーペースト、見た目ではわかりませんが、セロリに玉ねぎに人参ににんにくに…と、実は野菜たっぷりです。

くさみもなくあっさりしているので、「多いかな?」と思う量を作っても、いつの間にか食べてしまいます。

煮込んだレバーと野菜をミキサーでペースト状にする際、バターと生クリームを一緒に撹拌します。
この段階ではまだゆるゆるのものを冷蔵庫で半日ほどしっかり冷やすと、その脂がかたまって柔らかいバターのようなペーストになって、パンにもぬれるようになります。

「まるでアイスクリームみたい」
…とは支配人の談w

確かに「大人のアイスクリーム」かもね。

この夏、いなわら亭が夢中なのが「ジョナ・クラブ」。

「クラブ」と言っても、遊ぶところじゃなくって「蟹」です。

いつものロードアイランド州の漁師さんが持ってきてくれる、地元産の蟹。
丁寧にむき身にしてあって、その手間のせいか多少お高いのですが、これが甘くてみずみずしくて美味しい!のです。

わが家の食べる量だと、たっぷり使っても半パウンド(200ちょっと)で2回は食べるし、むき身だからすぐに使えるので、それを考えたらお値段的には文句なしです。

今日は、その蟹をカニサラダにしました。
マーケットで手に入れた小ぶりのトマトとディルをたっぷり。新玉ねぎのみじん切りも入ってます。

これで白ワインをさっぱりといただけば、夏の夜の重たい蒸し暑さも軽快に過ごせます。

蟹の身には「プイイ・フュメ」が合う…とソムリエに教えてもらったので(確かに合います!)、わざわざ探しに出かけたのですが、どうしてもこの日は見つからず、ソーヴィニョン・ブランで。

それでもさっぱりした飲み口は、カニサラダにはよく合いました。
う〜〜〜ん、至福!!!!

こうなったら、今度はぜひとも「プイイ・フュメ」をお供にすべく、売っているところを探さなくちゃ!!