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Instagramで見かけた、美しい色合いのピクルス。

料理家の長尾智子さんが作られた、カリフラワーとブルーベリーのピクルスでした。
特にレシピは書いてなかったけれど、紫のカリフラワーを使っている、とのコメントが。

その美しい薄紫は、カリフラワーとブルーベリーのアントシアニンから来ているものに違いありません。
何より、カリフラワーとブルーベリーという組み合わせが面白くて、「作ってみたい」と思わせるものでした。

その写真を観てからしばらくして、マーケットで出会った紫のカリフラワー。
思わず手にとって、買いました。

別のファームでブルーベリーも出ていたので、これはもうやってみるしかない、と思って作ったのでした。
レシピはいつもの自分のやり方で。

果物が入るピクルスなので、シナモンに八角にカルダモンに…と、甘い香りを付ける感じでまとめて。

作りたてのピクルス液には、まだ何の色もついていませんでしたが、お酢の作用で一晩もたてばきれいな色に変わっていました。

長尾さんが作られた薄紫のものより、だいぶ色が出てしまって、マゼンタになってしまいましたが…。

少し甘めの味付けも、この組み合わせには良かったようです。
きゅうりと人参のピクルスと一緒に出せば、三者三様に違う色合いで、お皿がにぎやかに。

長尾さんによると、ビーツを使ってもいいそうです。
確かに、それもきれいなピンクになりそうです!

ブルーベリーはもう終わってしまったけど、冷蔵庫にあるビーツを使って、また作ってみようかな…。

アメリカにいると、出会う確率が高いもののひとつが、コールスロー。

揚げ物に、ハンバーガーに、グリルしたお肉や魚介に、サンドイッチに…アメリカンフードでは定番の付け合せだからです。
とはいえ、わたしは外食で「美味しい」と思うものにあたったことがありません。

なんでかと言うと…「甘い」から。

アメリカのマヨネーズには砂糖が入っているのですが、それに加えてさらに甘く味付けすることがほとんどなので、甘いものが苦手なわたしは、どうしても「美味しい」と思えないのです。

キャベツに人参、時にはコーン、玉ねぎ、きゅうりが一緒…の組み合わせは定番とも言えるし、ハズレのない組み合わせなんですが…。

いかんせん、そこにからむドレッシングが甘い!甘すぎる!!
野菜の甘さが打ち消されて、ぼんやりと甘いなにかになってしまう!!!

もちろん個人的な感想だし、定番の付け合せということは、大多数のアメリカ人は「美味しい」と思う味付けなのでしょう。

でも、コールスロー自体は、ドレッシングの味が好きではないだけで、サラダとしては好き。
時々、無性に食べたくなったりもします。

というわけで、自分で作るときは砂糖を使っていないマヨネーズを風味づけに使って、あとはお酢や塩胡椒でキリッとした味にします。

野菜は事前に塩もみして水分を出しておけば、水っぽくなることもありません。
少しクタッとした野菜にからむ、軽いマヨネーズ味のソースは、辛いもののお供には最適!

「いなわら亭」の定番には、カレー味のコールスローもあるのですが、これはどなたにも好評をいただける名レシピ。パーティに持ち寄っても喜ばれる一品なので、いずれレシピを書きますね。

赤キャベツを使った、きれいな色合いのコールスローのレシピはこちら
マヨネーズ味ではなくて、オリーブオイル、お酢、マスタードのみのシンプルなもの。
でも「ちょっとした隠し味」で意外な味わいになります。ぜひお試しを!



脂身多めの、豚バラ肉。さて、どうしましょう。

角煮にするのもいいけれど、今はまだ暑いのでちょっと気分じゃないし…。
でも、炒めものやタイ料理で使うには、脂身が多すぎです。

そんな時「そういえばしばらくやってないな」と思い出したのが、手作りのパンチェッタ。

パンチェッタといえば、イタリア料理で使う塩漬けの豚バラ肉です。
スモークしたものも売っていることがありますね。

これは、まだ日本にいた頃に「きょうの料理」で覚えたものです。

適当な大きさに切った豚バラ肉に、塩をたっぷり、全体にしっかりまぶします。
それからさらに、全体にドライのマジョラム(オレガノでもOK)をまぶして、その上から厚めに切ったにんにくスライスを全体に貼り付けていきます。

にんにくスライスはうまく固定できないのですが、そのうち、浸透圧で豚肉から出てきた水分で塩とハーブがしっとりして、馴染んできます。

そのままそーーっと、水切り網があるトレイなどに載せ、トレイの上からラップします。水が出ることがあるので、水切り網があるトレイは必須。

そして、冷蔵庫で一週間ほどほっておきます。

一週間ほどして、お肉から水が出ている場合はペーパータオルでそっと吸ってやり、今度は豚肉そのものを、塩+ハーブ+にんにくごと、きっちりとくるんで保存します。

わたしはそこから10日〜二週間くらい熟成させてから使いますが、一週間たった段階で、もう使えます。

食べるときには、ざっとくっついてるものを払ってから、まず少しだけ、ベーコンのように薄切りにして(塩でしまっているのでやりやすいですが、滑るので気をつけて)みます。

それらに軽く火を通して(茹でても、炒めてもOK)味を見ます。
もし、しょっぱすぎる場合は、薄い塩水に放って好みのところまで塩抜きします。

わたしはそのまま使ってしまうことが多いです。

スープに入れたり、大きく切って煮たりと色んなことに使えますが、「いなわら亭」の定番は、トマトソースのパスタです。

パンチェッタにハーブとにんにくの香味があるので塩はほとんど使わず、パンチェッタの塩味だけで調味します。
トマトもトマト水煮缶を使い、トマトソースは使いません。

要はベーコンのトマトソースパスタとか、アマトリチャーナ・ロッソを作るイメージでOKなのですが、このときはなぜか、玉ねぎよりも長ネギ(アメリカでなら、リークかスカリオン)が合います。

思うに、豚バラ肉の脂身の甘みには、甘くないネギのほうが合うようなのです。

生の豚肉を使うので、お試しいただくときには、手や器具の消毒をしっかりしてくださいね!
におい、味などに少しでも怪しい感じがしたら、絶対に食べないでください。

もちろん、調理で完全に火を通すことをお忘れなく。

とはいえこの手作りパンチェッタ、しっかり炒めて脂をじっくり出したほうが、美味しいです!
脂を食べる…という感じになるので、脂身多めの豚バラ肉が向いている、というわけ。

わたしのオムレツは、庶民派です。

ホテルのレストランで出てくるような、ポワンっと黄色くてふんわりしてるやつ。
オムレツというとあのイメージなのですが、わたしが作るとどうも庶民派のでき上がりです。

今日のビールのお供は、納豆オムレツ。
ふわっとのせたグリーンは、人参の葉っぱです。人参はセリ科なので、その葉っぱはパセリに似た芳香があって、代用としては申し分ないのです。

一応、オムレツの形にはなってますが、やっぱり庶民派のルックス。

支配人には「問題ないよ、上手だよ」と言ってもらえて一安心。
ちょっと焼き目がついてるのも、家庭のオムレツと思えば可愛く見えてきたりしますねw

わたしが存じているフランス人の男性が作るオムレツは、丸く焼いたものを半分にパタンっと閉じただけだったりします。オムレツ型ですらありません。
でも、ふんわりと美味しく焼けていて最高、オムレツは旦那様でないと…と奥様はお気に入りなのです。

そのオムレツの写真を観ると、その昔、パリに通っていた頃のことを思い出します。

寒い雨の日に、暖を求めて入った場末のカフェで食べたオムレツのことです。そのオムレツも、黄色くてふんわりしてるものではなくて、わたしが作るみたいな、ちょっと焼き目のついたやつでした。

樽から注いだに違いない、ミネラルウォーターのボトルに入って出てきた「赤のハウスワイン」と一緒に食べた、マッシュルームと玉ねぎのオムレツ。
寒い日の暖を取るにはぴったりでした。

「いなわら亭」のオムレツとしては、黄色くてふんわりしたレストランのあれより、このほうが愛嬌があっていいのかもですね。

お肉屋さんのいいバターをたっぷり使ったわたしのオムレツ、また気が向いたら作ります。

チキンレバーのペーストを作りました。

きのこ4種(エリンギ、しいたけ、ひらたけ、舞茸)のマリネと一緒に、極薄に切ってトーストしたパンと合わせて。
そのまま食べてもいいし、パンにのせてカナッペ風にしても。

そろそろ暑くなってきたこの時期の晩酌は、キリッと冷えた白ワインです。

このレバーペースト、見た目ではわかりませんが、セロリに玉ねぎに人参ににんにくに…と、実は野菜たっぷりです。

くさみもなくあっさりしているので、「多いかな?」と思う量を作っても、いつの間にか食べてしまいます。

煮込んだレバーと野菜をミキサーでペースト状にする際、バターと生クリームを一緒に撹拌します。
この段階ではまだゆるゆるのものを冷蔵庫で半日ほどしっかり冷やすと、その脂がかたまって柔らかいバターのようなペーストになって、パンにもぬれるようになります。

「まるでアイスクリームみたい」
…とは支配人の談w

確かに「大人のアイスクリーム」かもね。

この夏、いなわら亭が夢中なのが「ジョナ・クラブ」。

「クラブ」と言っても、遊ぶところじゃなくって「蟹」です。

いつものロードアイランド州の漁師さんが持ってきてくれる、地元産の蟹。
丁寧にむき身にしてあって、その手間のせいか多少お高いのですが、これが甘くてみずみずしくて美味しい!のです。

わが家の食べる量だと、たっぷり使っても半パウンド(200ちょっと)で2回は食べるし、むき身だからすぐに使えるので、それを考えたらお値段的には文句なしです。

今日は、その蟹をカニサラダにしました。
マーケットで手に入れた小ぶりのトマトとディルをたっぷり。新玉ねぎのみじん切りも入ってます。

これで白ワインをさっぱりといただけば、夏の夜の重たい蒸し暑さも軽快に過ごせます。

蟹の身には「プイイ・フュメ」が合う…とソムリエに教えてもらったので(確かに合います!)、わざわざ探しに出かけたのですが、どうしてもこの日は見つからず、ソーヴィニョン・ブランで。

それでもさっぱりした飲み口は、カニサラダにはよく合いました。
う〜〜〜ん、至福!!!!

こうなったら、今度はぜひとも「プイイ・フュメ」をお供にすべく、売っているところを探さなくちゃ!!

お腹も良くなったとはいえ、いつもよりも少しだけ気をつけてごはんを食べています。

やっぱり発酵食品を意識してとらないと…というわけで、今日の「ちいさなおそば」は、納豆入りです。
めんつゆが冷たいので、麺は冷やさずに、釜あげで。

実は、今日はお蕎麦ではなくてうどんなのですが…。色はきれいな緑。
これ、茶そばならぬ「茶うどん」なんです。

6月にカリフォルニアに行ったとき、立ち寄った日系スーパーで見つけて買ってきたもの。
夏は抹茶の季節…ということらしく、店内にはお茶系のお菓子やドリンクがいっぱいありましたが、わたしが心惹かれたのは、このうどんでしたw

茶そばの中には茹でると色があせてしまうものもありますが、このうどんは添加物もないのに、かなり色が残りました。お茶の香りはまあまあ、します。

納豆のほかは、海苔、刻んだ紫蘇が薬味です。

麺も納豆もよくよく噛んで、お腹ケアをしました。
食後はサプリメントとして買ってあるビール酵母を飲めば、完璧です!

あ、もちろん、生のビール酵母もいただきますよ!!w

患って一週間ほどでようやく大腸炎も治り、普通食に戻りました。

この日のお昼は、塩焼きそばでサラッと済ませたせいか、お夕飯の時間になって、珍しくお腹がペコペコ。

昼間、ちょっと重めの作業をしたせいもあったかもしれませんが、とにかくパワフルなものを食べたい!
それをツマミに、ビールをカーっと飲んでスッキリしたい!!

そんなわけで、早めに食べきりたかった鶏もも肉を使って炒めもの。
宮保鶏丁(ゴンバオジーディン)です。

いわゆる「鶏肉とカシューナッツの炒めもの」ですが、このお料理のナッツはカシューナッツに限らず、何でもいいんだそうです。
わが家もこの日はカシューナッツを切らしていたので、クルミで作りました。

唐辛子も多めに入れて、クルミに塩味がない分、味付けもやや強めです。

クルミをつかったせいか、どうも彩りに欠ける見た目になってしまいましたが、お味は上々。
「パワフルなものを食べたい」という気分にはぴったりでした。

わたしの宮保鶏丁のレシピは、四川飯店の陳建一さんの著作のものです。
この日は鶏もも肉もプリッと炒めることができて、とっても嬉しかった〜〜!!

支配人とふたり、「パワフルおつまみ」で乾杯しました。

まだまだ大腸炎です。

緊急時以外は薬を使わないことにしているので、自然治癒にまかせています。
家にこもって身体を温めつつ、よく休んで…。

とまあ、そんな状態では、食事も病人食です。
空腹は感じますが、お腹が痛いのと壊れてるのとで、食べるメニューはやっぱり決まってきます。

この日は、消化に良くてタンパク質もとれる温泉玉子(半熟玉子よりも消化が良いそうです)と、少し前に作って冷蔵庫に保存していた、蕗としらすの炊き込みごはんを使ったおじや、そして梅干し。

ちびちびと食べていたら、子どもの頃を思い出しました。

わたしは昔からお腹が弱かったので、よくお粥やおじやの世話になっていました。
わたしがちょっと元気がなくなったり、具合が悪くなると、母は残ったお味噌汁にごはんを入れて「猫まんま」を作ってくれたものでした。

出来上がったそれを、母は小鉢に少しだけよそって食べさせてくれます。
お玉の半分くらいの量で、パクパクいくなら、3口くらいの量です。

その小鉢の底には可愛い野菜の絵があって、食べきるとそれが見えます。
絵は何種類かあって、どれが当たるかは食べきらないとわからないのです。その仕掛けで、絵が好きなわたしができるだけたくさん食べるよう、考えてくれたのでしょう。

母は自宅で仕事をしていたにもかかわらず、わたしが少しのおじやを食べきると、おかわりを都度、よそってくれました。

この少しずつの量を不思議に思ったわたしが「どうして少しずつなの?」と訊いたら、母は「あんたは『猫わけ』だから」と返してきました。
「猫わけ」には諸説あるようですが、母の場合「猫がごはんを必ず少し残して気が向いたらまた食べるように、気が向いたときに少しずつ食べる」ことを意味していたようです。

実際そのとおりで、わたしは一食でたくさんの量を食べられません。
普通の人の半分〜7割くらいの量でいっぱいになってしまいますが、後でお腹がすいてまたつまむ、という感じです。

久しぶりのおじやを食べながら、子どもの頃を思い返しました。

口腔手術を受けた支配人に合わせるように、急性大腸炎になってしまいました。

傷口があるので、スープや柔らかいものしか食べられない支配人と、お腹の調子が悪くて消化に良いものしかたべられないわたし。
ポタージュやおかゆで過ごしていたけど、口から下は元気な支配人には、もうちょっと何か食べさせてあげたい。

そこでふと思いついたのが「茶碗蒸し」。
玉子と出汁でできたあたたかいもの…これなら、わたしもお相伴できるではないですか。

ファーマーズ・マーケットで買った新鮮な玉子と丁寧にとった出汁だから、何も具を入れなくても美味しいでしょうけど、何かほしいな〜…ということで、しいたけのスライス。

鶏肉も百合根もぎんなんも海老も入ってないけど、この「しいたけだけの茶碗蒸し」、とっても美味しかったです。

適当な容器がなくて、オールド・パイレックスのマグカップで作ってしまったけど…。
これはまあ、これでいいですねwww

支配人とふたり、熱々をゆっくりといただきました。

出汁のお味がじんわりとお腹にしみて、その日はゆっくり眠れましたよ。